現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 新型カローラ スポーツ試乗 シャシー性能は世界基準になっていた

ここから本文です

新型カローラ スポーツ試乗 シャシー性能は世界基準になっていた

掲載 更新
新型カローラ スポーツ試乗 シャシー性能は世界基準になっていた

公道で新型カローラ スポーツを試乗する機会を得た。これまでにカローラ スポーツは、ナンバーが取得できていない段階でのクローズドコースにおけるプロトタイプ試乗会が行なわれ、その試乗記は既報だが、果たして一般道路での走りはどうか? <レポート:松本晴比古/Haruhiko Matsumoto>
※関連記事:トヨタ カローラ フルモデルチェンジ試乗記 真のグローバルモデルに生まれ変わった新型カローラハッチバック(プロトタイプ)

【ジムニーに冒険心をあおられ、心揺れる大人たちへ vol.1】4代目ジムニーの四角いデザインには理由がある


エクステリアのデザイン・テーマは「シューティング・トラペゾイド」で、訳すと弾けるような台形フォルムといった感じだ。確かに全体のフォルムは台形が強調され、どっしりした安定感が感じられるが、フロント周りは従来からの「キーン・ルック」の要素を残しながら台形の大きなフロントグリル、鋭いヘッドライト・デザインが特徴だ。

リヤはCピラー部から絞り込んで立体的な造形にしている。しかし、やはりオーリスを継承したデザインでもあり、新鮮といえるほどではないと感じる。




インテリアは凹凸のあるインスツルメントパネルのデザインを採用。インスツルメントパネル中央のディスプレイは見やすいが、メーターパネルのデザインなどは平凡だ。インテリアで最も注目すべきはシートの出来栄えだった。スポーツシート、標準シートのいずれも腰椎・骨盤をしっかり保持し、上半身の胸郭・脊椎部を安定させる新骨格シートを採用し、グローバルに通用するホールド性のよいシートが実現している。現在の日本車のシートでトップレベルに到達したといえる。

試乗車は、1.8Lハイブリッドを搭載したハイブリッド G”Z”と1.2Lターボを搭載したGの2台だった。まずはG”Z”グレードのハイブリッドモデルだ。この1.8L(2ZR-FXE型)エンジンとハイブリッドのユニットはプリウスと共通で、これまでのオーリスにも搭載されていた。オーリスは、プリウスよりは加速性能を重視したチューニングになっていたが、もちろんこのG”Z”も踏襲されている。そのため、アクセルに対してはかなりリニアに反応し、加速の応答遅れ感も抑えられており、動力性能の不満はあまり感じなかった。

1.2Lターボ(8NR-FTS型)もこれまでのオーリスに搭載されていたダウンサイジング直噴ターボだ。そういう意味で、新型カローラ スポーツの2種類のパワーユニットはオーリスからの継承といえる。1.2LターボはスーパーCVT-iとの組み合わせで、残念ながら新開発の発進ギヤ付きCVTではない。とはいえこのCVTも滑り感をかなり抑え、10段の疑似マニュアルシフトもできるなどスポーティさを打ち出している。

1.2Lターボは116ps/185Nmの出力で、Cセグメントのボディに対してはそれほど力強いフィーリングはないが、低速トルク型なので扱いやすく、加速性能もまずまず。リニアリティのある走りで、やはりカローラ スポーツのコンセプトに合うのはこのエンジンだろう。そして8月からは自動ブリッピング付きMTとの組み合わせも選べるが、販売的にはハイブリッドがメインと思われる。



新型カローラのハイライトは、新開発ダンパーと、より剛性を高めたシャシーによる走り味だ。ダンパーの動きが滑らかで、乗り心地や接地感が格段に進化した。さらに乗り心地の面では、加速時のリヤの沈み、ブレーキ時のノーズダイブが大幅に抑えられ、うねりのある路面でもフラットな姿勢でバウンシングでいなす。こうした走行時のフラットライド感はが高いレベルにある。足回りを固めず、しなやかさやフラットな乗り心地を両立させており、この点では国産車トップレベルというべきだろう。

コーナリングでもゆっくりとロールが発生し、不安感がなく気持ち良い走りができる。唯一、惜しいのがステアリングフィールだ。これまでより一段とステアリング系の剛性を高めたことは体感できるが、ニュートラルから初期操舵の狭い範囲で少し人工的な手応えが感じられた。これはコラムアシスト・タイプならではの味付けのようで、このあたりが解消されればシャシー性能はグローバルトップレベルに位置すると思う。

さらに走行中の室内の静かさもクラス・トップレベルで、長距離走行ではこの静粛さとシートのできの良さがドライバーにとっては大きな魅力だろう。

新世代の運転支援システムのトヨタ・セーフティセンスの装備、トヨタのサーバーとの常時接続「トヨタ・コネクト」の装備など、このセグメントの先頭を走ろうという意気込みが感じられ、走りでもかつてないほど高いレベルに引き上げられ、新世代のカローラのポテンシャルは高いといえる。

ただ、このカローラ スポーツは、車名通りにスポーティかといえば動力性能も含め、グローバル基準では標準的なパフォーマンスである。とは言え、基本性能は高次元の熟成が行なわれており、クルマをより知っている大人に対するアピール力は大きいクルマだと思う。

