FIAは、2023年もニールス・ウィティヒがF1のレースディレクターを務めると発表したものの、次世代のオフィシャル育成プログラムを実施していくと明かした。
2021年最終戦アブダビGPでの対応をめぐる論争をきっかけに、FIAはF1のレースディレクターをふたりで分担するシステムを導入。これまでの経験を踏まえ、WEC(世界耐久選手権)からエドゥアルド・フレイタス、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)からニールス・ウィティヒを起用した。
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ただ2022年日本GPにおいて事故車両の回収時に、コース上のクレーン車とマシンがニアミスする事件が発生したこともあって、シーズン終盤はウィティヒひとりがレースディレクターを務めていた。
しかし、FIAはレースディレクターの全責任を一人の人物に委ねようとは考えておらず、長期的な視野で強力な後継者計画を立てることを望んでいる。
そこでFIAは、ウィティヒを継続してレースディレクターに起用する一方で、将来のレースディレクターやスチュワードを育成するために、より強力なトレーニングや開発プログラムを展開する予定である。
これは来月、FIAがジュネーブで開催する「第1回オフィシャルズ・ハイパフォーマンス・プログラム」で正式に開始される予定だ。現在、世界各国から8人のスチュワードと16人のレースディレクターがこのプログラムに参加している。
2月18日、19日の2日間にわたって行なわれるこのイベントのほか、研修生にはFIAのイベントに出席して上級役員の指導を受け、経験を積むための特別プログラムが提供される予定だ。
またFIAは、レースディレクターセミナーとインターナショナル・スチュワード・プログラムの形式を従来の年1回のイベントから変更。2023年からはウェブセミナーのシリーズとなり、1年を通じて対話の充実が図られる。
FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムはWRC開幕戦ラリー・モンテカルロの現場で、この計画についての進捗に満足していると述べた。
「レースディレクターやスチュワードの道筋がうまくいっていることにとても満足している。2月にはFIA本部でのトレーニングがあり、その後変化が見られるだろう」
ラリー畑出身のベン・スレイエムはまた、将来のレースディレクターに最適な人材はラリーのコ・ドライバーにいるという主張をあらためて示した。
「誰が(ラリーで)経路を担当するのか? コ・ドライバーだ。つまり、彼らは非常に分析的で組織的な人々なんだ。ラリードライバーよりもより組織的だと言えるだろう」
FIAは、F1でウィティヒの指導を受ける人物をまだ確定していないが、F3レースディレクターのクラロ・ジーガーン、F2レースディレクターのルイ・マルケス、そしてシルビア・ベロットなどの上級スチュワードが候補に挙がっているようだ。
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