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トヨタ3台vsオジェvsヌービル? 開幕戦モンテカルロで見えてきた、2019年WRCの勢力図

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トヨタ3台vsオジェvsヌービル? 開幕戦モンテカルロで見えてきた、2019年WRCの勢力図

 2019年のWRC開幕戦「ラリー・モンテカルロ」ではシトロエンに復帰したばかりのセバスチャン・オジェが大会6連覇を達成。下馬評どおりのリザルトとなったが、その内容は過去の5大会とは対照的に、オジェにとっては幸運に恵まれたものだったではないだろうか? そう思えるほどに、開幕戦ではオジェのライバルたちのパフォーマンスも極めて高いものだった。

 ラリー・モンテカルロは雪と氷が点在する特殊なターマック戦ではあるが、シトロエン、トヨタ、ヒュンダイ、フォードの有力チームであるMスポーツの実力が見えてきたので、2019年の勢力争いの構図を分析したい。

■ヒュンダイのヌービル&ローブ警戒。今年のトヨタはあまりにも”速すぎる”

 まず、今回のラリー・モンテカルロにおいて、最もハード面で優れていたのが、復帰参戦3年目を迎えたTOYOTA GAZOO Racing WRTだと言えるだろう。2019年はオット・タナク、ヤリ-マティ・ラトバラに加えて、クリス・ミークがシトロエンから移籍したが、タナクが7回、ラトバラとミークが各1回のSSウインと獲得するなど、トヨタ陣営は全16SSのうち、実に9SSにおいてベストタイムを獲得している。

 残念ながらスタッドタイヤで勝負をかけていたデイ2のSS3がキャンセルされたほか、タナクとミークがパンクに祟られたことでトップ争いから脱落したが、タイプの異なる3名のドライバーがベストタイムをマーク。しかも、わずか2回のテスト走行で9ヵ月ぶりの実戦復帰を果たしたミークも素晴らしい走りをしたことから察するに、熟成を極めたヤリスWRCは乗り手を選ばないマシンに仕上がっているようだ。

 現地で戦況を見守り続けたTOYOTA GAZOO Racing カンパニーの友山茂樹社長も「昨年の大会は2位、3位で表彰台を獲得していますが、今大会は内容的にそれ以上に手応えのある一戦でした」と語る。マシンの完成度は高く、ドライバーのラインナップも強固な体制となっているだけに、2019年はトヨタ陣営がタイトル争いの鍵を握るに違いない。

 一方、オジェの活躍で開幕勝利を手にしたシトロエン・トタルWRTだが、「まだクルマに関しては100%の状態ではない」とオジェが語るように、SSウインの獲得はSS5の1回のみに留まった。コンスタントな走りこそ披露したとはいえ、主力モデルのC3 WRCが一発のスピード不足にあることは事実である。セカンドドライバーとしてトヨタから移籍したエサペッカ・ラッピも目立ったスピードを見せることなくリタイアに終わったことを考えると、シトロエンはドライバーズ・タイトルを狙うオジェの孤軍奮闘が続くだろう。

 これと同様にヒュンダイのエースとしてi20クーペWRCを駆るティエリー・ヌービルも開幕戦のラリー・モンテカルロで計3回のSSウインを獲得するほか、オジェの2.2秒差で2位入賞を果たしたが、これもドライバーの実力で掴んだリザルトと言っていい。

 もともとi20クーペWRCは”ヌービル・スペシャル”と化しているだけに、開幕戦のモンテカルロでもアンドレアス・ミケルセンは苦戦を強いられたほか、コースアウトおよびマシントラブルでリタイアに終わった。

 ヒュンダイにとって大きな希望となるのが、今季よりWRCに復帰したセバスチャン・ローブで、ほとんどぶっつけ本番の状態ながら、2回のSSウインを獲得したほか、4位に入賞するなど天賦の才能を発揮。しかし、これもまた、ドライバーの実力に頼ったリザルトで、ローブが散発的なプログラムとなっていることから、ヒュンダイもまたヌービルがドライバーズ部門で孤軍奮闘するに違いない。

 なお、エルフィン・エバンス、ティーム・スニネン、ポンタス・ティデマンドの3台体制で挑んだMスポーツの最上位は、SS1でコースアウトを喫したスニネンの11位に留まった。ティデマンドもデイ2で足回りを破損したことで20位に低迷したほか、それまで7番手につけていたエバンスもデイ3でコースアウトを喫し、リタイアに終わっている。

 主力モデルのフォード・フィエスタWRCは新型リアフェンダーを採用するなど、エアロパーツのアップデートを果たしたものの、マシンのパフォーマンス不足はもちろん、ドライバーのラインナップも脆弱な印象は拭えない。オジェを失った2019年はMスポーツにとって苦難のシーズンとなると思われる。

 以上、簡単に各チームの動向について触れてきたが、2019年は3台のトヨタ、そして、シトロエンのオジェ、ヒュンダイのヌービルで熾烈なトップ争いが展開されるだろう。

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