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京都の世界遺産にレジェント級のビンテージカーが集結──一生モノの思い出になるコンコルソ・デレガンツァ京都

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京都の世界遺産にレジェント級のビンテージカーが集結──一生モノの思い出になるコンコルソ・デレガンツァ京都

江戸時代の幕開けと幕引きを目撃した京都・二条城。明治維新後に徳川家から皇室へと所有者が代わって二条離宮と呼ばれるようになったが、昭和になってから京都市へと下賜され現在の呼び名、元離宮二条城となった。古都京都の文化財として世界遺産の一つにも数えられている。

貴重なビンテージカーを飾って眺める舞台としては、これ以上の場所はないだろう。“コンコルソ・デレガンツァ京都”が今年も二条城で開催された。

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数ある世界のビンテージカーコンクールのなかで特に有名なイベントを挙げろと問われたならば、アメリカ西海岸の“ペブルビーチ・コンクール・デレガンス”か、イタリア湖水地方の“コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ”を挙げるだろう。

京都でのコンクール開催をプロデュースしたアクアリウムアーティストの木村英智氏は、そんな有名コンクールと並び立つようなアジアを代表するイベントを成立させることが、日本の自動車文化の発展には不可欠だと考えた。

今年で3回目(以前には東京でも開催していた)。歴史がモノを言う世界だけに、イベントとしてはまだまだこれからかも知れない。けれども世界的な人気を誇る街である京都から発信されるビンテージカーイベントということで、世界のコレクターたちに認められつつあるのもまた事実である。

そのことは、招聘された(コンクールというからには出展車両の審査が行なわれ、順位が付けられる)国際審査員の顔触れを見ても合点がいく。国際クラシックカー連盟(FIVA)会長のパトリック・ロレ氏を筆頭に、ヴィラデステからFIVA役員で出品選考委員のドミニク・フィシュリン氏、ヴィラデステ審査委員長で元カーデザイナーのロレンツィオ・ラマチィオッティ氏、ペブルビーチトップのサンドラ・バトン氏、英国ロイヤルオートモビル役員のピーター・リード氏など、ビンテージカー界の大物がズラリと顔を揃えたからだ。日本からは元日産でペブルビーチ名誉審査員のひとり、中村史郎氏も招かれていた。

場所、審査員はすでに超一流。あとは主役のクルマ次第、というわけで、世界的に有名なコレクターであるコッラード・ロプレスト大会委員長と委員会のお眼鏡にかなった素晴らしい名車たちが今年も世界中から集まった。コンクールのメインテーマは“ザガートの百周年”と“ランボルギーニ・ポロストリコ”。イタリアの名車を中心に50台近くの出品があった。

眼福だったのはなんといっても世界中から集まったザガートの作品群だろう。1930年代の戦前アルファロメオから2018年の最新アストンマーティンまでなんと25モデルが集結。フィアットやランチア、アバルト、アルファロメオをベースとしたお馴染みのザガートたちに混じって、ローバーやポルシェといった珍しいザガートモデルも見える。

なかでも激レアだったのがアメリカからやってきた1965年式ランボルギーニ350GTZで、2019年の2大テーマにふさわしく“ベスト・オブ・ショー”を勝ち取った。筆者などはこの個体を日本で見ることができただけでシアワセな気分になったものだ。

ランボルギーニのポロストリコ(クラシックモデル)も充実していた。今回は少し新しい世代のディアブロまで参加資格があったため、二条城ではいっそうランボルギーニらしい世界観が展開されることに。

その前週に岡山でラリーツアーを共にしたばかりのミウラSVはランボルギーニ’63-‘71のクラスウィナーとベストランボルギーニを獲得したし、友人が所有するオレンジのカウンタックLP400もまた’72-’85クラスウィナーとCHAPAL賞を穫っている。もっともこの2台、日本ではすでに有名過ぎる個体だ。そろそろ別の素晴らしいクラシックランボにも出てきて欲しいもの(日本にはまだ見ぬ素晴らしいランボルギーニが沢山あるのだから)。

ビンテージカーコンクールは純粋に名車の美しさやエレガンス、物語性を競うイベントであると同時に、クルマ好きの社交サロンでもある。そのため、この手のコンクールには展示イベントのほかに様々なアトラクションが用意されるのが常であり、それがまたエントラントの楽しみのひとつにもなっている。

今回もまた京都らしい“お楽しみ”が用意されていた。たとえば土曜日の夜に開催されたガラディナーだ。京都市長主催という形式で行なわれたもので、場所はなんと京都五山一位にして世界遺産の天龍寺。エントラントは主催者側の用意した和装で出席するという趣向が凝らされていたから、特に海外からの参加者は楽しかったに違いない。精進料理には驚いたかもしれないけれど!

また、昨年からコンクールのあとに“ツアー・デレガンス”という新しい試みも始まっている。せっかく京都まで持ち込んだ愛車を展示だけで終わらせるのはもったいないと企画された“走るコンクール”だ。

今回のイベントでザガートの百周年を記念する限定クロノグラフを発表したショパールと主催者が用意してくれたアルファロメオSZ(ES30)を駆って、ボクもツアー参加者とともに四国は香川県まで旅をした。ベスト・オブ・ショーのランボルギーニ350GTZをはじめ名だたるビンテージカーたちが連なって走る様子をSZのコクピットから眺めつつ瀬戸大橋を渡った。あの感動の体験は、一生の思い出になりそうである。

ビンテージカーが主役の世界的なコンクールがこうして登場し、ラフェスタミッレミリアに代表されるラリーイベントやサーキットも盛んで、オークションも開催されるようになってきた。日本にもクルマ趣味がひとつの文化として認められる時代がいよいよやってきた。

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