この記事をまとめると
■ヒョンデは韓国の自動車ブランド
ヒョンデ13年ぶりの上陸は日本車の脅威となるか? 導入された2台を国産ライバルとガチ比較してみた
■一度日本から撤退したが、再上陸を果たした
■ヒョンデの日本での状況について解説する
日本再上陸のきっかけは「CASE」
EV業界に衝撃をもたらした、韓国のヒョンデ。
2022年2月8日、オンラインで開催した記者会見で、実店舗では販売せずネット販売に特化した日本再上陸を発表したからだ。
その衝撃的な事業戦略ついては、自動車メディアのみならず、経済系メディアなどでも大きく取り上げられたことで、多くの人の記憶に新しいことだろう。
ヒョンデ(当時はヒュンダイ)は2009年まで、日本全国で独自の販売網を使い、セダンを中心にさまざまなモデルを販売していたが、撤退していた。
その理由に関して、ヒョンデによれば「日本のユーザーの声をしっかりと把握することができていなかった」と、撤退した当時の経営方針に対する反省の弁を述べている。
そうした過去の失敗を払拭するために、今回の日本再上陸については綿密な事業戦略を描いてきたという。
そもそも、なぜこのタイミングでの日本再上陸となったのか?
やはり、きっかけはCASEである。CASEとは、通信によるコネクティビティ、自動運転、シェアリングなどの新サービス、そして電動化を意味する。
なかでも電動化については、欧州連合(EU)の執務機関であるEC(欧州委員会)が強力に推し進めている欧州グリーンディール戦略によって、欧州でのEVシフトが急激に進んでいるところだ。
ヒョンデの狙いは「ライフスタイルの変化の提案」
ヒョンデは欧州市場でもグローバルモデルを戦略に導入してきており、その中で欧州向けEVの開発も強化している。
また、ヒョンデにとって販売台数では重要市場だといえる、アメリカや中国でも、それぞれの国策によって状況は違うとはいえ、EVシフトが進んでおり、ヒョンデとしても対応策を急いでいる。
こうしたグローバルでのEVシフトのなかで、日本市場のEVシフトのスピードや、未だに緩やかだと言わざるを得ない。
そのうえで、ヒョンデは日本市場において、単なるEVシフトとか、またCASE全体に関する技術的な競争という観点で、日本メーカーや欧州ブランド、さらにはEV先駆者のテスラと真正面から勝負を挑もうとはしていない。
時代変化のきっかけとしては、確かにCASEであり、EVシフトであるのだが、ヒョンデの狙いは「ライフスタイルの変化の提案」にある。
そのため、ヒョンデとしては、IONIQ5を中核とした新しいブランド価値を日本に徐々に浸透させることを重要視している。
具体的には、JR原宿駅前に期間限定の体験型ショップを設けたり、今後は横浜にリアル体験ができる施設の運用が始まる。
ネット上での販売はすでに始まっているが、現時点で詳細データは公表されていない。ただし、DeNAのカーシェアであるエニカを通じて、IONIQ5に関心のある多くのユーザー、または自動車業界関係者らがヒョンデの商品力とブランド力を体感しており、そうしたアーリーアダプターから、ヒョンデブランドの世界観が徐々に広まり始める可能性は十分にある。
ヒョンデが日本市場でどのように受け入れられるのか? その動向を精査するには、もう少し時間が必要だと思う。
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走る棺桶に乗るのには勇気がいるし、恥ずかしい。
A:いいえ。