フォーミュラカーの「E」と「1」の違いとは
日本ではまだ開催されていない電気自動車レースのフォーミュラE選手権。今シーズンは例年のように、昨年末に開幕し10数戦をこなして7月に最終戦となるスケジュールで、初開催から6年目のシーズンだ。
電子制御からEVシステムまで、20年で劇的進化を遂げたクルマの技術とは
7年目の2020-2021年シーズンは、FIAにより世界選手権となる。電気自動車レース界のF1と言われるように、見てくれはまさにF1のようで、気にならざるを得ないレースマシンだが、違いは何なのだろう? まずは、モーターレーシングの最高峰がF1(Formula One)であることを頭に入れて、両者を比べてみたい。
参加門戸を広げるF1より低めの予算設定
F1がレース界の最高峰イベントであるのは、資金のかかり方が圧倒的だからである。メルセデスやフェラーリ、レッドブルなどのトップチームの年間予算は、ざっと400億~500億円と言われる。他のレースカテゴリーに比べて、車両規則の制限が緩く、テクノロジーの粋を尽くして開発できるから金がかかる。作家の村上 龍さんが、マクラーレン・ホンダが活躍していた1989年にイギリスGPをコーナーで見物して一言、“金がかかってる音がする” 。さすがの名言だ。
対するFormula E(FE)は、F1に比べると、テクノロジー開発の予算を制限していることもあって、F1に比べるとだいぶおとなしい。これは、いうまでもなく参加者の幅を広げるためだが、その効果の現れとして、2014年のこけら落とし大会であった北京から、盛り上がりを見せている。
往年の名ドラーバーA・プロスト、M・アンドレッティも関わっているヨーロッパ、アメリカチームを始めとし日本、中国、インドのチームも加わり10数チームが参戦を続けている。アウディ、BMW、ルノーや、昨年からはメーカーとして日産も参戦を始めている。
イベントのスポンサーとして、ミシュラン、タグホイヤー、BMW、サウディア航空、ボッシュ、ヒューゴBOSS、ハイネケン、モエ・シャンドンなど、名だたるグローバル企業がサポートに名乗りを挙げていることも特筆しておくべきだ。ちなみに、FEのEはElectricのE、要するに電気自動車のフォーミュラカー、未来的という意味では、ある意味野蛮なF1より将来性を感じさせるのかもしれない。
市街地レースのみにして”速さ”を演出
現状でのマシンポテンシャルでいえば、F1の圧勝だが、FEはさまざまな工夫で、スピードを“演出”している。
例えば、FEのレース会場は、すべて市街地。周辺にホテルなどのファシリティが充実している場所で行なわれ、参加も見物も手軽。F1は自分のチームのマシンを制作して参戦することが義務づけられているが、FEは、主催者がマシンを用意して各国に運び、チームは現場でマシンを受け取って闘う。
コースは、よくみると幅が狭いが、これは観る立場からの視点で、スピード感を増すため。狭いと走りの難易度は当然高くなるが、リスクを高くして闘いのレベルを上げる工夫の現れだ。
現在は主催者から与えれらるマシンを使うが、こちらも進化して現在は第二世代になっている。
また競技においては、コース途中に、バッテリーをチャージできるポイントがあり、そこを通過すると、一定量のバッテリーチャージができるが、ちょっと意地悪な場所にあるポイントを通過しなければならず、これもひとつの見どころになっている。
独自なものとしては、観客の投票によって、レース中にマシン戦闘力を高めるバッテリーの使用制限が緩められるシステムもあるなど、観客参加型レースのような新しいものがある。
いろいろと創意工夫が盛り込まれているレースだが、モーターやバッテリーのポテンシャルを高め、最終的には各チームがF1のようにコンストラクターとして、ゼロからマシンを用意して闘う形にすることになっている。その途上でもあるので、これからの進展が楽しみなレースである。
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みんなのコメント
市街地コースで狭いから一台止まったらそのまま渋滞で動けないまま数10分過ぎてしまったりとかアマチュア主催の興行のようなバカバカしさがあり時間の無駄だ
F1もクソつまらないのだか
これはよりつまらない(笑)