ステランティス・グループ本社は2024年1月19日、グルーバルに展開するD、Eセグメントの幅広い車両の基盤となる、EV適合性を持つ新プラットフォーム「STLAラージ」を発表した。
このプラットフォームにより各ブランドで、大容量のバッテリー、高い充電効率、高性能なビークルダイナミクス、そして極悪路でのオフロード走行能力など、セグメントをリードする高い機能を実現することになる。
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このSTLAラージをベースとするフルサイズ車両は、主要なグローバル市場での最重要車種であり、北米市場では、ダッジとジープ・ブランドで採用され、その後アルファロメオ、クライスラー、マセラティなどグループのブランドでも採用される予定だ。そして2024年から2026年までに8台のニューモデルが発売される計画となっている。
STLAラージ・プラットフォームは、各地域の生産工場で生産される予定で、コスト効率に優れた製造工程が前提となり、ベースとなる部品一式から、生産される多様な車両適合性、トップクラスの品質と顧客満足度を実現する卓越した技術、フレキシビリティを持つように設計されている。
今後発売されるモデルとしては乗用車、クロスオーバー、SUVまで、あらゆる車種をカバーする予定で、ゼロエミッションの電気パワートレインとすることで瞬時のトルク応答が可能になる。なお、各ブランドごとの製品発表は2024年中に開始される予定となっている。
なお、このSTLAラージ・プラットフォームは、以前に「EV Day 2021」で発表された4つのグローバルEVプラットフォームのひとつであり、2030年に向けた戦略計画の目標達成の鍵となるプラットフォームだ。2023年7月に発表されたSTLAミディアムに続く2番目の新世代プラットフォームである。
STLAラージは、ヨーロッパと北米の複数の工場で展開され、EV、ハイブリッド、内燃エンジンをカバーできる多用途性、フレキシビリティを備えている。そのため、ファミリー向けモデルから高性能モデル、高性能オフロード4×4、ラグジュアリー・モデルまで、顧客のニーズとブランドの属性に最適適合させることができるのだ。
このプラットフォームのフレキシビリティにより、ホイールベース、全長、全幅、全高、最低地上高を自在に設定することが可能だ。そして、乗り心地、ハンドリング、快適性など、そのモデル固有の性能目標に合わせて、さまざまなサスペンション・モジュールやパワートレイン用サブフレームを採用することができる。そのため、フロント・アクスルからドライバーの足元までの距離、フロントとリヤのオーバーハング、キャビンのフロアなど、主要な寸法を車両の機能と性能に合わせて調整できるようになっている。
車両サイズでは、ホイールベース2870~3075 mm全長4764~5126mm、全幅1897~2030mm、最低地上高140~288mm、タイヤ最大外径858mmに適合させることができるのだ。
先進的な高強度材料を使用するこのプラットフォームは、重量、剛性も最適化されており、さまざまなタイプの車両でクラス最高の性能を発揮することができる。プラットフォームのコンポーネントは、キャビンスペースとラゲッジ容量を最大化するようにパッケージ化されていることも特長だ。また、キャビンの冷暖房システム、ステアリング、ブレーキアシストなど快適性と性能の鍵となる重要なコンポーネントは、エネルギー消費を最小限に抑え、航続距離を伸ばすことができるよう設計されている。
また言うまでもなく、プラットフォームはパワートレインに対する柔軟性も備えている。STLAラージは、400Vと800Vの電気アーキテクチャーを選択できるネイティブEVプラットフォームとして設計されている。モーター、インバーター、減速ギヤを内蔵したスリー・イン・ワン電気駆動モジュール(EDM:eアクスル)により、前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動のレイアウトが可能だ。したがって内燃エンジンを搭載する場合でも縦置き、横置きのいずれにも対応している。EVのインバーターは炭化ケイ素(SiC)半導体技術を採用し、電力損失を最小限に抑える。また、パワートレイン・システムの性能は、車両の寿命が尽きるまで、無線ソフトウェア・アップデートによってアップグレードが可能になっている。
EVモデルもちろん、STLAラージ・プラットフォームはリミテッドスリップ・デファレンシャルやホイール・フリーセレクターなど、ドライブトレインの駆動力向上や抵抗低減装置の採用も可能になっている。そのため、STLAラージ・プラットフォームは、ダッジ・ヘルキャットV型8気筒エンジン搭載モデルを凌駕する究極のパワーを発揮することも可能になっているのだ。
ハイブリッド・モデルEVモデルは、航続距離とコストのランスを考慮し、エネルギー定格が85~118kWhのバッテリーが設定されている。STLAラージは、セダン・モデルでの航続距離は800km/500マイルを目標としている。
当初のEVモデルでは、0-100km/h加速は2秒台が目標とされており、800Vシステムにより急速充電は毎分最大4.5kWhで充電が可能だ。
ステランティスの4種類のグローバルEVプラットフォーム(スモール、ミディアム、ラージ、フレーム)は、バッテリーセル、e-アクスル、インバーター、ソフトウェアの互換性を持ち、車両のライフサイクルを延長できるように設計されている。
STLAラージプラットフォームは、STLAブレイン、STLAスマートコクピット、STLAオートドライブなどを搭載しており、ステランティスの次世代電子プラットフォーム、ソフトウェア定義車両(SDV)技術を実現している。
ステランティス・グループは、2030年までにヨーロッパでは乗用車のEV販売比率を100%に、米国で乗用車と小型トラックのEV販売比率を50%にするという目標を達成するため、電動化に今後10年間で500億ユーロ以上を投資することが決定している。これらの販売目標を達成するため、北米とヨーロッパの6ヶ所のバッテリー製造工場からサポートを受け、約400GWhのバッテリー容量を確保している。
ステランティスは、2024年までに48台のEVを市場に投入する計画であり、2038年までに企業活動やサプライチェーンを含む全領域でカーボン・ネット・ゼロ企業となることを目指している。
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ステランティス 公式サイト
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