29日にモデルチェンジしたフィット。今回の改良における主な変更点は、安全装備の充実をはじめ、内外装のデザイン変更、静粛性や乗り心地の向上、パワートレインの改良など。そこで生まれ変わったフィットを、ライバルの「トヨタ アクア」や「日産 ノート」と比べてみた。
■現時点ではステアリング制御を行う点でフィットが一歩リード
まず安全装備について、今回ホンダは運転支援装置を大幅に充実させた。従来のシティブレーキアクティブシステム(低速域衝突軽減ブレーキ+誤発進抑制機能)から「ホンダセンシング」へと進化させており、これにより新たに加わった機能は、ステアリング制御。緊急時にブレーキに加え、ステアリング操作の支援を行うことで、歩行者に衝突しそうになった場合の回避支援や、車線そのものからはみ出さないように注意を喚起する一歩進化したものへとグレードアップした。
ではライバルはどうかというと、現状アクアに装着されている「トヨタ セーフティ センス C」は、車線逸脱を警告する機能は付いているが、ステアリング制御には対応していない。ノートの方も歩行者の自動ブレーキは装備するものの、やはりステアリング制御機能は付かない。この点で言えば、フィットの運転支援装置は、ステアリング制御を行うという点でライバルに一歩リードしているということができる。
■パワーユニットの違いと燃費
今回のモデルチェンジでパワーユニットは大きくは変わっていないが、1.3リッター(アトキンソンサイクル)、1.5リッター(直噴)、ハイブリッドのそれぞれにきめ細かなチューニングを実施したとのこと。いずれも最高出力や最大トルクは変わっていないが、燃費は若干向上しており、1.3リッター(13G・Lホンダセンシング)が24.6km/L(FF/CVT)、1.5リッター(15XL・ホンダセンシング)は22.2km/L(FF)、ハイブリッド(ハイブリッド・Lホンダセンシング)は31.8km/L~37.2km/L(FF)を達成している。
ライバルと比べると、アクア(ハイブリッドのみ)の燃費は34.4km/L~38.0km/L、ノートのハイブリッド型電動駆動車のe-P0WERは34.0km/L~37.2km/Lとなっている。モデルごとに若干の差はあるが、中心的モデルの燃費は34.0km台で、いずれのモデルもスペックに見劣りしない数値を達成している。
価格を比べると、以下の通り(いずれも消費税込)。
・フィットハイブリッド:169万9920円~236万7360円
・アクア(ハイブリッド):178万5240円~208万9800円
・ノートe-POWER(ハイブリッド型電動駆動):177万2280円~224万4240円
このように見比べると、今回のフィットのマイナーチェンジの内容は、ライバルを強く意識したものであることがわかる。結果的に燃費や価格に大きな違いはなく、安全装備の機能の充実ぶりで一歩リードしているという状況だ。
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