世界最大級のテクノロジーイベントであるCES2023がラスベガスで催された。決してクルマのイベントではないのだが、見渡す限り次世代車ばかり! VWやベンツなどが展示したコンセプトカーをチェックしていこう。
※本稿は2023年1月のものです
文/鈴木直也、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年2月26日号
BMWの名車2002(マルニ)がEVで復活!? ベンツにVWのコンセプトカー衝撃すぎ
■ベンツのEQXXが凄い!
ベンツは次世代EVコンセプト「ヴィジョンEQXX」を出展。空力デザインや軽量化した高いエネルギー密度を持つ大容量バッテリーなど搭載。テストで1200kmの航続距離を実現
今回のCESでクルマ関連ベストと評価したいのは、メルセデスのBEVプロトタイプ「ヴィジョンEQXX」だ。
「BEVの効率を高めるためには何が必要か?」というテーマに、メルセデスらしく王道かつ理詰めのアプローチでチャレンジ。Cd=0.17という超空力的ボディをはじめとする徹底した走行抵抗の低減によって、電費12km/kWh、航続距離1200kmを実現している。
しかも、容量100kWhの電池は、体積で50%、重量を30%低減。このクラスのBEVで車重を1750kgにまとめ上げた技術力はさすが。メルセデス渾身の意欲作といっていい。
■RAMのピックアップトラックがカッコいい!
ステランティスのRAMトラックブランドは、EVピックアップトラックのコンセプトカー「RAM1500 レボリューション BEVコンセプト」を発表
お隣ブースのステランティスは、RAMとプジョーがBEVコンセプトを出展した。
RAMは来年発売予定のほぼ市販モデル。デザインが超かっこいいだけではなく、800V/350kW充電対応や、リアサスにマルチリンクを採用するなど、技術的にも大いに注目される。
対して“インセプションコンセプト”と名付けられたプジョーのBEVは、デザインスタディレベルだが、派手さが好まれるCESにはこういう華やかなショーモデルも必要。花もダンゴも両方用意しました、という感じだった。
■BMWはマルニを再現?
BMWは未来型ミッドサイズセダンの「iヴィジョンDee」を発表
中央プラザのBMWは、新世代のBEVコンセプトとなる「iヴィジョンDee」の単独展示。かつての名車“2002”シリーズをBEVで再現するという目論見だが、クルマそのものよりカメレオンのようにボディカラーが変化するほうに目がいってしまうのが正直なところだ。
スタイリングもシンプルだが、インテリアはそれに輪をかけてミニマリズム全開。メーターやスイッチなど、余計なものは必要な時以外まったく見せないデザイン手法で、ぶっちゃけ「あまりにも殺風景」と思ってしまう。
BMWはここ最近ユーザーインターフェイスの全面的なモデルチェンジを意図しているようだが、これもそのための観測気球なのかもしれない。
■VWはID.7プロトタイプを展示
VWが開発中である新型EVセダン「ID.7」のプロトタイプを発表。ID.7は、VWが2026年までに市販予定の10車種の新型EVのうちの一台で、ID.ファミリー初のセダン。市販は2023年の夏頃になる予定
同じく中央プラザに展示されていたVW ID.7は、ほかのモデルと同じくこれがワールドプレミアとなるのだが、ハッキリ言って見せ方があまりにもヘンテコリン。
照明を落とした部屋に案内された観客は、デジタル迷彩風にカラーリングされたクルマを、ストロボライトの点滅とスモークの演出で見せられる。これじゃ実際のクルマのデザインがまったくわからない。
今年半ば市販予定なんだから、クルマはほぼ量産モデルに近いわけで、だったら「もっとちゃんと見せたほうがイイんじゃないの?」としか言いようがない。今回のCESのワースト展示と言えるかもしれない。
■サプライヤーの注目技術!
BOSEは、走行ノイズをコントロールして車内音を最適化する新技術などを公開
僕がCESで大いに楽しみにしているのが、サプライヤーの新技術展示。今年もアチコチ見てまわりました。
まず注目したのは「BEV時代に重要になる熱マネジメント」というテーマを掲げたヴァレオのブースだ。
今後はヒートポンプによるキャビン冷暖房とパワコンやバッテリーの温度管理が統合制御されるわけだが、そのシステムをわかりやすく見せる展示モデルが面白い。
設計が下手だと軽く10℃くらいバッテリーに温度ムラが生じるそうで、それをいかに均等に管理するかがキモ。その技術を利用して、コンピュータ冷却システムも作ってたりして、そのあたりもマニアックで面白かった。
オーディオ系で今回、感心したのはBOSEの「車内のほかの人に聞こえないハンズフリーホン」のデモだ。
BOSEお得意のノイズキャンセリング技術を応用し、ドライバー以外の席には逆位相の音を出すという理屈。デモで体感した限りでは実用上充分。その気になったらすぐ量産車に応用できると思う。
そのほか、エンジン音のしないBEVに音のアクセントをつけるという技術のデモで、ハマーEVに同乗したのもレア体験だった。
■ZFの技術をゲームで体感
LiDAR(ライダー)を開発するルミナー・テクノロジーズは、リアルタイム3D地図を作製する目標を掲げた
駆動系の大手サプライヤーとして知られるZFは、内燃機関向け開発をすべて終了させてeアクスルに全力投球だが、今回はバイワイヤーステアリングシステムのデモが見どころだった。
ZFがスポンサーとなって走らせるレーシングカーから実写データを抽出し、それをZFのバイワイヤーステアリングを使ったレーシングゲームで追体験するという仕掛け。そのへんのゲーム用ステアリングと違って「本物」だから、操舵力や反力がめっちゃリアル。ゲーセンに導入したらバカウケだろう。
マニアックなところでは、天才オースチン・ラッセルが17歳で設立したルミナーのプレゼンがよかった。ここはLiDAR専業だが、大手サプライヤーに伍して、ボルボや上海汽車に採用されている。
ここのキモは、そのLiDARを使って走りながら3Dマップをリアルタイム生成するという野心的プロジェクト。その3Dマップが自動運転のためのキーテクノロジーになるという理屈だ。
自動運転インディカーにも、ルミナーのLiDARが使われていて、自動運転業界ではなかなか「台風の目」的存在になりつつあるような印象を受けた。
【番外コラム】会場内の移動システムが好評!
テスラで地下トンネルを移動できる「ベガス・ループ」
なんでもスケールがデカいのがアメリカだが、西ホールが完成したことでCESの展示規模がさらに拡大。精力的に見てまわると、すぐ2万歩くらい歩かされてバテバテになってしまう。
そこで助けられたのが、イーロン・マスクの肝いりで作られた「ベガス・ループ」という移動システムだ。
最初はイーロン・マスクが提唱していた真空チューブ式高速鉄道かと思ったけど、実際は、トンネルの中をテスラがばんばん走るだけの無料乗合タクシー。
いたって原始的で人海戦術そのものなのだが、使ってみると意外や効率的で利用者には大好評。将来は空港あたりまで延長してもらいたいという声が多数あった。
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