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スバルの2023年モータースポーツ活動体制とは? インタビューでわかった「本気度」をお伝えします

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スバルの2023年モータースポーツ活動体制とは? インタビューでわかった「本気度」をお伝えします

新型車両で参戦するSUBARUから目が離せない!

 SUBARUと同社のモータースポーツ統括会社であるスバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)は、2023年のモータースポーツ活動についての概要を、2023年1月13日~15日に幕張メッセで開催された東京オートサロン2023のプレスカンファレンス内で発表しました。

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カーボンニュートラル燃料にどこまで対応したマシンを作れるのかがキーとなる

 2023年シーズンも引き続き、スーパーGTのGT300クラスに「SUBARU BRZ GT300」で参戦します。チーム総監督に小澤正弘氏が就任し、チーム運営は「R&D SPORT 」が担当、R&D SPORTの澤田 稔氏が監督を務めます。ドライバーは変わらず井口卓人選手と山内英輝選手の2名体制です。2023年シーズンからカーボンニュートラル燃料でのレースが開催されるため、カーボンニュートラル燃料対応のエンジン開発を進めているとのことでした。

 カーボンニュートラル燃料とは、合成燃料と呼ばれている燃料のことで、CO2(二酸化炭素)とH2(水素)を合成することで製造されます。発電所や工場などから排出されたCO2を利用することから、環境に優しい燃料として注目されています。STIの平岡泰雄社長はプレスカンファレンスで次のように話しました。

「モータースポーツの新たな時代においても、環境性能と走行性能の併せ持つ強いスバル BRZをお見せし、王座奪還に向けて全力で戦う所存であります」

 今シーズンは、カーボンニュートラル燃料にどこまで対応したマシンを作れるのかが要になりそうですね。会場内では、チーム総監督の小澤氏にインタビューすることができました。

「今シーズンに向けては、レギュレーションが変わったので、外観形状を変更する予定です。主旨としては、外観を量産車に近づけます。例えばフェンダーのバルジ形状をよりなだらかにしたり、大きくカットオフしたリアフェンダーを元の囲われた形状に戻します。極端にGTカーらしい見た目ではなくなるといったことはありませんが、量産車をベースにしてそこから進化していることをしっかりファンの皆様に見ていただけるアップデートをしていきます」

──とくにどこに力を入れてマシンの開発を行っていきますか?

「よりコーナーリングしやすいように空力パーツを見直してクルマ全体のバランスを良くしていきます。450kmのロングランレースも増える予定ですので、長いレースを戦い抜けるマシンに仕上げたいです」

──今シーズンからカーボンニュートラル燃料を使用したレースが始まりますが……

「カーボンニュートラル燃料の取り組みはとても重要だと考えています。われわれ自動車会社が将来生き残っていくためにも、モータースポーツというカテゴリーではありますが、カーボンニュートラル燃料の持つ課題などをひとつひとつ解決し、技術進化に繋がっていることを実証できる開発をしていきたいです」

──カーボンニュートラル燃料によるマシンのパワーダウンはありますか?

「蒸発性の悪い燃料なので、少しパワーが出にくかったり、全体的に燃費が悪くなったりはあると思います。しかし、燃料は燃料、クルマはクルマでそれぞれが課題を解決していけば、確実に今のマシンレベルに戻せると思っていますし、そういった技術改良の取り組みはきっと将来に対して有効だと考えています。われわれのチームは新しいことにチャレンジする姿勢を重要だと考えていて、新しいものを恐れて取り入れないのではなく、取り入れた上でトラブルなく性能を上げていくという試みをしてきています。その試みは良い方に繋がっていますので、チャレンジすることは大切だと感じています」

 新しいことに対する不安な気持ちよりも、前向きな考えを持って挑まれているお姿に頼もしさを感じました。

 最後に2023年シーズンの抱負をお聞きしました。

「とにかくチャンピオン奪還というところですが、そこに気負いすぎずに一戦一戦しっかり戦っていきたいです。この2年間トップ争いができていることもあり、ファンの皆様の声援がどんどん大きくなっているのを感じています。その声援になんとか応えられるよう、全力を尽くして頑張ります。その思いを持っていれば、結果はついてくると思います」

2023年はWRX S4をベースにした新型車両で挑戦

 第51回ニュルブルクリンク24時間耐久レース(ドイツ・プファルツ州アイフェル、5月20日~21日)のSP4Tクラスには、SUBARU WRX NBR CHALLENGEで参戦します。昨年に引き続き、チーム総監督は辰己英治氏、監督は沢田拓也氏、ドライバーはカルロ・ヴァンダム選手(オランダ)、ティム・シュリック選手(ドイツ)、山内英輝選手、井口卓人選手の4名です。

 2023年は、WRX S4をベースにした新型車両での挑戦となり、新型車両の開発はプロジェクトリーダーの渋谷直樹氏が務めます。また、今回も全国のSUBARU販売店から選抜された精鋭8名のメカニックがチームに参加し、レースをサポートする体制です。

 現地でチーム監督を務める沢田氏にお話を聞いてみました。

「2022年のレースがリタイヤになってしまったことに加え、新型感染ウイルスで参戦できなかった2年間は、ファンの皆様を含め、われわれもとても悔しい思いをしました。今シーズンは、FA24型2.4リッター直噴ターボエンジンとスバルグローバルプラットフォームを搭載した新型車両となりますので、部品などをすべて新規で制作しています。去年までのマシンの経験を生かしたうえで形を変えたものですので、大丈夫かなと思うと同時に、未知数なところもあり少し難しい部分もあります。

 ずっと引き継いできたものが一旦リセットされた感じにはなります。これまでのEJ型エンジンなら壊れるところもわかっていますし、ここまでならやれるという領域もわかっているのですが、新規のものはまずはトラブル部分を出し切ってしまうことが大切かなと考えています」

 と苦労されているご様子でした。新規部品の開発のほか、ミリ単位での空力パーツの試験や解析など、ニューマシンの開発には、大変な努力が積み重ねられているのだとあらためて感じました。

 今シーズンの目標についても伺いました。

「去年のリタイヤと2年間参戦できなかった分のリベンジを新しいマシンで果たしたいです。まだ感触はわかりませんが、新しいクルマで新しいことに挑戦して、参戦することが大切ですね」

 スーパーGTもニュルブルクリンク耐久レースもどちらも新型車両での参戦となるので、レース展開がまだまだどうなるかはわかりませんが、今シーズンのスバルのモータースポーツ活動に期待が高まります。

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