■下は299万円から上は600万円超え! マツダ新型「CX-60」の乗り味はどう?
2022年9月15日に、マツダは新型「CX-60」の国内ラインナップにおける「e-SKYACTIV D」搭載車を発売します。
【画像】存在感スゴイ! 内外装も高級ある新型「CX-60」の実車を見る!(44枚)
その存在感や内外装の質感の高さから高級SUVといえる新型CX-60ですが、どの乗り味も上出来だったのでしょうか。
ついにマツダ新型「CX-60」が発売されました。
同車は排気量2.5リッター4気筒エンジンを組み合わせたプラグインハイブリッドや、排気量3.3リッター6気筒のディーゼルエンジンなど新しいパワーユニットに、新開発となるエンジン縦置きの後輪駆動プラットフォームを組み合わせたマツダの新しいSUVです。
大型のボディとともに、最上級グレードでは600万円オーバーとマツダではこれまでになかった高価格仕様を展開していることも話題となっています。
果たして、気になるその乗り味はどんなものでしょうか。ファーストインプレッションで感じた「いいところ」と「気になるところ」をお伝えしましょう。
今回試乗したのは、ほかのパワートレインに先駆けて発売された「e-SKYACTIV D」と呼ばれるディーゼルエンジンのマイルドハイブリッド仕様。パワートレインのグレード名としては「XD-HYBRID」と呼ばれます。
エンジン最高出力254ps、最大トルク550Nm。そこに16.3ps/153Nmのモーターが加わり燃費とドライバビリティをサポートするのがこのマイルドハイブリッドの概要。「XD-HYBRID」の駆動方式は全車4WDで、当然ながら今回の試乗車も4WDでした。
まず「いいところ」は、なんといっても峠道での運転の気持ちよさ。これは期待を大きく超えるものでした。
車体は全長4710mm×全幅1890mmと大きく、車両重量も1.9トンを超えます。その数字だけをみれば峠道での走りは苦手と思えますが、その仕立てはさすが走りの楽しさを掲げるマツダ。
ハンドルを切ればスッと素直に向きを変え、まるでレールの上を走るかのようにニュートラルに、イキイキと曲がる感覚が好印象です。
ハンドルやアクセル操作(もっと曲がりたいときは少しアクセルを緩める)により微妙なライン修正も簡単におこなえるし、ドライバーの操作次第ではアクセルを踏んでググッと曲がる後輪駆動や後輪駆動ベースの4WDならではの感覚を味わえるのも大きな魅力。
ドライビングプレジャーや人馬一体感は、評価の高い「ロードスター」に通じるものを感じました。峠道での走りの楽しさを語れるSUVといっていいでしょう。
峠道を走っていて気が付いたのは、車体が素直に向きを変える感覚があまりにも4WDらしくないこと。
ハンドルを切って向きを変え始める挙動はいかにも後輪駆動らしいもので、4WDっぽさが感じられないのです。
試乗後にエンジニアに確認したところ「基本的にはフロントタイヤに伝わるトルクは“気持ち程度”でほぼ後輪駆動。ただし縦方向でのスリップがはじまると瞬時に前輪へトルクを送り、最大で前後トルク配分50:50程度まで前輪にまわす」とのこと。基本的にFRとして走る、というのが新しいプラットフォームに搭載する4WDの考え方のようです。
注目のディーゼルエンジンは、力強くフラットトルクな印象です。正直なところ高回転に向けて盛り上がるメルセデス・ベンツやBMWの6気筒ディーゼルエンジンほどのエモーショナルな感覚はありません。
しかし、フラットトルクなので扱いやすく、実用的な印象。いうまでもありませんが550Nmという図太いトルクを発生するので加速が力強く、加速時はグングン速度が上がります。
■新型CX-60の気になるポイントはどこ?
ところでこの新型CX-60のマイルドハイブリッドにモーター走行感があるかといえば、それは感じられませんでした。
モーター走行はごく低速時(発進時はエンジンが始動する)、もしくはアクセルオフ時などのコースティング状態に限られ、ドライバビリティにおいてハイブリッドを感じさせることはありません。
多くのマイルドハイブリッドカーがそうであるように、モーターはあくまで存在を主張することなく、燃費向上のための縁の下の力持ちに徹しているというわけです。
話題のトルコンレス8速ATは、DCTのようなダイレクト感を持ちつつ、神経を尖らせてもギクシャクする感じはほぼありませんでした(それは普通に運転していたら感じないレベルです)。クリープもあり、一般的なトルコンATと同じ感覚で乗れます。
いっぽうで、試乗して「気になるポイント」もありました。それは乗り心地に関するもの。
サスペンションの動きに少し渋さがあり、路面が荒れた場所を走ると突き上げ感を強く感じます。
試乗車の走行距離が少なくてダンパーなどが馴染んでいないのかと思ったら、オドメーターは2500キロ以上を刻んでいたのでそういう訳でもなさそうでした。
ただし、入力があっても揺れをしっかりと減衰し、ボディの振動を一発で抑える特性は見事。
ポテンシャルはきわめて高いので、あとは入力の“カド”さえ取れれば相当いい味付けになりそうです。
もしかすると、さらにサスペンションの動きが馴染んだり、タイヤの空気圧の微調整などで突き上げ感は緩和されるかもしれません。
昨今のマツダは欧州車のようにマメに改良をおこなうことで、目に見えないフィーリングも含めて商品をどんどん熟成させ完成度を高めることを得意とします。
新型CX-60の乗り心地に関しても、どんどん手を入れて“いいクルマ”になっていくことでしょう。
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直6かロータリーかどっちを選ぶ?なんて究極の選択すぎて胸熱