現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 600馬力の「セリカ・ダブルエックス」! 「HKS M300」を覚えているか?【モデルカーズ・チューニング】

ここから本文です

600馬力の「セリカ・ダブルエックス」! 「HKS M300」を覚えているか?【モデルカーズ・チューニング】

掲載 14
600馬力の「セリカ・ダブルエックス」! 「HKS M300」を覚えているか?【モデルカーズ・チューニング】

1980年代に入り、クルマは大衆に普及し、所有するだけで嬉しい贅沢品から、手を加えて個性を出し、あるいは娯楽の対象としても親しまれるようになった。そんな時代にチューニングカーブームが到来したのは極めて自然な流れでもあった。しかし現在よりももっと国産車がプリミティブでピュアだった時代、それをイジって速くするという行為は快感でもある反面スリリングであり、時に死と隣り合わせという危険性をもはらんでいた。そんな時代に生まれたHKS M300というマシーンの記憶。どうにも自分には頭にこびりついて離れない1台のクルマである。
【写真8点】鬼才モデラー後藤氏による「HKS M300」作例を見る!
1980年代谷田部の最高速アタック
徹底的にチューンされたM300の記録は301.25km/h。ついに国産車ベースのチューニングカーが時速300キロの壁を超えた瞬間だった。1980年代の谷田部テストコースにおける最高速アタック。日本中から名うてのチューナーたちが熾烈なスピードバトルを繰り広げていた時代。そこには異様な熱気と興奮があった。アタック車両のベースの中心はL型のフェアレディZで、そこにロータリーのRE雨宮、当時はアメリカ車をチューンしていたトラストがしのぎを削っていた。そこに突然現れたゲーリー・光永氏のLS7パンテーラ。初トライでいきなり307.69km/hをマークした。それまでなかなか時速300キロを突破できなかった国産車勢をノックアウトしてしまったのだ。チューナーたちは打倒光永パンテーラを決意するも、その想いは突然断ち切られてしまう。日本一の座に輝いた光永氏は記録達成の数日後、そのパンテーラとともに事故を起こし、天に召されてしまった。それから半年近く、挑むべき相手を失った彼らはチューニングをやめてしまったのだ。しかし光永氏を忘れないためにも、彼らは再び立ち上がった。谷田部最高速アタック再開。今度は国産車で300キロをマークしよう。公道レーサーでもあった彼らは、クローズドコースで記録にチャレンジするストイックさも醸し始めたのだった。
新興チューナー「HKS」が作った怪物!
しかし1982年の2年後、84年の春、新興チューナーであるHKSがとてつもない怪物を作り上げる。その名はHKS M300。セリカXXをベースに最高速重視の前後ボディ延長、外板はほぼFRPに交換された。エンジンは5M-GEUベースのツインターボで当時としては超弩級の600psオーバーのパワーをものにしていた。徹底的にチューンされたM300の記録は301.25km/h。ついに国産車ベースのチューニングカーが時速300キロの壁を超えた瞬間だった。この記録について、他のチューナーからは、「あんなのもうレーシングカーじゃないか、反則だ」といった意見も寄せられたが、同時期の日産ワークス製シルエットフォーミュラ軍団でもそこまでの馬力の車はいなかった。レースカーどころではない規格外のモンスターだったのである。もともとHKS創立者の長谷川氏は、ヤマハに在籍していた技術者。トヨタ7ターボ等に関わっていた人物である。M300はチューニングカーの枠を超えていた、彼の元ヤマハの技術屋としての意地の結晶だったのではないか、と個人的には思っている。今回製作したのはそんなHKS M300である。
フジミ製セリカXX2.8GTで製作
ベースはフジミ製エンジン付きハイメカシリーズのセリカXX2.8GT。まずボディ前後をカットし延長。次いでポリパテとプラ板でブリスターフェンダーとスポイラー、サイドスカートを製作。フードもエア抜きとルーバーを追加加工。ボディはスジ彫りを全てやり直し、テールのウイングはプラ板加工。リアウインドウパーツは熱戦モールドを削り落とし。ライトカバーはバキュームフォームで製作した。どうやらM300のエンジンはフロントミッドマウント化されていたようで、バルクヘッド周辺はほぼ自作になっている。デカール類は自作。塗装はクレオスクールホワイト下地に、ガイアカラーのピュアホワイト。ウレタンクリアーでオーバーコートした。エンケイ特注品と言われるホイールは、形状が似ているハセガワランチア037ラリーの物にジャンク部品のワイドリムを組み合わせ、タイアはフロントがマルイハコスカGT-Rレーシング用、リアはフジミのR32GT-RグループA用を使用。ロールケージは自作、イタルボランテステアリングはアオシマAE86用、ドアインナーパネルはプラ板自作となる。エンジンは基本的にキットのものを使うが、ターボ系補器類は自作部品と田宮R32GT-Rのものを加工流用し、パイピング類を追加したものを、バルクヘッド寄りに後退させて搭載している。
【写真8点】「セリカXX」ベースの「HKS M300」圧倒的ディテールを見る!
modelcars tuning 其の10




