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インディカーGP決勝:雨中の猛追、パジェノーが逆転優勝。佐藤琢磨14位

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インディカーGP決勝:雨中の猛追、パジェノーが逆転優勝。佐藤琢磨14位

 インディカー第5戦インディカーGPの決勝レースが行われ、チーム・ペンスキーのシモン・パジェノーが2017年最終戦ソノマ以来の優勝を果たした。

 インディカーの”聖地”、インディアナポリス・モーター・スピードウェイのグランプリコースを使用する今回のレースは、スタート直前に雨粒が落ち始める悩ましいコンディションとなった。

■インディGP予選:ローゼンクヴィストが初ポール獲得。佐藤琢磨11番手

 路面はドライのままスタートが切られると、ポールポジションのフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ)がトップをキープ。ジャック・ハーベイ(メイヤー・シャンク)が好スタートでスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)を交わし、2番手に浮上した。

 11番手スタートの佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、他車と軽い接触があり16番手に後退。アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は、パトリシオ・オワード(カーリン)に追突され、サスペンションにダメージを抱えピットに戻った。

 ローゼンクヴィストは好ペースでリードを広げていったが、11周目にマーカス・エリクソン(シュミット・ピーターソン)が単独スピンしクラッシュ。このレース1回目のコーションが出された。

 ピットレーンがオープンすると、数台がピットイン。天候の悪化も予想されることから、上位勢はステイアウトを選択した。

 16周目にレースが再開。ディクソンがロケットスタートでハーベイを交わすと、そのままローゼンクヴィストにも襲いかかった。ローゼンクヴィストは必死に応戦するが、1コーナーへのブレーキングでタイヤをロック。ディクソンがトップに立った。

 後方ではコルトン・ハータ(ハーディング・レーシング)が1コーナーでスピン。また、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がジェームス・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン)に追突されスピンしたことで、再度コーションが出された。

 この間に雨が強まり始めたこともあり、ハンター-レイ以外はピットに入らず、20周目のリスタートを迎えた。ここではディクソンが絶好のスタートを決め、逆に出遅れたローゼンクヴィストが4番手までポジションを落とした。

 10番手でリスタートを迎えた佐藤は、リスタートでウィル・パワー(ペンスキー)を抜き、8番手までポジションを上げた。さらに7番手を走るパジェノーを狙った佐藤だったが、1コーナーでオーバーシュート。9番手にポジションを落とした。

 25周を過ぎると、ステイアウトを続けていた上位勢も燃料が保たずピットインし始めた。佐藤も29周目にピットへ。ただレインタイヤに履き替えるほどには路面が濡れておらず、各車がスリックタイヤをリフレッシュした。

 これで、最初のコーションでピットに入っていたジョセフ・ニューガーデン(ペンスキー)がリーダーに。5番手のヒンチクリフまでが同じ戦略で、次のピットインまでに雨を待つ態勢。6番手にディクソンが続いた。

 ニューガーデンは40周目にピットイン。レッドタイヤを履いてコースに戻った。これでディクソンがレースリーダーに復帰。2番手のエド・ジョーンズ(エド・カーペンター)に対して7秒ほどのリードを築いた。

 ただそのジョーンズを抜いたハーベイが、ペースの悪いディクソンを猛追。みるみるそのギャップを削り取っていった。

 48周目、ディクソンとハーベイ、さらに3番手のパジェノーが同時ピットイン。ここでは名門チップ・ガナッシ、ペンスキーの方が作業が速く、ハーベイがパジェノーに先行を許した。佐藤は52周目にピットイン。ここでブラックタイヤを装着し、13番手でコースに復帰した。

 トニー・カナーン(A.J.フォイト)は55周目にレインタイヤを真っ先に投入。雨脚が強くなっているのか、全体的に各車のラップタイムも落ちていった。

 59周目にはエリオ・カストロネベス(ペンスキー)がレインタイヤに交換するが、スピンしエンジンストップ。これを見た上位勢はコーションが出ると見込み、一気にピットになだれ込んだ。実際にその後、このレース3回目のコーションが出された。

 パジェノーや佐藤のチームメイト、グレアム・レイホールはステイアウト。絶好のタイミングでピットに入れたニューガーデンは、ドライのレッドタイヤで4番手につけた。

 8番手のディクソン、9番手のハーベイ、10番手のスペンサー・ピゴット(エド・カーペンター)はレインタイヤを選択した一方、11番手の佐藤はレッドタイヤをチョイスした。

 しかしコーション中に雨がひどくなってきたこともあり、ドライタイヤを履いていたマシンが一斉にピットイン。佐藤もレインタイヤに交換したが、ピットアウト直後にスピンを喫し、16番手までポジションを落とした。

 抜かりなくレインタイヤを装着していたディクソンは、トップで68周目のリスタートを迎えると、危なげなくポジションをキープした。

 5台が絡む4位争いを制しパジェノーがポジションを上げる中、ディクソンは着々とリードを拡大。残り10周の時点で5秒のリードを築いた。

 ウエットコンディションでインディカーを走らせるのが初めてのハーベイはペースが悪く、パジェノーに背後にぴったりとつかれると、80周目にオーバーテイクを許し3番手に後退した。

 2番手に浮上したパジェノーは猛プッシュ。残り5周で5秒ほどあったディクソンとの差を詰めていき、残り3周でトップ争いは完全にテール・トゥ・ノーズとなった。

 ディクソンも必死の走りで応戦するが、ブレーキングでわずかにミス。残り2周でアウトから被せたパジェノーがオーバーテイクを遂行し、ファイナルラップを迎えるとそのままトップでチェッカーを受けた。

 昨年は未勝利に終わった2016年の王者であるパジェノーは、2017年の最終戦ソノマ以来の優勝となった。ディクソンは惜しくも2位。ハーベイが3位となり、初の表彰台を獲得した。

 ポールポジションだったローゼンクヴィストは8位。佐藤は最終的に14位でフィニッシュ。最後のタイヤ選択が明暗を分けた形となった。

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