トヨタ カローラ・スポーツ 諸元表

【メーカー希望小売価格】


トヨタ カローラ 関連情報
トヨタ 関連情報
トヨタ公式サイト

こんな記事も読まれています

スーパーカー世代には今でも人気!? “サーキットの狼”でも活躍したランチア「ストラトス」って覚えてる? 半世紀前の名車とは
スーパーカー世代には今でも人気!? “サーキットの狼”でも活躍したランチア「ストラトス」って覚えてる? 半世紀前の名車とは
VAGUE
悲願の母国優勝で涙止まらず。ルクレール「ビアンキや父のことが頭をよぎって集中するのに苦労した」
悲願の母国優勝で涙止まらず。ルクレール「ビアンキや父のことが頭をよぎって集中するのに苦労した」
motorsport.com 日本版
6m超え!? トヨタ新型「最大・最上級“商用バン”」発表! 爆デカ&スタイリッシュで超カッコイイ「プロマックス」波で登場
6m超え!? トヨタ新型「最大・最上級“商用バン”」発表! 爆デカ&スタイリッシュで超カッコイイ「プロマックス」波で登場
くるまのニュース
自動車免許取得の平均年齢、群馬県が最年少---都道府県別・自動車免許にまつわるランキング
自動車免許取得の平均年齢、群馬県が最年少---都道府県別・自動車免許にまつわるランキング
レスポンス
モーターショーがオワコン化していると嘆く欧米よ! 「ジャパンモビリティショー」か「アジアの自動車ショー」を見習うべし
モーターショーがオワコン化していると嘆く欧米よ! 「ジャパンモビリティショー」か「アジアの自動車ショー」を見習うべし
WEB CARTOP
F1モナコGP1周目に大クラッシュのペレス、接触したマグヌッセンの”お咎めなし”に驚き「危険なドライビングだった」
F1モナコGP1周目に大クラッシュのペレス、接触したマグヌッセンの”お咎めなし”に驚き「危険なドライビングだった」
motorsport.com 日本版
【訪問記】ケルン西部にあるトヨタコレクションを訪ねる スープラ、2000GT、セリカ等、歴史的コレクションに加え多くのレースカーも!
【訪問記】ケルン西部にあるトヨタコレクションを訪ねる スープラ、2000GT、セリカ等、歴史的コレクションに加え多くのレースカーも!
AutoBild Japan
[15秒でわかる]トヨタ『4ランナー』新型…15年ぶりのフルモデルチェンジ
[15秒でわかる]トヨタ『4ランナー』新型…15年ぶりのフルモデルチェンジ
レスポンス
マツダから3代目「新型CX-5」登場!? 次期型は25年頃発売か どんな人が興味示す? 自社ハイブリッド搭載明らかに
マツダから3代目「新型CX-5」登場!? 次期型は25年頃発売か どんな人が興味示す? 自社ハイブリッド搭載明らかに
くるまのニュース
公道で乗れるレーシングバイク! アプリリア「RS660エクストリーマ」の実力とは? イタリア発のスーパースポーツは軽い上に超過激
公道で乗れるレーシングバイク! アプリリア「RS660エクストリーマ」の実力とは? イタリア発のスーパースポーツは軽い上に超過激
VAGUE
高速道路にある「謎の鯉のぼり」何の意味?いつもはしょぼん、元気になったら要注意!? 時には本物なアイツの正体とは
高速道路にある「謎の鯉のぼり」何の意味?いつもはしょぼん、元気になったら要注意!? 時には本物なアイツの正体とは
くるまのニュース
[こんなキャンピングカーで旅してみたい] 欧州で愛されるETRUSCO(エトルスコ)日本初上陸!【イタリアンデザインが美しい】
[こんなキャンピングカーで旅してみたい] 欧州で愛されるETRUSCO(エトルスコ)日本初上陸!【イタリアンデザインが美しい】
月刊自家用車WEB
クロームメッキをいつまでも美しく! サビを除き防御するための鉄壁メンテナンス講座〈NAKARAI〉
クロームメッキをいつまでも美しく! サビを除き防御するための鉄壁メンテナンス講座〈NAKARAI〉
WEBヤングマシン
激しいバトルにピッタリのカラーリング! アライが本格オフロードヘルメット「V-CROSS4バトル」を発表
激しいバトルにピッタリのカラーリング! アライが本格オフロードヘルメット「V-CROSS4バトル」を発表
バイクのニュース
京急電鉄が定額運賃タクシー「ぷら~とかみおおおか」開始
京急電鉄が定額運賃タクシー「ぷら~とかみおおおか」開始
レスポンス
世界初グレード1サーキット・インサイド常設キャンプ場「RECAMP 富士スピードウェイ」 2024年秋開業予定
世界初グレード1サーキット・インサイド常設キャンプ場「RECAMP 富士スピードウェイ」 2024年秋開業予定
カー・アンド・ドライバー
ホンダ フリード【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
ホンダ フリード【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
ホンダ、27年ぶりに輸入車販売トップに!(2024年4月・ブランド別輸入乗用車販売TOP20 )
ホンダ、27年ぶりに輸入車販売トップに!(2024年4月・ブランド別輸入乗用車販売TOP20 )
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

202.9251.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

40.0500.0万円

中古車を検索
カローラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

202.9251.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

40.0500.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村