2000年に登場した初代エクストレイルを皮切りに、ムラーノ(2004年)、デュアリス(2007年)、そしてスカイラインクロスオーバー(2009年)など、かつては豊富なSUVラインアップを誇っていた日産。ただ、このうちいまも残っているのはエクストレイルのみ。ジュークと入れ替わるかたちで2020年にキックスが追加となったが、それ以降新型SUVの登場はなく、国内日産のSUVは2車種しか選択肢がない状況。アリアはBEVという特殊性を考えると、選択できるユーザーは限られてしまう。
ただ、消滅したのは日本市場の話であり、いまも海外では活躍しているモデルもあるし、ほかにも日産には、日本未導入のSUVがたくさんある。SUVが「ブーム」ではなく、当たり前の存在に定着したいまこそ、国内向けのSUVラインアップを拡充すべきときではないだろうか!!
かつてSUV天国だった日産クロカン軍団よ、今こそ復活してくれんか!!
文:吉川賢一
写真:NISSAN
海外ではいまも活躍する、ムラーノ、デュアリス、スカイラインクロスオーバー
まずはムラーノ、デュアリス、スカイラインクロスオーバーの3車種について、ざっくりと振り返ろう。「ムラーノ」は、ティアナにも使われていたFF-Lプラットフォームを使用した高級SUVだ。2002年から主戦場の北米で販売されていたが、そのデザインの良さに、国内市場から販売熱望の声が上がり、2004年に日本でも発売。伸びやかな「モダンアートデザイン」コンセプトは、2代目にも受け継がれた。日本では2代目で終了となったが、今でも北米市場で3代目が活躍している。
2007年に誕生した「デュアリス」は、質実剛健としたデザインと比較的小柄なボディ、優れた音振性能、そしてしっとりした走りを実現していた、欧州市場向けのクロスオーバーSUVだ。日本ではいまいちパッとしなかったが、欧州市場では「キャッシュカイ」として爆発的な人気車種となり、欧州日産を支える大黒柱となった。2015年に登場した2代目キャッシュカイも人気を引き継ぎ、一時期は欧州市場で年間23万台(一ヶ月平均で2万台)も販売されるほどであった。2021年には欧州で3代目キャッシュカイが登場している。
3代目となる新型キャシュカイ。全長4425mm×全幅1838mm×全高1635 mm、ホイールベース2666mm、2代目キャシュカイに対し、ひと回りほど大型化した
スカイラインクロスオーバーは、その名のとおり、V36スカイライン(2006年)のシャーシを元に、クロスオーバーSUVに仕立てたものだ。海外では、INFINITIのクロスオーバーSUV「EX35」として2007年に登場。日本市場には2009年にデビューし、3.5Lの大排気量エンジン、7速AT、FR駆動とFRベースの4WDなど、素性は非常によいモデルだった。スカイラインクロスオーバーは2016年に販売終了となったが、海外ではQX50と名称を変更し、2018年には2代目も登場している。
これら3車種が、いまも海外では販売されているのに、日本では消滅となったのには、やはり日本では売れない(もしくは日本では売らないほうがよい)と日産が判断したから。日本にはボディサイズが大きすぎたムラーノ、エクストレイルとサイズが被っていたデュアリス、価格が高すぎたスカイラインクロスオーバーと、当時の日本では馴染めなかった理由がそれぞれあり、日産の経営事情も考慮すると、日本市場撤退は仕方のないことだった。そのため、これらの復活は難しいことかもしれないが、日本で売れそうなSUVが他にも多くある。国内日産のラインアップ拡充祈願として、海外専売のSUVモデルを4台ほど紹介しよう。
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2代目ジュークやマグナイト、QX55は日本でも人気になるはず!!
日本市場では2019年に初代モデル限りで販売終了となってしまった、日産のコンパクトSUV「ジューク」。ただ欧州ではいまも2代目モデルが活躍している。初代よりもボディサイズが成長し、ボディサイドのキャラクターデザインや大きなVモーショングリル、シャープなテールランプなど、ずいぶんと洗練された印象となったが、初代譲りの丸形ライトなど、初代ジュークのチャームポイントはしっかりと残されている。
ノート/ノートオーラと同じく、CMF-Bプラットフォームを採用していることから、走りの質感の高さも期待できるだろう。ジュークは次期モデルで、バッテリーEV専用となるウワサもあり、バッテリーEVとなったジュークが日本で発売されれば、初代並みのインパクトを残せるに違いない。
もうひとつ、コンパクトなSUVで日本市場にピッタリだと思うのが、インド市場向けのコンパクトクロスオーバーSUV「マグナイト」だ。ダイハツ「ロッキー」/トヨタ「ライズ」とほぼ同じ、全長4m以下という小型なボディをもち、角型のLEDヘッドライト、従来のVモーショングリルとは異なるタイプの6角形大型グリル、ヘッドライトから下に伸びる縦型LEDデイライト、インテリアにはアルミ加飾を多用した豪華なインテリア、大型ナビゲーションモニターを採用するなど、実にスタイリッシュなSUVだ。ロッキー/ライズの大ヒットをみれば、このマグナイトも日本でかなり人気が出るのではないだろうか。
日産「マグナイト」。価格が安くデザインもかっこいいため、日本でも導入されれば売れるのでは!??
これらよりも大きいSUVで、日本で需要がありそうなのが、INFINITIの「QX55」だ。QX55は、2021年に登場したモデルで、INFINITIを代表するモデルだったQX70の後継車的な位置づけとなる。最大の強みは、ダイナミックで存在感のある造形だ。導入されれば、日本市場で相当に目立つ存在となるだろう。メインマーケットである北米と中国で、狙い通り販売を伸ばすことができれば、(INFINITIのQX55としての導入ではないにしろ)何らかのかたちでの日本導入もなくはない。ぜひその活躍を日本でみたいモデルだ。
INFINITI Q55。クーペSUV風のデザインが魅力的。なおパワートレインは、QX50と同じく、4気筒可変圧縮ターボエンジン(最大出力268ps)を搭載する
また、トヨタのランドクルーザーの対抗馬として、ぜひ「パトロール」の導入も期待したい。パトロールは、かつて日本国内で「サファリ」として販売されていた、8人乗り5ドアの本格クロカンSUVだ。全長は5mを越え、全幅も2m弱とビッグサイズだが、オフロード性能や耐久性能が高く、中東地域では砂漠地帯を駆け巡るクルマとして活躍している。2023年2月には、2023年モデルの「パトロールNISMO」も登場。ぜひ、日産が誇る本格キングオブオフローダーの活躍を日本でもみせてほしい。
パトロールNISMO 2023年モデル。ボクシーなボディに、特徴的なコの字型のヘッドライト、NISMOカラーのレッドラインなど、大迫力のデザインだ
◆ ◆ ◆
日産の次の新型車候補としては、ノートベースの3列シート車、遂に電動化となる新型エルグランド、同じく電動化となる新型スカイライン、などが噂されているが、ぜひ新型SUVの登場も期待したいところ。日本市場でも売れそうな海外専売モデルを持ってくるだけでも、大いに盛り上がるのではないだろうか。はたして、次の日産の新型車はどれになるのか!?? 非常に楽しみだ。
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みんなのコメント
ちゃんと流行の先取りは出来てるのに、ある意味不憫なメーカー。
姉夫婦のを運転させてもらったけど、結構戦車感があって面白かったです!