もくじ
どんなクルマ?
ー ターボ無しでどう変わるか
フォルクスワーゲン・ポロTSI Rライン 国内試乗 「ちょうどよさ」評価
どんな感じ?
ー 乗り心地良いが楽しくは無い
「買い」か?
ー ターボ付きがおすすめ
スペック
ー フォルクスワーゲン・ポロ・ビーツ1.0のスペック
どんなクルマ?
ターボ無しでどう変わるか
フォルクスワーゲン・ポロはわれわれ好みのクルマだ。小さいがキビキビと走り、イライラとは無縁である。昨年にも6代目のテストを行ったが、5つ星とまではいかなかったものの4.5星というなかなかの結果を残している。
前回試乗した1.0TSIは、95psの3気筒ガソリンエンジンを搭載し、5速MTを介して前輪を駆動していた。特に速いわけではないが、17.8kg-mというトルクはこのクラスでは十分だ。そして満足の行くフレキシビリティを持つ。
今回試乗するのはその弟分だ。同じ3気筒エンジンを搭載するが、自然吸気である。したがって80ps、9.4kg-mというスペックだ。しかも最大トルク発生回転数はやや高い3750rpmである。いくら超小型車とはいえ、このスペックからの期待値は低い。SEおよびビーツの2種類のトリムが用意され、95psモデルよりも715ポンド(10万円)安い。
その点以外はいつも通りの5速MT、FFという構成だ。フロントにはマクファーソン・ストラット、リアにはトーションビームのサスペンションが装着される。1万6795ポンド(230万円)のビーツではプレミアム感のある内装が得られ、後席にも大人ふたりがゆったりと座れる空間がある。この試乗車に装着されているナビゲーションは675ポンド(9万円)、クライメートコントロールは415ポンド(6万円)だ。
どんな感じ?
乗り心地良いが楽しくは無い
エンジンの話を別とすれば、その走りは他のポロと同様だ。特に驚く点もない。ダイナミクスもまずまずで、確かな感触とともにコーナーを抜けることができる。ボディロールもよく制御されているが、フォード・フィエスタやミニ3ドアのような楽しさはない。
これらのライバルと比較すると、アクセル制御でリアを振り回すようなことは難しい。ステアリングの重さや操舵量は適切だが、タイヤと路面のインフォメーションはそれほどはっきりと伝わってこない。運転が好きなのではなく、A地点からB地点へと可能な限り楽に移動しようと思うのであれば、ポロが向いているだろう。
すべてのポロに言えることだが、その落ち着いた乗り心地は感心できる。ホイールベースが短いことに起因する振動が気になることもあるが、街乗りでも高速走行でも段差のいなし方は見事だ。ミニよりも楽に走れるが、楽しさではミニやフィエスタの方が明らかに上である。
エンジンの話に移ろう。街乗りでは問題ない。トルクはターボ搭載車ほど力強くないが、アクセルを踏み込まないと走らないというほどではない。パダル類はやや高すぎるような気もするが、その重さや配置は適切だ。
ただし、決して速いとは言えない。アクセルを踏み込んでも3000rpmを超えるまではその加速は無に等しい。街乗りでは気にならないかもしれないが、開けた道ではストレスが溜まるだろう。登り傾斜があればトップギアでは速度を維持できないかもしれない。追い越しをするにもギアを複数段落とした上で、長い直線が必要だ。ターボが無いことで、1.0TSIが持っていた魅力が大きく損なわれている。
「買い」か?
ターボ付きがおすすめ
ポロは魅力的かつ実用的でよくできた超小型車だ。95psの1.0TSIを搭載するグレードであれば、ライバルひしめくこのカテゴリーでも十分に戦えるだろう。しかし、ターボのない1.0エボでは、星ひとつに相当するほどの魅力を失っている。
フォルクスワーゲン・ポロ・ビーツ1.0のスペック
■価格 1万6795ポンド(230万円)
■全長×全幅×全高 ー
■最高速度 171km/h
■0-100km/h加速 15.4秒
■燃費 17.1km/ℓ
■CO2排出量 ー
■乾燥重量 1125kg
■パワートレイン 直列3気筒999cc
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 80ps/5000-5500rpm
■最大トルク 9.4kg-m/3750rpm
■ギアボックス 5速MT
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