5月24~26日に富士スピードウェイで開催されたENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』。この一戦で、ST-Qクラスに参戦しているTeam SDA Engineering BRZ CNF Conceptがクラス3位、総合20位でラストランを終え、有終の美を飾った。
スバルは、2022年からスーパー耐久ST-Qクラスに『内燃機関を活用した燃料の選択肢を広げる挑戦』として、BRZをベースにカーボンニュートラル燃料(CNF)を使用するTeam SDA Engineering BRZ CNF Conceptで参戦を開始した。
スバル、富士24時間でスーパー耐久用の新型車両をお披露目。第3戦オートポリスから投入へ
自動車メーカーの開発車両が参加できるST-Qクラスへの参戦ということで、Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptは2022年の初登場以降、毎戦のようにアップデートパーツの投入や改良が施され、ライバルかつ“共挑”の仲間であるORC ROOKIE GR86 CNF conceptと競い合いながら『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』を進めてきた。
迎えた2024年、スバルは東京オートサロンでスーパー耐久シリーズの参戦体制を発表し、シーズン途中での新型車両投入を予告。そして、第2戦富士24時間が行われている会場でWRX S4をベースとした『HIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPT』を公開し、第3戦オートポリスからの投入を発表した。
これにより、Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptは2024年の富士24時間がラストランに。“集大成”のレースに向けてエンジンやシャシーなど、あらゆる部分がアップデートされたマシンは、大きなトラブルなく24時間レースを走りきり、ST-Qクラス3位、総合20位で有終の美を飾った。
「ノートラブルではなかったですけど、それに対する修復作業や課題解決の部分で、特にメカニックさんを含めた“全員の力”でうまくバトンをつなぐことができ、良い結果に結びつけることができました。本当に嬉しいです」と語るのは、スバル研究実験センター長であり、Team SDA Engineeringを率いる本井雅人チーム代表。
アップデート内容には「本当に大盤振る舞い」と続ける本井代表「これまで織り込んできたものを、自分たちの整理も含めてきちんとかたちにして、スバルユーザーのみなさんに共有しようと思い、本当に全部を書き上げました」
特にポイントとなる部分を聞くと「本当に全部です。パワーユニットからシャシーまで、すべてをやり切りました。まだ終わったわけではないですし、レースに完璧はありません。でも、良いかたちにまとまったかなと思います」と本井代表は続けた。
今回の結果で、2022年から始まったスバルのスーパー耐久シリーズへの挑戦は、ひとつの区切りを迎える。本井代表は「いちばん大きく得られた手応えは、想像以上に人材育成が進んだことです」とこれまでの挑戦を振り返る。
「個人、特に若いエンジニアがすごく育ったことがひとつ。また、それぞれの関係性の部分で、すごく“横のつながり”ができましたね。それが何よりの財産だと思っています」
Team SDA Engineeringの『SDA』は、スバルエンジニアの運転スキルと評価能力を高める人財育成への取り組み『スバル・ドライビング・アカデミー』の略称。BRZ CNF Conceptの開発でも、若手を中心とするスバル技術本部のエンジニアが100名以上参加し、部署の垣根を越え、ひとつの目標に向けてここまで挑戦を続けてきただけに、本井代表の言葉は関わってきた人たちに響くものだろう。
「例えば『ボディー設計エンジニアが、エンジン設計エンジニアと密接にコミュニケーションを取ってエンジンパワーが上がった』ということなど、それぞれがコラボレーションした結果として今のかたちができています。それぞれが『俺が俺が』と進めたら、適合などの部分でうまく進まなかったでしょうね」
一方で本井代表は、BRZならではの課題として「参戦当初から“リヤ”がもう少し強ければ、安定感があっていいよね」という部分を挙げる。
「箍を外したつもりだったのですけど、決められたなかでぐるぐると回っていた部分があり、じつは箍にはまってしまっていました。もっと飛躍した改善や『改革』までいけるような変化ができなかったので、新型車両ではその部分をチャレンジしようと思っています」
その“新型車両”であるHIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPTについては、「もちろん信頼性はきちんと確保しますが、何かを変えるというよりも、素の状態でどこまでいけるかに注力していきたいです」というプランがあるようだ。
「その状態でどれだけのパフォーマンスを出せるか、最終的にはそれでパーツを変えるという部分に帰るのですけど、シミュレーションや目論見などをしっかりと行えば、レース現場でも結果が出ると思っているので、そのルールで回していきたいです」
ここまでの挑戦について、本井代表は「一言で言うと『やってよかったな』という達成感があります」と笑顔をみせた。
「次に繋がるカーボンニュートラルにチャレンジしよう、内燃機関を何とか残そうという気持ちが当初より大きくなりました。スバルとしてもその方針で進んでいく決意を固められたはずなので、成果があったと思ってます。『共挑』の仲間が多くできたことも嬉しいです。本当にやってよかったです!」
■参戦当初からステアリングを握った井口卓人と山内英輝も達成感
2022年からTeam SDA Engineering BRZ CNF Conceptのステアリングを握り、ここまで車両開発を行ってきた井口卓人と山内英輝のふたりも、このレースに達成感があるようだ。
「多少のトラブルは抱えながらでしたけど、長い(ピット)滞在時間はなかったですし、良いペースで24時間を走り続けることができたので、ここまでみんなで作り上げてきたBRZの集大成として、すごく良いレースだったと思います」と語るのは井口。
「僕たちは、スバルの若手エンジニアみんなのアイデアで車両をどんどんと作り上げてきました。トライ・アンド・エラーも結構多かったですけど、みんなでいろいろと話し合い、最終的に富士24時間でこういった結果を得ることができたのは、やっぱりみんなの努力の賜物だと思います」
「今後の車両開発という意味では、もっとタイヤや力を受け止めてくれる足回りやジオメトリーを投入してきています。すごく良いペースで24時間を走り切ることができたので、良いデータを採ることができたのではないでしょうか」
また井口は、本井代表が言っていた“人間性”の部分で「最初の1年目はみんな不安な表情をしていましたけど、今は本当に自信を持ってレースの世界で戦えているので、ものすごく良い経験ができていると思います」とチームを評した。
同じく山内も「今までのレースのなかで、いちばんしっかりとレースを戦えることができました。耐久性という意味でも、決勝で手を抜くことなく、最後の最後までプッシュすることができましたし、マシンもしっかりと持ってくれました。『こうしたい』という改善点はありますけど、まずは現在の状況でベストなレースが展開ができたので、非常に良かったです」とレースを振り返る。
ここまでの挑戦を「クルマの進化もそうですけど、それぞれの分野で担当している“人間の成長”をすごく感じます。それがより良いクルマづくりに繋がると思うので、新型車両がどういった進化をしていくかがすごく楽しみです」と山内。
そして井口は、新型車両のHIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPTは「まだ全然開発などが進んでいないので『苦労するだろうな』という思いもありますけど、GT4車両あたりを狙っていきたい」という展望を述べた。
「いろいろなことがあるかもしれないですけど、やっぱり走らないと次に繋がりません。走ってのトラブルも出るかもしれないですけど、そのなかで次に繋がる開発ができればいいなと思っています。また、スバルといえば四輪駆動のイメージがものすごく強いので、その技術をまた鍛えることができると思うと、ものすごく嬉しいチャレンジですね」
次戦となる第3戦オートポリスからは、HIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPTで新たなチャレンジを行うTeam SDA Engineering。スバルといえば“ターボ”と“四輪駆動”のイメージを次の世代にも継承するための挑戦と開発が続けられる。
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