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伝統のル・マン24時間、中嶋・ブエミ・ハートレー組の「トヨタTS050 HYBRID」8号車が3連覇を達成!【動画】

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伝統のル・マン24時間、中嶋・ブエミ・ハートレー組の「トヨタTS050 HYBRID」8号車が3連覇を達成!【動画】

TS050 HYBRIDでの最後のル・マンを制覇

第88回ル・マン24時間レースがフィニッシュを迎え、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID 8号車(セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレー)が3連覇を達成した。ポールポジションから前半首位を走行したTS050 HYBRID 7号車(マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス)はトラブルで後退するも、追い上げて3位表彰台を獲得。この結果、TOYOTA GAZOO Racingが最終戦を待たずWECのチームチャンピオンを確定させた。

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ブエミと中嶋は3年連続の勝利となり、97年にわたるル・マンの歴史の中で、これまでに7人しか成し遂げていなかった3連勝ドライバーに加わることとなった。また、ハートレーは2017年以来2度目のル・マン制覇を果たしている。厳しいレースを戦いきった中嶋一貴は、以下のように喜びを語った。

「TS050 HYBRIDでの最後のル・マンで勝つことができたことは格別ですし、3連覇達成というのも素晴らしいです。我々の今日のレースは浮き沈みの激しい展開でしたが、7号車のクルーも含め、全員が本当に素晴らしい働きをしました」

「どういうわけか、我々は他のクルマよりも運に恵まれているようです。7号車がトラブルに見舞われたときは、TOYOTA GAZOO Racingとしてレースに勝つことが全てだったので、その後はとてもタフなレースになりました。それだけに勝利を達成することができ、このチームの一員でいられたことが本当に嬉しいです」

排気系のトラブルで後退の7号車は3位表彰台

ポールポジションからスタートしたマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスのTS050 HYBRID 7号車は、彼らにとっての初勝利を目指し中盤まで首位を走行。しかし、排気系のトラブルに見舞われて後退を余儀なくされる。それでも後半に見事な追い上げを見せ、3位表彰台を獲得した。

優勝を狙っていた小林可夢偉は、悔しさを隠さない。

「3位という結果は我々が望んでいたものでも、予想していたものでもありません。我々は今年もここル・マンで非常に速かったのですが、レースというのは残酷です。我々はよく戦いましたし、チームも深夜に迅速な作業で車両を修復してくれました」

「今回のトラブルは初めてのことですが、それがこのような重要なレース中だったというのは本当に不運でした。しかし、ル・マンではこういうことも起こりえます。8号車と、ハードワークで2台揃っての完走を成し遂げたチームを祝福します」

最終戦を待たずにトヨタのチーム王座が確定

全8戦で競われているWEC2019-2020年シーズンは、第7戦ル・マンでの勝利により、TOYOTA GAZOO Racingはチームタイトル争いにおいて2位のレベリオンに逆転不可能な57点差をつけたため、最終戦を待たずして今シーズンのチームチャンピオンが確定。TOYOTA GAZOO Racingにとっては2014年、2018-2019年シーズンに続く3度目のタイトル獲得となった。

ル・マンにおける最後の雄姿となった1000馬力を誇る4輪駆動レーシングカーのTS050 HYBRIDは、サルト・サーキットでの効率やパフォーマンスの点で新たなスタンダードとなった。2012年に登場した第1世代のLMP1ハイブリッド車両に対し、燃料使用量は35%削減されたにも関わらず、ラップタイムは1周あたり約10秒もの向上。4年連続のポールポジションと3年連続勝利の中で、予選及び決勝レース中のコースレコードも塗り替えている。

TOYOTA GAZOO Racing WECチーム代表は、大きな区切りとなった今年のル・マンでの喜びを語りつつ、悔しさものぞかせた。

「ル・マン24時間レースへの挑戦というのは、真の耐久性が求められる実に困難なものであると、今回改めて実感しました。我々は、TS050 HYBRIDでル・マンを3連覇するという夢に向かって確固たる決意をもってレースにのぞみ、序盤で8号車に降りかかった逆境もチームワークで乗り越えました。チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれました」

「我々は1-2フィニッシュを狙っていたのもまた事実です。素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれた7号車のドライバー、メカニック、エンジニアには本当に申し訳なく思います。我々はひとつのチームです。彼らの悔しさは、チーム全員の悔しさでもあります」

「我々が今年のル・マンで経験した嬉しいこと、悲しいことをファンの皆様に現場で直接分かち合うことはできませんでしたが、来年は直接お会いすることができることを願っています。そしてレベリオンの皆様、準優勝おめでとうございます。何度もプッシュされました。本当に尊敬すべきチームです。また、このような世界的な困難な状況にありながらも、我々にル・マンに挑戦する機会を与えてくださったACOにも感謝しています」

TGR勢同士のドライバーズタイトル争いは最終戦で決着

スタートから6時間経過時点での10周ほどを除いて、TS050 HYBRID 7号車はレース前半戦の大半で首位を走り、レースが折り返しを迎える頃には2位との差は1周以上に広がっていた。しかし、12時間を経過した直後の午前3時前に、小林がドライブしていた7号車は出力低下に見舞われガレージでの修復を余儀なくされてしまう。排気マニホールドの破損に見舞われた7号車は修復作業に30分を要し、小林は首位から6周遅れ、3位のレベリオン3号車から4周遅れの4位でコースへと復帰する。

一方、8号車は序盤にタイヤのパンクやブレーキダクトのダメージといったトラブルに見舞われ、2度の予定外のピットストップと10分間の修復などでタイムを失いながらも諦めることなく戦い続け、7号車がトラブルに見舞われる前には2番手につけていた。

後半戦、2位以下に充分な差を拡げた8号車は、ブエミ、中嶋、ハートレーがペースをコントロールしながら周回を重ねていき、最終的にその差は5周まで拡大。3年連続でアンカードライバーを務めた中嶋が、2020年ル・マン24時間レースのフィニッシュラインをトップで通過。サルト・サーキットにおいて最も成功した日本人ドライバーとしての地位を確固たるものとした。

コンウェイと小林、ロペスの7号車はレース復帰後追い上げを図ろうとしたが、何かにヒットして車両フロアにダメージが及んだことで空力的な性能低下が生じてしまう。それでも8号車は表彰台を目指し追い上げを続け、ライバルのレベリオン3号車が残り1時間というところでクラッシュし、ピットでの修復を余儀なくされたことで3位へと浮上。優勝した8号車から6周遅れながら、2位のレベリオン1号車とは1周差での3位表彰台を獲得した。

8号車のドライバーがこの勝利によるポイントを加えたことで、ドライバーズタイトル争いは、11月14日にバーレーンで開催される、2019-2020年シーズン最終戦に持ち越されることとなった。バーレーン8時間レースでは最大39ポイントの獲得が可能。現在首位の8号車と2位の7号車は僅か7ポイント差で、タイトルをかけてこの最終戦に臨むこととなる。

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みんなのコメント

3件
  • 予算も開発費もドライバーもピットスタッフも雲泥の差があるプライベーター(個人参加車)3台相手に大げさなこった。
    マツダの誰かが言った「チームジャパン」って言葉はやめてほしいわな。
    ただの「チームトヨタと寄らば大樹の陰たち」だろ。

  • トヨタって車作りもレースの姿勢も
    なんかだましだましのイメージ戦略って感じ。
    知れば知るほどここまでガッカリさせてくれるなんて。
    悪気はないんだろうけど
    意図してる部分もいくらかあるだろな。
    こう言うのがつまらんメーカーと言うイメージに繫る。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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