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ポルシェとトヨタが超接近戦の首位争い。スプラッシュの有無にも注目か【WEC富士決勝3時間後レポート】

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ポルシェとトヨタが超接近戦の首位争い。スプラッシュの有無にも注目か【WEC富士決勝3時間後レポート】

 晴天のもと迎えた2023年のWEC世界耐久選手権第6戦『6 HOURS OF FUJI 2023』の決勝は、スタートから3時間が経過。週末で1番の"残暑"に見舞われたレースでは、スタートで抜け出した6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)のケビン・エストーレ/アンドレ・ロッテラー/ローレンス・ファントール組が3時間経過前後のルーティンピットを終えて首位に。

 その背後をTOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)と、8号車セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組が猛追する展開となっている。

【途中経過】2023年WEC第6戦富士 決勝3時間後

 LMP2クラスではユナイテッド・オートスポーツの22号車オレカ07・ギブソン(フレデリック・ルビン/フィリップ・ハンソン/フィリペ・アルバカーキ組)が、ここでワン・ツー体制こそ崩れたものの実質首位をキープ。LMGTEアマは女性トリオのアイアン・デイムス85号車ポルシェ911 RSR-19(サラ・ボビー/ミシェル・ガッティン/ラヘル・フレイ組)が実質的なクラス首位に立っている。

 日本列島に大きな爪痕を残した台風襲来の影響も受け、走行前日の木曜から不安定な空模様が続いた富士のレースウイークは、金曜午後のFP2のみが路気温が低いながらもドライでの走行に。それ以外は予選も含めて雨に祟られ、トヨタ、フェラーリ、ポルシェにキャデラック、そしてプジョーら今季を彩る豪華マニュファクチャラーの、ある意味で“本来的戦力差”を推し量ることができないまま決勝を迎えた。

 その鬱憤を晴らすかのように早朝から秋晴れとなった富士では、スタート1時間前の時点で、リアルタイム計時されるタイミングモニター上の気温が28℃、路面温度も40℃を超えてくるなど、どの陣営にとっても未知の温度条件のもと、スタートの時を迎えた。

 決勝の6時間は定刻10時53分から2周のフォーメーションラップを経て11時を前にスタートが切られると、路面温度は46℃に達するなか前戦モンツァに続くポール発進の7号車トヨタGR010ハイブリッド、マイク・コンウェイがローリングからわずかに伸びず、インサイドを奪った6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)のファントールがリヤを流しながらも強引に飛び込んでいく。

 これでアウト側へ追いやられたTGR陣営はブエミがドライブする8号車も接触の影響でポジションを落とし、6号車に次ぐ2番手にはその相手だった50号車フェラーリ499P(フェラーリ・AFコルセ)が浮上してくる。

 さらに隊列後方では93号車プジョー9X8らもブレーキングでロックアップし、コンタクトを伴う勝負で車列大半がアウト側ランオフへ。さらにLMGTEアマの83号車フェラーリ488 GTEエボ(リシャール・ミル・AFコルセ)らもアクシデントに遭遇しグラベルにスタック、オープニングラップからセーフティカー(SC)導入となる。

 この間、やはり接触の影響かポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの5号車をドライブするミカエル・クリステンセンはタイヤダメージを負いピットへ。3周目のリスタート以降は、その対象と目される51号車フェラーリ499Pのジェームス・カラドが7号車トヨタを仕留めて3番手に浮上してくる。

 そのTGR陣営は7号車、8号車ともに金曜に7号車でトライしていたアウトサイド左側をハードコンパウンド、イン側右サイドをミディアムとするミックスチョイスを選択したようで、無理にバトルせずスティント後半を見据えたタイヤマネジメントを優先し、4番手、5番手で周回を重ねていく。

 一方、実質的にオレカ07・ギブソンのワンメイクとなっているLMP2クラスでは、2番手発進だった41号車オレカ(チームWRT)が、スタートでの接触により大きくポジションを落とし、ポールシッターだったユナテイテッド・オートスポーツ22号車の背後には、チームメイトの23号車が浮上。アルバカーキとピアソンがワン・ツーを構築する。

 そしてLMGTEでは777号車アストンマーティン・バンテージAMR(Dステーション・レーシング)のスタート担当を務めた藤井誠暢がさすがの勝負勘を見せ、ベン・キーティング駆る33号車シボレー・コルベットC8.R(コルベット・レーシング)やサラ・ボビーの85号車ポルシェ911 RSR-19(アイアン・デイムス)をかわし、クラストップで周回を重ねていく。

