毎年、さまざまな新車が華々しくデビューを飾るその影で、ひっそりと姿を消す車もある。
時代の先を行き過ぎた車、当初は好調だったものの市場の変化でユーザーの支持を失った車など、消えゆく車の事情はさまざま。
【この連休が本当のラストチャンス!!?】 増税前に買える!! コスパで選ぶオススメ国産車 7選
しかし、こうした生産終了車の果敢なチャレンジのうえに、現在の成功したモデルの数々があるといっても過言ではありません。
訳あって生産終了したモデルの数々を振り返る本企画、今回はホンダ HR-V(1998-2006)をご紹介します。
文:伊達軍曹/写真:HONDA
■欧米ではそこそこヒット しかし国内では振るわず
1990年代後半に販売されていたホンダのコンパクトカー「ロゴ」をベースに作られた、ワゴンでもクロカンでもない、今風に言うなら「スタイリッシュな小型クロスオーバーSUV」。それが、1998年登場のホンダHR-Vです。
ロゴをベースに全高をおさえながら地上高を高くとり、大径タイヤを組み合せたハイライダースタイル
HR-Vのベース、というか大元となったのは、1997年の東京モーターショーに出品された「J-WJ」というコンセプトカー。
当時の公式資料によれば、J-WJは「ワゴンがクロカンの脚を持つ……。そんな視点から生まれた未来派ビークル。ワイルド&ジョイフルワゴンJ-WJ」というものでした。
で、これの正式市販バージョンとなったのがHR-Vです。
プラットフォームは前述のとおりロゴのものを流用していますが、最低地上高を大幅に上げ、大径ホイールを装着し、なんとも個性的でクールな造形のボディをまとったその姿は、好評だったコンセプトカー「J-WJ」の面影を十分以上に残していました。
フロントからリアにつらなるシャープなサイドウィンドウなど、デザイン面は一部では高い評価を得た
まずは3ドア版のみでスタートしたHR-Vでしたが、翌1999年7月には5ドア版を追加。
搭載エンジンは1.6Lの直4 SOHC のD16A型で、最高出力105psの非VTEC仕様と、最高出力125psのVTEC仕様の計2タイプが用意されました。
トランスミッションはCVTと5MTで、駆動方式はFFとフルタイム4WDの2種類。ちなみに4WDはオンデマンドタイプ(タイヤがスリップすると初めて4WDになる方式)です。
1997年7月には前述のとおり5ドア版が追加され、2001年7月にはマイナーチェンジを実施。
さらに2003年10月には二度目のマイナーチェンジが行われ、各種装備をアップグレードさせるとともに3ドア版を廃止し、ボディタイプを5ドアに一本化。
そのような微調整をしながら地道に販売を続けたHR-Vでしたが、(欧州ではけっこう売れたようですが)国内販売は今ひとつ振るわず。
結果として2005年12月に生産終了。そして2006年2月には、さしたる後継モデルもないまま1代限りで販売終了となりました。
■おなじ小型SUVでもヴェゼルが売れ、HR-Vが不遇の道を辿った理由とは
現在のホンダ車では、フィットをベースに作られた小型SUV「ヴェゼル」がかなり売れています。
であるならば、ある意味同じように「ロゴをベースに作った小型SUV」であるHR-Vがヒット作になっても、決しておかしくはなかったはず。
なぜヴェゼルは大ヒットし、HR-Vは振るわなかったのでしょうか?
ホンダが得意とする多彩なシートアレンジや空間演出でターゲットとなる若者のカーライフを狙ったが振るわず
理由のひとつに、1.6L以下ぐらいの国産コンパクトSUVは「そもそも難しいジャンルだった」というのがあります。
国産の小型SUVというのは、安価な軽自動車や実用リッターカーともある程度は競合するため、どうしてもちょっと値が張ってしまう「SUV」の販売は少々分が悪かったのです。
近年は前出のホンダ ヴェゼルや日産ジュークなどのヒット作が出ていますが、昔は「鬼門」とも言われたジャンルでした。
それゆえ、クールなデザインが一部の好事家からは好評だったHR-Vですが、全体としての販売台数はやはり苦戦を余儀なくされた……ということです。
もうひとつの理由は、こう言ってはなんですが、HR-Vのベースとなった「ロゴ」という小型車のデキがそもそもあまり良くなかったから……というのも正直あるはずです。
販売不振だったロゴの反省に基づき、完全な新設計で生まれ変わった「フィット」は素晴らしい小型車でしたが、ロゴは、申し訳ないですが凡庸な小型車でした。
HR-Vのベースとなったホンダのロゴ(1996年-2001年)。シティ(日本国内向け)の後継車種として登場したが、こちらも一代限りとなった
そのロゴをベースにしたことが、というか、せざるを得なかったことが、デザイン的には傑作といえるHR-Vの不幸でした。
HR-Vの販売終了から7年が経過した2013年、デキの良いフィットをベースに作られたヴェゼルが登場し、ご存じのとおりの大ヒット作になりました。
そして日本ではヴェゼルと名乗っているあの小型SUVは、北米や欧州などでは「HR-V」という車名で販売され、人気を博しています。
元祖HR-Vはベース車のポテンシャル不足により1代限りで終わってしまいましたが、そのスピリットの一部は今もなお、地球のあちらこちらで躍動しているのかもしれません。
■ホンダHR-V 主要諸元
・全長×全幅×全高:3995mm×1695mm×1590mm
・ホイールベース:2360mm
・車重:1190kg
・エンジン:直列4気筒SOHC、1590cc
・最高出力:125ps/6700rpm
・最大トルク:14.7kgm/4900rpm
・燃費:13.6km/L(10・15モード)
・価格:162万8000円(1998年式JS4)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?