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いわば「N」で走るような輸入車の「コースティング」機能! エンブレが効かないモードは危なくない?

掲載 更新 43
いわば「N」で走るような輸入車の「コースティング」機能! エンブレが効かないモードは危なくない?

 この記事をまとめると

■輸入車の多くに省燃費につながる技術「コースティング」が採用されている

【意外と知らない】オートマの「N」ニュートラルは何に使う?

■安全に正しく使うにはメカニズムを把握している必要がある

■日本車にはほぼ採用されていないが、広義の理解であれば備わっていると言える

 明確な機能として備わっている日本車はほとんどない

 省燃費につながるテクノロジーとして、輸入車とくにドイツ車を中心に多く採用されているのが「コースティング」である。

 アウディの説明を引用すると次のとおりだ。 「効率モード」を選択して走行中に、アクセルペダルから足を離すと自動的にクラッチが切れ、エンジンはアイドリング状態になります。エンジンブレーキがかからず、穏やかに速度が落ちていくため、トータルではアクセルペダルを踏む時間が短くなり、燃料消費量の抑制につながります。

 MT車であれば走行中にシフトをニュートラルに入れて惰性で走行している状態になる。加速により得たイナーシャを最大限に活用して惰性で走ることトータルでのエネルギーマネージメントにおいて有利になり、燃費がよくなるという理屈だ。

 ただし、このモードを安全に正しく使うにはメカニズムを理解している必要がある。実際、ワインディングの下りでコースティング機能を利用すると、エンジンブレーキが効かない状態なわけだから、どんどん速度が上がってしまう。エンジンブレーキが必要なシチュエーションではコースティング機能が働かないドライブモードを選ばなくてはならない。

 もっとも通常はブレーキペダルを踏むと、コースティング機能はキャンセルされ、適切なエンジンブレーキが効くようになるので心配しすぎることはない。加速したいときはアクセルを踏む、減速したいときはブレーキを操作するというシンプルな運転をすれば問題ない。

 さて、このコースティングだが明確な機能として備わっている日本車はほとんどない。その理由はいくつか考えられるが、日本の環境を考えるとコースティングを利用できるシチュエーションは非常に限られるからだろう。

 コースティング機能が有効なのは高速道路になるが、惰性で速度を落とさずに走るには道路がまっすぐで平坦であることがポイントになる。ところが日本の高速道路ときたらくねくねと曲がっているし、勾配もきつい。コースティング機能を実装したとしても十分に利用できるような環境とはいえないのだ。

 ただし、コースティングを「走行中にニュートラルに入れる」ではなくて、「エンジンブレーキをあまり効かせない」機能として捉えると、じつは日本車の多くがコースティング的な制御をしているということもできる。

 エンブレの強弱を意識することは燃費に影響する

 とくにCVT車の多くはアクセルオフで変速比をどんどん高めていって惰性で走れるようになっていることが多い。またハイブリッドカーにおいてもアクセルオフでエンジンを止めるものが多く、その状態からアクセルを少しだけ踏み足すとモーターにわずかに電流を流すことで、さほどエネルギーを使わずに速度を維持するような制御をしている。このような制御は電気自動車でも見られる。

 つまりコースティング自体が日本に合っていないというよりも、日本の交通環境においてはニュートラルに入れるほどのコースティングは必要ないが、惰性で走る領域を拡大することは燃費メリットがあるのは変わらないといえるのだ。

 言い換えればエンジンブレーキの強弱を意識してコントロールすることは燃費性能に影響するといえるのだ。

 前述したように国産のCVTやステップAT車であればDレンジで走行していればアクセルオフでもシフトダウンせずに、むしろシフトアップして惰性で走ろうとするクルマが多い。

 それを嫌ってスポーツモードなどで走るというドライバーもいるようだが、むしろコースティング的な制御を活かしつつ、エンジンブレーキが必要なときだけ、シフトレバーやパドルシフトを操作してエンジンブレーキを強めてやるという乗り方が良好な燃費につながるといえる。

 ハイブリッドカーや電気自動車のなかには、パドル操作によってモーターによる回生ブレーキの強さを何段階かに調整できる機能を持つクルマもあるが、そうした場合も考え方は同様だ。加速で消費したエネルギーをできるだけ有効活用するには惰性で走る領域を広げたほうがいいし、減速するのであれば回生によって可能な限り電気に変えて溜めておくほうが効率的だ。

 たとえば、前方にある信号が青に変わったばかりであるならば急加速せずに惰性で交差点に向かえばいいし、赤になりそうならばエンジンブレーキや回生ブレーキを利用してマイルドに減速するのがスマートだ。

 こうした運転をスムースに行なうには前方の様子を判断する先読み力が必要になる。そのためには、まずは遠くを見ることを意識して運転するようにしたい。先読みができるようになると飛び出しなどの危険を察知する能力も上がるので安全運転にもつながるはずだ。

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みんなのコメント

43件
  • 競技のエコラン、1Lのガソリンでどれだけ(千km以上走る)走れるかを競うものでは正にそういう走り方。
    燃料噴射時間を短くするため一気に加速して、あとはひたすら惰性で延々、止まる寸前でまた再加速の繰り返し。
    エンジンブレーキでは減速し過ぎてしまうので、極力長い距離惰性で走るのは確かに燃費上は有効とも言える。
    でも、頻繁に渋滞する日本の高速道路では何よりも「速度を一定に保つ」ということを優先して欲しいんだな。
    車間が詰まってのブレーキ連鎖から混雑渋滞が起きているから。
    日本車に多いCVTも勾配に対し失速するので渋滞が助長されてる。
    惰性で走って段々失速していくより、単なるクルコン状態で定置走行できる速度を見い出すようにして貰いたい。
    「渋滞しないで一定速度で走り続けられる状況」の方がよほど燃費が良いので、自分一台のエコよりも全体がエコになって自分もエコで且つ快適な方法を考えて欲しい。
  • カイエンにコースティング機能があり、運転しましたが特別違和感はないです。ある程度の速度域でアクセル一定で走っていると勝手に回転下がってニュートラルで走行しますが切り替わりは自然な感じ。低速域では通常の走行モードです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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