 レース開始30分を過ぎ、ハードを装着した51号車ジェームス・カラドに再三の仕掛けを始めた7号車コンウェイは、TGR(1)コーナーのブレーキング勝負で競り勝ち3番手へ。45分経過で同じく8号車ブエミもホームストレートのスリップから抜け出て4番手に上がる。そのときを同じくして、ペースの衰えないコンウェイはさらに2番手の50号車ミゲル・モリーナのインをこじ開けTGRコーナーへ、ここからコカ・コーラコーナーまで並走してオーバーテイクを完了し、2番手までポジションを戻してくる。

 その直後、首位を行く6号車ポルシェのファントールが最初のルーティンピットへ。これで7号車はトップに返り咲き、さらにレース開始1時間を目前にして8号車も残るフェラーリ499Pの50号車を仕留めることに成功。これでTGRがスターティングポジションを回復する。

 ここで正午を迎え51号車、7号車を筆頭に立て続けにルーティン作業が始まり、各車の作業が一巡したところで、6号車ポルシェを先頭にTGRの7号車、8号車が追随するトップ3に。その背後にはタイヤ交換なしの“ダブルスティント”を選択した38号車ポルシェ963(ハーツ・チーム・JOTA)と、同じく“ミディアムでのダブル”を決行した2号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)が続いていく。

 さらにスタート直後の審議が続いていた51号車との接触に関し、タイヤダメージを負った5号車ポルシェの側にピットで3分停車のペナルティが降り、ここでほぼ勝負権を失うことに。

 また、ピット戦略でポジションを上げ、その51号車とのトップ5争いを展開していた38号車JOTAも、ルーティン直前のダンロップコーナーでLMP2のJOTA陣営となる28号車を接触スピンさせたことで、ドライブスルーが宣告され後方に沈むなど、首位の6号車を除きポルシェ勢には受難の序盤戦となってしまう。

 2時間を前に首位6号車が2回目のルーティンに入り、ここで4本交換とともにファントールからエストーレに交代。翌ラップから各車ともドライバーチェンジに向かい、2号車キャデラックのリチャード・ウエストブルックは4本ともにミディアムを装着。7号車はホセ-マリア・ロペス、8号車は平川亮とTGRも順当に作業を終えるなか、5番手で奮闘していたプロトン・コンペティションの99号車はポルシェの負の連鎖か、シートベルトに問題が生じ無情のガレージインとし大きくタイムを失うことに。

 一巡後も1分31秒台と快調なペースでトップを守る6号車ポルシェに対し、7号車はファステストも更新しながら約9秒差、8号車は23秒ほどのギャップで追う展開に。その背後に並ぶフェラーリ・AFコルセの2台とは約1分の間隔が開く。

 このタイミングで4本ともにミディアムに換装したGR010ハイブリッドは、首位の6号車にジリジリと迫り続け、スタートから2時間45分の時点で3秒圏内に。トラフィックを掻き分けながら逃げる6号車エストーレは、3時間を目前にルーティンどおりピットへ。左側2本交換(ミディアム)で復帰していく。

 その2周後に飛び込んだ7号車はここでのスパートでどうかと思われたが、同じく左側2本交換でピットアウトも6号車逆転はならず。わずかに引っ張った8号車平川も同じく3番手で復帰し、後半3時間も6号車ポルシェvsTGR陣営の勝負となりそうだ。

 なお、ポルシェ6号車はトヨタ勢よりもピットタイミングが早いこともあり、終盤での燃料スプラッシュが必要かどうかにも注目が集まる。6号車のエストーレは燃費走行をしながらトップを守るという任務を遂行しているものと思われる。

 一方のLMP2クラスは、この3時間時点で23号車が接触スピンを喫する場面もありつつ、ユナイテッド・オートスポーツ勢が強さを見せており、22号車が首位を堅持。LMGTEアマクラスも85号車ポルシェ911 RSR-19(アイアン・デイムス)vs33号車シボレー・コルベットC8.R(コルベット・レーシング)の図式に。

 星野敏がセカンドスティントからの“ダブル”をになったDステーションの777号車アストンマーティンはクラス9番手、57号車フェラーリ488 GTEエボ(ケッセル・レーシング)は木村武史がスタートから快走し同5番手。そして小泉洋史が巻き返しを見せた21号車フェラーリ488 GTEエボ(AFコルセ)は11番手となっている。

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