去る5月8日、ビー・エム・ダブリュー(株)は、都内港区の麻布台ヒルズ内にある「FREUDE by BMW」にて、日本専用限定車「BMW X7 BLACK-α(ブラックアルファ)」を発表した。併せて演出家の宮本亜門氏、川島織物セルコンの礒卓氏、漆芸家/蒔絵師(まきえし)の服部一齋氏によるトークショーが行われた。
今回発表になったのは、クリーン・ディーゼルに48Vマイルド・ハイブリッドを組み合わせた「X7 xDrive40dブラックアルファ」と、ガソリン・エンジンに48Vマイルド・ハイブリッドを組み合わせた「X7 M60i xDriveブラックアルファ」の2モデル。
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発表会場に展示された「X7 M60i xDriveブラックアルファ」。V8 DOHC Mツインパワー・ターボ・ガソリン・エンジン。システム・トータル最高出力:390kW(530ps)。システム・トータル最大トルク:750Nm。両モデル合わせて100台を導入。「X7 xDrive40dブラックアルファ」は90台、「X7 M60i xDriveブラックアルファ」は9台を限定販売する。残る1台は6月に行われる「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」の副賞として、同選手権の優勝者に贈呈される予定だ。
漆黒の美。センターコンソール上部には「モメンタムファクトリー・Orii」の職人の手で一枚ずつレーザー彫刻をした真鍮製の「BLACK-α」バッジが付く。BMWは今回導入した「BMW X7ブラックアルファ」の外装色を「フローズン・ブラック・メタリック」と呼び、「全ての光の波長を吸収する黒から、さらに光沢を排除した力強い漆黒」だと説明する。
X7 M60i xDriveブラックアルファのセンターコンソールとダッシュボード。白蝶貝をアクセントにした、漆と銀による蒔絵らしい仕上がりが、写真からわかるだろうか。X7 M60i xDriveブラックアルファでは、漆芸家/蒔絵師(まきえし)の服部一齋氏が手掛けた漆蒔絵/螺鈿(らでん)装飾トリムをセンターコンソールに採用する。さらにフロアマットは(株)川島織物セルコンが製作した専用品を採用。フロアマットの素材としては異例のウールを用いて、同社職人の手作業により日本伝統の「深い黒」を再現している。
同じくX7 M60i xDriveブラックアルファに見るフロアマット。天然素材を使用しながら求められる機能を備えている。Photo:相原俊樹価格はX7 xDrive40dブラックアルファが1625万円、X7 M60i xDriveブラックアルファが2140万円。販売は発表当日(5月8日)より開始で、納車は本年6月以降の予定だという。
今回「BMW X7ブラックアルファ」の発表会に参加して、BMWジャパンはこうした日本限定モデルの今後に大きな期待をかけているという印象を得た。
同社プロダクト・マーケティング プロダクト・マネジャーの御舘(おたち)康成氏の談話から判断するに、この「BMW X7ブラックアルファ」を完成させるに当たっては、専用装備品の供給元と、コンセプトの段階からきわめて入念な協議を重ねたらしい。その意味で、既存のオプションパーツを組み合わせた限定モデルとは、成り立ちが違うような気がする。
「FREUDE by BMW」の前庭に置かれたX7。向かって左の「NISHIKI LOUNGE」と名づけられた1台は、ボディ上半分を日本でシルバーに塗り替えてある。濃紺の下半分との境目に走る細いシルバーのストライプも、ステッカーではなく塗装だという。日本限定仕様の可能性を模索するワンオフのコンセプトモデル。自動車のハイエンドモデルに期待される「exclusive」な特質、ほかでは手に入らない上質な逸品を提供する一つの方策が、インポーターから顧客に提言するこうしたセミ・ビスポークの日本限定モデルなのかもしれない、そんな予感を覚えた今回の発表会だった。
BMW X7 BLACK-α:https://www.bmw.co.jp/ja/topics/brand-and-technology/bmw-x7-black-alpha.html
Text:相原俊樹Photo:アウトビルトジャパン
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みんなのコメント
でも売れないから日本で販売とか?