アストンマーチンF1チームは、3月3日に2021年シーズンを戦うニューマシン『AMR21』を発表。1960年以来となるF1復帰の第一歩を踏み出した。
アストンマーチンの名前がF1に戻ってくるのは久々だとはいえ、前身となるのは昨年コンストラクターズランキング4位となったレーシングポイント。1年目からある程度の競争力を発揮するのは間違いないだろう。
■アストンマーチンF1復活の第一歩。2021年の新車『AMR21』発表、象徴的なグリーンカラー纏う
チーム代表のオットマー・サフナウアーは、2020年代半ばまでにチームの基礎を固めてタイトル獲得を狙えるようにしたいと語った。
「チャンピオンシップを巡って戦い、そして勝つなんて『言うは易く行なうは難し』だ」
「そのためにはふたつの要素が必要だ。ひとつはこれからタイトルコンテンダーになるためには優れた計画が必要だということ。そしてふたつ目にその計画を実行しなければならないということだ。今はその計画の真っ只中にいるところだ」
「計画の実行には間違いなくある程度の時間がかかるだろう。他のチームやF1にいる人たちは、そのためには3年から5年はかかると言ってきた。それは我々も違いはない」
「昨年から新しいインフラを備え、チームを成長させるためのスタッフ全員をひとつ屋根の下に収容することができる新しいファクトリーの計画を進めている」
「2022年末には新ファクトリーに移る予定だ。そのファクトリーの中には、チャンピオンシップを争うに足るマシンを設計・開発するためには最先端のツールが必要になるから、数年先の話になる」
「将来を見据えるとすれば、それは3年から5年の期間になるだろう」
チームの成長を助ける上で、4度チャンピオンを経験しているセバスチャン・ベッテルの存在は心強いだろう。5年以内にタイトル獲得を目指す体制を整えるというアストンマーチンの目標について、ベッテルは現実的だと考えているようだ。
「本当に勝ちたいと思うのであれば、それは長期的なプロジェクトになると思う」
そうベッテルは説明した。
「メルセデスについて考えれば、彼らは2011年か2012年のどこかの時点から計画をスタートさせ、新しくパワーユニットが導入された時(2014年)に誰よりも速く、勝ち方を学んだんだ」
「2014年のマシンは、シャシー的にはそれほど素晴らしいものではなかった。おそらくベストなシャシーを持つと考えられるマシンを作るのに、さらに5年ほどかかったんだ」
「つまり時間がかかるということだ。しかし時間は平等だし、誰もがその仕事を遂行できているわけではない」
「それ故に、多くのプロジェクトがあって様々なメーカーが戦っていても、最終的に勝つのはひとつなんだ。でもメルセデスがそれをこなし、勝ち続けてきた。だから彼らには脱帽だ。そして他のチームの仕事が単に十分じゃなかったんだ」
しかしF1では、予算制限が今季から導入される他、2022年からは新たな技術規則によりマシンが一新される。ベッテルは、それがアストンマーチンの計画に影響を与える可能性があると付け加えた。
「F1も同時に変化しているから、時間だけがそれを教えてくれる。でも3年や5年も必要ないかもしれない」
「もしかしたら、その期間が縮まるかもしれない。トップのドライバーがリタイアしたりクラッシュして、ラッキーで表彰台に上がるのではなく、もっと上に近づけることをみんなが願っているんだ。今後のF1がどう変わるのか見ものだよ」
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