2021年、アメリカのAMAスーパークロスの250SXイーストクラスで、日本人初優勝を遂げた下田丈選手。そして2020年、世界選手権WSSP300で日本人初優勝を遂げた岡谷雄太選手。同じ日本のKawasakiのバイクを駆って日本人初優勝という偉業を成し遂げた2人に対談いただきました。
下田 丈
2002年5月16日生まれ。モトクロスライダー。2019年、モトクロスの全米選手権であるAMAプロモトクロス250デビュー。現在はアメリカを拠点に、Monster Energy / Pro Circuit / Kawasakiより、250ccのマシンで争われるアウトドアのプロモトクロス250、そしてインドアのスタジアムで行われるスーパークロス250SXイーストに参戦中。2021年、AMAスーパークロス第16戦ソルトレイクシティ1 250SXイーストクラスで、AMAスーパークロス日本人初優勝を飾った。
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岡谷 雄太
1999年7月12日生まれ。ロードレースライダー。2018年、全日本ロードレース選手権J-GP3クラスで最多3勝を挙げ、ランキング2位・ルーキーオブザイヤー獲得。2019年、WSBK(ワールドスーパーバイク世界選手権)併催のWSSP300デビュー。現在はMTM Kawasaki MOTOPORTより、300~400ccの市販車ベースのマシンで争われるWSSP300クラスに参戦中。2020年、WSBK第6戦カタルニアレース2で、WSSP300日本人初優勝を遂げた。
念願の日本人初優勝。
―初優勝の時はどうでしたか?
下田
勝つためにみんな努力していて、チームも家族も頑張ってくれているので、やっぱり勝った時は嬉しかったですね。
岡谷
僕も丈くんと同じで勝つためにやってきたし、勝てるようにはやってきました。
勝ったカタルニアのレースは2番手からスタートして、トップグループにはいたのですが、なかなかトップを維持できない状態でした。カタルニアは結構ストレートが長いのでスリップストリームでバンバン抜かれて。正直勝つのは厳しいかな、と思っていたレースでしたが、最終ラップの最後のヘアピンのところで前3台がいなくなりました。そこで僕は2番手だったのでチャンスだと思い、最終コーナーで刺せて勝てた、というレースでした。
予選タイムが決勝に響くロードレース、横一列スタートで実力勝負のモトクロス。
下田
ロードレースはタイムクオリファイング(計時予選)みたいなものがあって、グリッドを決めるんですよね?
グリッドの位置が良かったり、ラップタイムが速かったりすればレースでも有利と聞いていますが、そうなんですか?
岡谷
ロードではタイムが出ている方が有利になるし、グリッドも前になります。
僕も正直詳しくないのですが、モトクロスは横一列なので、タイムが速いから有利とかはあまりないんだろうな、と思います。
下田
横一列スタートなので、グリッドの位置は有利になりますが、いざスタートしたらタイムが3番手以内とかにいても少しミスをするだけで最下位くらいまで下がります。22台しかいませんが、トップ3からスタートしないとやっぱり厳しいです。この前初優勝した時は、スターティンググリッドの位置も悪くなく、1位でスタートすることができたので、そのまま20周くらいポジションキープして勝てた、という感じです。
岡谷
ロードは予選がウェットで決勝がドライだと、ウェットが得意なライダーの予選タイムがたまたま良くて、ドライのレースのグリッドが上になる、というようなラッキーがあったりします。でもモトクロスはそれがないから、ずっと実力があるライダーじゃないと厳しいんだろうな、と素人目に見て感じます。
下田
モトクロスは結構土質とかが違うのでミスをしやすいです。でもロードレースはコンマの世界みたいな感じで、キンキンな状態でずっと走っているように見えるので、モトクロスからしたらロードレースの方がきついんじゃないかと思っています。
岡谷
確かにロードは常にギリギリのところを走りますね。最近トラックリミットと呼ばれる、ゼブラゾーンの外の緑色のゾーンがあります。今は昔と違ってそこが芝じゃなくなっているので転倒は少なくなりましたが、逆にそこを走ると結構タイムが稼げるようになってしまっています。それでタイムを稼げないようにするために、そのトラックリミットにちょっと出ただけでも、その1周のタイムが抹消されたりだとか、結構ロードの方も厳しくなっています。なので無駄にコースアウトできないから難しいな、という感じはしています。
お父さんのきっかけでレースの世界へ。
下田
どんなきっかけでレースを始めたんですか?
