F1前半戦が終了した段階で、ベテランジャーナリストのピーター・ナイガード氏が、全10チームそれぞれの良かった点と悪かった点を挙げる形で、ここまでの14戦の戦いを振り返った。今回は、ドライバーズ&コンストラクターズ選手権で2位に位置するマクラーレンの前半戦レビューだ。
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【F1前半戦レビュー:レッドブルの“プラス”と“マイナス”】嵐の中でも強さを示すフェルスタッペンと遅すぎるペレス
■プラス:成功の鍵は素晴らしいチーム体制
過去18カ月、マクラーレンはサクセスストーリーを紡いできた。2023年シーズン序盤、彼らがどれほどひどい状態だったかを、思い出してほしい。そこから今シーズン半ばまでの短い期間を経て、いまやマクラーレンはトップグループのなかで、最も安定したパフォーマンスを発揮するマシンを作り出した。
2024年シーズン前半戦が好調だったのは、複数の要因による。MCL38のデザインが明らかに優れていること、メルセデスのエンジンが強力かつ信頼性が高いこと、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリという、若く、ハングリーで、才能にあふれたラインアップを擁していることが、その要因として挙げられる。
しかしマクラーレンの“パッケージ”において最も重要な部分は、チームの組織である。マクラーレン・レーシング(F1の他にインディカーとフォーミュラEにも参戦)のCEOであるザク・ブラウンは、F1チームの指揮をアンドレア・ステラ代表に任せている。
ステラは、技術的なバックグラウンドを持つ新世代のF1チームボスの代表的存在だ(他の例としては、ハースの小松礼雄、アストンマーティンのマイク・クラック、RBのローラン・メキースが挙げられる)。マネジメント能力を持つ“技術者”にチーム代表の役割を任せるというのは、まさに素晴らしいソリューションだ。マクラーレンの場合、それが現在の成功の鍵になっているといえるだろう。
■マイナス:自分に厳しすぎるノリス
現在のマクラーレンチームに弱点を見つけるのは難しい。確かに、ドライバーたちは若く、経験が浅いが、それは大きな問題にはなっていない。ランド・ノリスは何度かミスを犯しているものの、全体的に見れば素晴らしい仕事をしている。
ノリスに対する最も厳しい批評家は彼自身だ。彼は時に自分に対して厳しすぎるように見えることがある。もちろん、ミスからは学ぶべきだが、自分を過小評価しすぎるのはよくない。ノリスは自信が足りないのかもしれない。それもあと数回勝てば変わるだろうが。
ピアストリもたまにおかしなミスをすることがある。しかしF1での2年目のドライバーとしては、それは当然のことだ。
ドライバー同士の関係は今のところ良好だ。しかし今後数カ月でチームメイト同士が頻繁に勝利を争うようになれば、状況が変わり得る。ハンガリーGPでチームオーダー問題が注目を集めたが、将来的には厳格なチームオーダーが必要になるかもしれない。
■データ(2024年シーズン第14戦終了時)
コンストラクターズ選手権の順位:2位
チームメイト勝敗(予選):ノリス対ピアストリ 11:3
チームメイト勝敗(スプリント予選):ノリス対ピアストリ 2:1
チームメイト勝敗(ポイント):ノリス対ピアストリ 199:167
2025年の予定ラインアップ:ランド・ノリス、オスカーピアストリ
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