【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ミツオカ「新型エムダブルファイブ」世界初公開! “丸目4灯”の「旧車デザイン」採用! MTのみ設定&ターボエンジンの「Zero Edition」ついに発売
ミツオカ「新型エムダブルファイブ」世界初公開! “丸目4灯”の「旧車デザイン」採用! MTのみ設定&ターボエンジンの「Zero Edition」ついに発売
くるまのニュース
FIA、F1ラスベガスGPを前にプランクの摩耗を防ぐルールの抜け穴を技術指令で塞ぐ。一部チームに影響か
FIA、F1ラスベガスGPを前にプランクの摩耗を防ぐルールの抜け穴を技術指令で塞ぐ。一部チームに影響か
motorsport.com 日本版
ラッセルはFP1でのルーキー起用増加を歓迎も、マシン損傷があった場合の修復費用はコスト制限から外すべきだと提案
ラッセルはFP1でのルーキー起用増加を歓迎も、マシン損傷があった場合の修復費用はコスト制限から外すべきだと提案
AUTOSPORT web
マツダ新型「CX-5」まもなく登場!? 独自「ハイブリッド」&ダイナミックデザイン採用か? デビュー7年目の大進化予想CGがスゴイ
マツダ新型「CX-5」まもなく登場!? 独自「ハイブリッド」&ダイナミックデザイン採用か? デビュー7年目の大進化予想CGがスゴイ
くるまのニュース
来季のレース情報も盛りだくさん! 世界最大のモーターサイクルショーEICMAレポート レーシングライダー大久保光の海外生活
来季のレース情報も盛りだくさん! 世界最大のモーターサイクルショーEICMAレポート レーシングライダー大久保光の海外生活
バイクのニュース
ロゴを刷新した新生ジャガー、デザインビジョンコンセプト発表へ…12月2日
ロゴを刷新した新生ジャガー、デザインビジョンコンセプト発表へ…12月2日
レスポンス
【遂に価格決定】フォルクスワーゲン新型ティグアン 3世代目は7年ぶりのモデルチェンジ
【遂に価格決定】フォルクスワーゲン新型ティグアン 3世代目は7年ぶりのモデルチェンジ
AUTOCAR JAPAN
もうこんな[クルマ]作れないかも?? 買うなら今よ初代[コペン]!!
もうこんな[クルマ]作れないかも?? 買うなら今よ初代[コペン]!!
ベストカーWeb
レクサス「UX300h」に特別仕様車/「LBX」にエントリーグレードを設定! 511万円と420万円からというお値段以上の中身を紹介します
レクサス「UX300h」に特別仕様車/「LBX」にエントリーグレードを設定! 511万円と420万円からというお値段以上の中身を紹介します
Auto Messe Web
はみ出した看板! 酔って道路に座り込み! ヘタしたら打ち水も! そこかしこで見かける道路交通法違反
はみ出した看板! 酔って道路に座り込み! ヘタしたら打ち水も! そこかしこで見かける道路交通法違反
WEB CARTOP
欧州フォード、2027年末までにさらに4000人削減 EV工場も生産調整
欧州フォード、2027年末までにさらに4000人削減 EV工場も生産調整
日刊自動車新聞
【ヨーロッパ以外で初】本日から開催! アルピーヌA110RGTが「フォーラムエイト・ラリージャパン2024」参戦
【ヨーロッパ以外で初】本日から開催! アルピーヌA110RGTが「フォーラムエイト・ラリージャパン2024」参戦
AUTOCAR JAPAN
今年は飛びませんように……ラスベガスGP、マンホール/水道管の蓋を舗装&補強。昨年とばっちりのサインツも「安全が何よりの願い」
今年は飛びませんように……ラスベガスGP、マンホール/水道管の蓋を舗装&補強。昨年とばっちりのサインツも「安全が何よりの願い」
motorsport.com 日本版
EV好調のシトロエン『C3』新型、欧州カーオブザイヤー2025最終選考に
EV好調のシトロエン『C3』新型、欧州カーオブザイヤー2025最終選考に
レスポンス
ルノー新型「5 Eテック」は約450万円から 英国仕様が発表、春に納車開始へ レトロな最新EV
ルノー新型「5 Eテック」は約450万円から 英国仕様が発表、春に納車開始へ レトロな最新EV
AUTOCAR JAPAN
レクサス新型「“和製”スーパーカー」に反響多数! V8×超美麗ボディに「いつ登場する!?」「憧れる」の声も! 噂の「LF“R”!?」に期待高まる
レクサス新型「“和製”スーパーカー」に反響多数! V8×超美麗ボディに「いつ登場する!?」「憧れる」の声も! 噂の「LF“R”!?」に期待高まる
くるまのニュース
通学向けに特化した専用設計 ヤマハ新型「PAS ULU」登場 バイクメーカーならではの設計が
通学向けに特化した専用設計 ヤマハ新型「PAS ULU」登場 バイクメーカーならではの設計が
バイクのニュース
いまさら聞けない「水素自動車」って何? メリット/デメリット、課題とは 普及は実現可能か
いまさら聞けない「水素自動車」って何? メリット/デメリット、課題とは 普及は実現可能か
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

14件
  • 「購入される車を迷っている方に」って左上に出てくる広告どうにかならんのか?
    広告がダメって言ってるんじゃないんだけど正直とてもうざい。
  • 新興チューナーHKSとは言うけど、オートレース用のフジってエンジンをオリジナルで作り上げる技術がすでに確立されていたワケで、当時のチューナーの中ではけっこうな老舗だったんだよね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

577.8756.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

60.0460.0万円

中古車を検索
300の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

577.8756.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

60.0460.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村