F1は2017年にリバティ・メディアが新オーナーに就任して以来、アメリカでの存在感を拡大すべく、力を注いできた。彼らは将来的にアメリカ戦を更に増やすことも考えているようだが、フェルナンド・アロンソはこれに歓迎の姿勢を示している。
アメリカでのF1人気は、Netflix配信のドキュメンタリー番組『Formula1:Drive to Survive』の成功などで、以前よりも高まっていた。そしてF1は更にアメリカでの地位を向上していくため、アメリカでの2レース目の開催を計画し、2022年からマイアミGPが開催される運びとなった。
■アメリカF1人気、さらなる向上には「”米国人ドライバー”が必要」と元インディカードライバー
そしてリバティ・メディアはこれだけに留まらず、アメリカでのチャンスをさらに調査しており、ラスベガスやインディアナポリスが、アメリカでの3レース目の開催地として可能性の高い選択肢だと言及されている。
ラスベガスの場合には、著名な大通りの”ラスベガス・ストリップ”を含む、ストリートコースでのレースになることが考えられている。一方でインディアナポリスに関しては、オーナーのロジャー・ペンスキーがF1CEOのステファノ・ドメニカリと開催の可能性を探る話をしたことが分かっている。
同一国内での3レース目……実現すれば1国1グランプリという伝統的な姿からは大きく離れたモノとなるが、アロンソはアメリカでの3レース目開催の可能性を支持している。
「そうだね、僕としては問題は無いように思える」
マイアミでのイベントに出席したアロンソは、motorsport.comにそう語った。
「アメリカは恐らく、このスポーツを任されているリバティにとって、今の最大のターゲットだ」
「ラスベガスでやるとか、インディアナポリスでやるとか、別の場所でさらにやるという噂があるけど、一歩ずつ見ていこう。まずは来年、初開催のマイアミGPを良いイベントにすることだ」
「ここに来ることができてとてもワクワクしている。来年のベストレースのひとつになるだろう。新規開催で、新しく行く街だ。F1コミュニティの多くの人々が、マイアミを初めて認識することになると思う」
F1チーム側からも、アメリカでの3レース目開催の可能性に対しては、賛同する声がある。
アストンマーチンのオットマー・サフナウアー代表は、アメリカ市場には依然として拡大の余地があると考えているため、F1がカレンダーを拡大して行く中で、3レース目の開催を目指していることにも理解を示した。
「ここアメリカでの3レース目を加えた場合でも、アメリカの市場は十分に大きく、飽和していないというのが、私の見解だ」と、サフナウアー代表は言う。
「NASCARが40レースなどを開催していても、皆が楽しんでいることは知っている。F1はグローバルスポーツではあるが、アメリカのような国でグランプリを3回開催することは、非常に価値あることだと思う。需要があると思う」
またサフナウアーはその理由のひとつとして、『Formula1:Drive to Survive』が新たな視聴者を生み、F1が新規ファンを獲得するためのストーリーラインとエンターテインメント性を備えているスポーツだと示せたことを挙げている。
「私は(1982年から1988年にかけてF1が開催されていた)デトロイト近郊に住んでいた時、80年代初頭からのF1ファンだ」
「アメリカ時間で開催されるレースが増えたこと、そしてNetflixの番組が人気を博したことで、モータースポーツファンだけでなく、より多くの視聴者が増えたんだと思っている」
「我々のスポーツは面白く魅力的だ。一度その味を知ってもらい、理解してもらえば、アメリカでのF1視聴者数は、格段に伸びると思う。私の経験では、家庭でF1を見ているとき、父親がコレが好きだと言えば、子供も好きになり始め、芋づる式に(ファンが)増えていくんだ」
「我々がその勢いを得ることができれば、(アメリカ国内での)成長は非常に早いものになると思う。今はマイアミが加わり、更にアメリカでのレースが増加した。この先更に追加されるかは、今は分からないがね」
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