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えっ、愛車が型式指定取り消しに! まさかの事態、どう対応する? ダイハツ問題を通じ解説

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えっ、愛車が型式指定取り消しに! まさかの事態、どう対応する? ダイハツ問題を通じ解説

衝撃の不正行為 安全なの? 今日も明日も乗って大丈夫?

2023年の自動車業界における最大級のニュースとなったのが「ダイハツの不正問題」でしょう。4月の内部告発に始まり、5月には人気SUVのダイハツ「ロッキー」およびトヨタ「ライズ」においても不正が発覚。そして12月20日には「第三者委員会による調査報告」が公表されました。

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その内容は衝撃そのもの。174もの不正行為があり、生産終了もあわせて該当車種は、計64車種・3エンジンにもなるというのです。現行型として生産されている車種でも27車種と1エンジンにもあります。その公表にあわせてダイハツは国内外で生産中のクルマの出荷停止を実施。自動車業界に大きな影響を与えることとなりました。

では、ここで気になるのは「ダイハツ車に乗っている人はどうなるの?」ということでしょう。不正の内容は、多岐にわたり、書類上の基準の中でのごまかしのような軽いものもあれば、衝突実験を不正な方法で行ったというものもあります。

安全性に問題がなければいいのですけれど、そうでなければ重大問題。万一の交通事故のときの安全性能に疑問があるというのでは、オーナーとしては愛車(ダイハツ車)に乗ることにちゅうちょしてしまう人もいるはずです。

とはいえ、実際のところ、今回の場合、それほど心配することはありません。

重大な違反行為に課された処分 型式取消

まず、数多くあった不正のうち、特に安全に関する重大な問題となるのは「エアバッグ展開コンピューターを使わないで試験を行った」ことと「側面衝突試験において乗員救出性に関する安全性能(ドアロック解除)」の2点と言えます。

「エアバッグ展開コンピューターを使わないで試験を行った」ということは、量産車で万一の事故のときに適切なタイミングでエアバッグが展開するかどうかわからないということを意味します。ただし、この問題に対しては、12月20日の調査報告発表の時点で、すでに技術検証が行われており乗員保護性能に問題がないことが判明していました。

とはいえ、不正に試験を潜り抜けたということで、ダイハツ・グランマックス/トヨタ・タウンエース/マツダ・ボンゴの3車は「型式指定の取消」という重い行政処分を受けています。

この型式指定の取消の発表時に合わせて、トヨタは「ダイハツで技術検証を行い、安全性能の基準を満たしている旨、確認しております。したがって、すでに該当するクルマにお乗りのお客様におかれましては、引き続きご使用いただいて問題ありません。また、車検にも直接の影響はございません」と説明しています。

型式取消となったクルマのオーナーは、気にせず乗り続けてOKというわけです。

ユーザーの生命に直結する機能に リコール届け

もうひとつの重大な問題は「側面衝突試験において乗員救出性に関する安全性能(ドアロック解除)」です。これは、万一の交通事故での衝突で、パワードアロックが作動してしまい、乗員の救出に時間がかかる恐れがあるという問題です。

この問題に関しては、1月24日にリコールが届け出されました。該当するのはダイハツ「キャスト」とトヨタの「ピクシスジョイ」の2車種です。ディーラーにおいて、ドアロックを対策品への交換を行うことになります。

該当車の数は、「キャスト」で約29万台、「ピクシスジョイ」で約3万5000台。「キャスト」は2015年式から、「ピクシスジョイ」は2016年からのモデルが該当するため、オーナーはディーラーに確認を取ってみましょう。

そして、それ以外のダイハツ車に関しては、実のところ、それほど重大な問題がありません。実際に1月から国土交通省の立ち合い試験などを経て、1月19日に5車種、1月30日に10車種が道路運送車両法の基準にて適合していることが確認され、出荷停止が解除されています。

国が立ち会う試験で検証を重ね、慎重を期して再開へ

国土交通省に立ち会いのもとで試験を行い、出荷停止が解除されたとなれば、次は生産の再開です。とはいえ、明日から急にすべてが生産再開になるわけではなく、ダイハツは慎重に生産を開始する様子です。

現在(2月4日の時点)で決まっているのは、2月12日よりトヨタ「プロボックス」/マツダ「ファミリア・バン」を生産再開するということ。そしてダイハツ「ミライース」/「ハイゼットトラック」「ハイゼットカーゴ」「アトレー」を2月19日以降に生産できるかどうかを調査しているという状況です。

そして、出荷停止となる車種は、まだ残っているというのが現状です。

これからも国土交通省の立ち合いの元に試験を行い、出荷停止解除、そして生産再開というのが、これからの予定となるようです。全工場からの出荷停止という危機的状況から、信用回復に向けて歩み出した。それが現在のダイハツの状況ではないでしょうか。

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みんなのコメント

15件
  • L[R]EON
    一瞬ロッキー系列が型式取り消しかと思った
  • hdn********
    「ダイハツで技術検証を行い、安全性能の基準を満たしている旨、確認しております。」
    第三者機関でやるべきではないですかね。
    不正を行った所に検証させて問題無いと言われてもねー、まるで自民党か。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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