岡谷
僕はお父さんがもともとレースをやっていました。僕が生まれてからもサーキットに行くことが多くて、知り合いのおじさんもライダーやメカニックの人が多かったです。それで自然とポケバイのサーキットに連れて行ってもらってバイクに乗らせてもらい、気付いたらレースしていたみたいな状態です。
小さい頃はポケバイをやって、そこからミニバイクに乗り換えて、13歳くらいの時にロードレースに上がりました。2018年に全日本に参戦して、2019年から今のWSSP300に参戦し、今年が3年目になります。
丈くんはどうやって始めたんですか?
下田
僕の場合ちょっと変わっています。お父さんがバイクに乗っていたのは同じで、お父さんが買ってくれたバイクもずっと家にありましたが、ずっと遊びで乗っていました。乗ったり乗らなかったりで。4歳から乗っていましたが、最初の3年はレースをする気も、バイクに乗りたいという気もなくて。一番最初のレースは7歳です。
僕のお父さんがモトクロスをめちゃくちゃ好きで、流れでモトクロスレーサーになったっていう感じです。
世界選手権・海外選手権までの道。ライセンスでプロや世界へ。
岡谷
丈くんは全日本選手権には出たことがあるんですか?
下田
全日本のレースには出たことがないんですよ。アマチュアの時にこっち(アメリカ)に来て…。
岡谷
モトクロスはどうやってAMAとか海外のレースに出るんですか?
下田
AMAのアマチュアのレースに参戦してポイントを貯めると、AMAのプロのレースに出ることができる、プロライセンスをゲットできます。僕もプロライセンスを手に入れたのは、多分2~3年前です。まだまだプロで2年目なので、経験は少ないです。
岡谷
じゃあライセンスで上がるんですね。
ロードも国際ライセンスを取って、FIMライセンスとか海外のレースに出られるライセンスを取得して、という感じです。
どのチームに入るかは、知っている人の紹介で決まることが多いです。
今MotoGPを走っているライダーは、アジアタレントカップという、ホンダの育成プログラムのレースから、ヨーロッパのMoto3ジュニアクラスみたいなものに行って、そこからMoto3、Moto2というステップアップの仕方をします。
でも僕の場合は、全然そのホンダのルートではなくて、個人で挑戦しているので、カワサキのサポートなどはなく、カワサキのバイクをただレースで使っている、という感じです。
なので全くこの先のルートは決まっていませんが、WSBKを目指して、最終的にはMotoGPに辿り着けるように今頑張っています。
下田
ハードな道なんですね。
岡谷
メーカーのサポートがあると、細かいところだと住むところやフライトの用意など、色々やってくれる部分はあります。
でも僕は全部自分でやったり、自分の知っている人にお願いしたりしています。行き当たりばったりというわけではないですが、その場でなんとかするみたいなことが多くて、シーズンの途中で色々な人に助けてもらっています。
なので助けてくれる人にはすごく感謝しています。
下田
結構精神的に来たり、疲れたりするんじゃ無いですか?トラブルが起こったりだとかも…。
岡谷
頑張ってトラブルが起きないように、ミスしないように自分でも気を付けながらちゃんとチェックしています。
丈くんはチームで動いて、チームのところに住んでいますか?
下田
僕の場合はカワサキのチームにいて、飛行機のチケットなどは全部用意してくれます。なので会場に飛んで、レースして、帰るっていう感じですね。
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