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自動車メーカーに「電動化」を丸投げする日本の政府に喝! デトロイトショーに見るアメリカの戦略との違いとは

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自動車メーカーに「電動化」を丸投げする日本の政府に喝! デトロイトショーに見るアメリカの戦略との違いとは

 この記事をまとめると

■北米のモーターショーであるデトロイトショー2022をリポート

新型マスタングの世界初公開で現地デトロイトはお祭り騒ぎ! 日本車でもこのぐらい愛されるクルマが欲しい

■今回は電気自動車に対するアメリカの戦略を考察

■日本も明確なビジョンを持って電動化戦略を進めるべきだ

 まずは商用車から電気自動車の普及を図る

 BEV(バッテリー電気自動車)の展示が目立っていたが、来場者だけでなく出展者自体もそこまでBEVにのめりこんでいるといった印象を受けなかった今回のデトロイトショー(北米国際自動車ショー)。ただ会場を見ていると、車両電動化についてひとつの方向性というものがなんとなく見えてきた。そのひとつの例がフォードンブースに展示されていた“Eトランジット”。トランジットはフォードのLCV(ライト・コマーシャル・ビークル)だが、そのトランジットをベースにしたBEVがEトランジットとなる。

 また、あるブースでは、すでに内燃機関で動く日本でいうところの宅配便が使っているような、宅配専用のデリバリーバンをシャシーごとコンバートしてBEV化するというものが展示してあった。また別のところではまるっきり新規のBEVとなるデリバリーバンのコンセプトモデルのようなものが展示してあった。台湾やインドネシアでは、路線バスなど公共交通機関から電動化していく政策をとっているようだが、アメリカでは各家庭に荷物を届けるような、デリバリーバンから電動化させようとしているように見える。地球環境に興味のある企業ならそのような動きはウエルカムで社用車として積極導入するだろうし、住宅街を走ることが多いのでイメージだけでなく、実際にクリーンな環境の実現にも効果がありそうだ。

 フォードがF-150ピックアップトラックをベースにしたBEVとなる“ライトニング”をラインアップしているが、遅れて業務用の“プロ”も追加となっている。シボレーも今回コンセプトカーレベルながら、シボレーブランドのピックアップトラック“シルバラード”の名を冠する、純電動ピックアップトラックを出品していた。フォードではコンパクトピックアップの“マーベリック”が登場以来よく売れているとのことだが、マーベリックが搭載する標準ユニットはフルハイブリッドとなっている。

 3年ぶりにアメリカを訪れると、デトロイトショーが行われたミシガン州では、冬が厳しい地域でもあるので、BEVは地元フォードのマッハEを見かけるのと、富裕層の間でテスラが乗られていることを除けば、日本とどっこいどっこいの普及ペースにも見えるが、政府主導なのかはともかく、日本でいうところの商用車でまず積極的に普及させていきたいといった印象を強く受けた。

 日本国内及び日本メーカーの車両電動化への取り組みがスローで世界的に出遅れているといわれて久しいが(欧州のようにエキセントリックに取り組めとはいわないが、世界のトレンドになっているのだからリーダーシップぐらいはとって欲しかった)、日本政府は日本国内でどのように車両電動化を進めていきたいのか絵図を描こうともせずに民間へ丸投げした結果、「あとでちゃぶ台返しされたらたまらない」と業界関係者を思わせているのも大きいように見える。

 アメリカでは民主党政権ということもあり、バイデン大統領が積極的に車両電動化について取り組んでいる。世界的に車両電動化というのは、世界戦略とともに官民一体になって進めるべきものである。日本もなんとなくレベルでいいので、「そうしたいんだね」と民間人を思わせるような政治の主導力を期待したいが、いまの政権では無理そうに見えてしまうのがなんとも残念だ。

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