Viva V12!2023年6月、創業60周年に合わせてランボルギーニが闘牛を放った、その名も「Lamborghini Revuelto(ランボルギーニ レヴエルト)」電動化されたフラッグシップは1015馬力、最高速度は350km/h以上!
6.5リッター自然吸気V12、3つの電気モーター、システム出力1015馬力、そしてランボルギーニならではのデザイン: それが、レヴエルトだ。今回V12サウンドはデモ動画でしか聴けなかったが、コックピットをじっくりと見ることができた。
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発表会ではデザイン担当のミィティア・ボルケルト氏、プロダクト担当のマッテオ・オルテンツィそして、お馴染みのダビデ・スフレコラ氏からのプレゼンテーションが行われ、レヴエルトがランボルギーニにとっても特別なものであることが説明された。
ランボルギーニのフラッグシップという意味では、アヴェンタドールの後継と言えるが、単純な後継とは言い難い。ランボルギーニの新しいフラッグシップと言うべきではないだろうか。なぜなら、レヴエルト今後リリースされるランボの全ては電動化されるのだから。それくらいランボルギーニの電動化のインパクトが大きいということだ。因みに次は、2024年に発表されるであろうウラカンに代わるモデルだ。
新型「レヴエルト」は、純電動走行も可能なプラグインハイブリッド車だが、実質的にはエコカーとは無関係だ。ランボルギーニは「PHEV」ではなく「HPEV(High Performance Electric Vehicle)」と呼んでいるのだ!
【最も重要な情報とデータ一覧】 ● レヴエルトは、スペインの闘牛にちなんで名づけられた ● プラグインハイブリッド車(PHEV) ● バッテリー容量: 3.8kWh ● 電気駆動も可能 ● システム最高出力: 1015PS ● 0-100km/h加速: 2.5秒 ● 最高速度: 350km/h以上 ● V12自然吸気+電動モーター3基搭載 ● 6.5リッターV12は825馬力を発揮し、最高回転数は9,500rpmに達する ● 8速デュアルクラッチトランスミッション(V12フラッグシップとしては初) ● オールホイールステアリング ● より広い室内空間 ● 4つのロータリーコントロールを備えた新しいステアリングホイール ● 3つのディスプレイ ● 4種類の走行モード+3レベルのハイブリッド設定 ● 基本価格: 50万ユーロ(約7,250万円)前後 ● 最初の2年間に生産されるレヴエルトはすでに完売 ● V12自然吸気エンジン+3基の電動モーター
システム出力1015馬力
6.5リッターの新型エンジンL545は、ランボルギーニがこれまで生産してきたV12の中で最も軽く、最もパワフルなものだ。218kgと、「アヴェンタドール」のエンジンより17kgも軽量だ。同時に出力も780馬力、720Nm(アヴェンタドール ウルティマエ)から、825馬力、725Nmに向上し、リッターあたり128馬力に相当する。レブリミットは9,500rpmに高められ、よりエモーショナルなサウンドを実現している。そこに各110kWの2基の電動モーターがフロントアクスルに搭載され、システム出力1015馬力という破格の数値を実現した。さらに、約30パーセントのパワーアップを実現しながら、約30パーセントの排出ガス削減を達成したことも、印象的な数値だ。
「アヴェンタドール」と比べてV12が180度回転しているのは、トランスミッションをエンジンの後ろに横置きにしているためだ。ランボルギーニが過去に2回だけ採用したレイアウトで、「ミウラ」と「エッセンツァSCV12レーシングカー」に採用されていた。
新しい8速デュアルクラッチトランスミッション
ランボルギーニは、トランスミッションにも新開発を選択した。ISRの7速ギアボックスの代わりに、レヴエルトでは8速デュアルクラッチを搭載した。e-DCTトランスミッションユニットの重量は193kgで、トランスミッションの上に置かれ、V12のスターターとバッテリーの発電機として機能するもうひとつの電動モーターが含まれている。このバッテリーは、シート間の旧トランスミッショントンネルに搭載され、3.8kWhの容量を提供する。
この新しいフラッグシップは、「Città(City)」モードで、純粋に電気で走ることができるようになっている。これは主に電動フロントアクスルが担っているが、必要に応じてリアの電気モーターも後輪に電力を供給できるため、電気モードでは全輪駆動も可能である。重量配分は44/56パーセントと良好なものだ。
モノコックはモノフセレージと呼ばれている
新しいクルマ、新しいシャーシ: ランボルギーニは、「レヴエルト」の航空宇宙からインスピレーションを得たモノコックを「モノフセレージ」と命名した。ここでも、大きな努力がなされている。カーボン製造施設は、「レヴエルト」のために近代化され、9900平方メートルから16200平方メートルに拡大された。シャーシの重量はわずか188kg(マイナス10パーセント)、ねじれ剛性はアヴェンタドールより25パーセント以上高いとされている。
もうひとつの技術的なハイライトは、フロントのクラッシュボックスも初めてカーボンで作られていることだ。「アヴェンタドール」では、まだアルミニウムの構造に頼っていた。今は鍛造コンポジットが使われている。重量的な利点に加え、この新しい構造は以前の2倍の力を吸収することができるようになっている。
シャーシの後部は、依然としてアルミニウム製だ。しかし、「レヴエルト」では「アヴェンタドール」のプッシュロッドサスペンションがマルチリンクサスペンションになっている。
ランボにしかできないこの姿
カーボンモノコックの上に、デザインチーフ、ミィティア・ボルケルト率いるチームが描いたのは、ランボルギーニならではのボディだ。一目で見て、ランボルギーニ、レヴエルトだとわかるようにデザインしたと強調していた。
極端にワイドなフロントエンドは、主にY字型のライトユニットによって、63台しか製造されなかった「シアン」を彷彿とさせる。デイタイムランニングライトのシグネチャーは可能な限りシャープにデザインされ、とにかく決して狭くはない「レヴエルト」をさらにワイドに引っ張る。
一見するとわからないが、「レヴエルト」はすべてのサイズで大きくなっている。「アヴェンタドール」よりも長く、広く、そして高くなったのだ。さらに、イタリア人はダウンフォースを大幅に向上させることに成功した。魔法の言葉、それは「アクティブエアロダイナミクス」だ。
もちろんシザースドアだ
我々はレヴエルトのコックピットをじっくりと見せてもらうことができた。まず驚くのはエントランスで、「アヴェンタドール」に比べてシンプルなデザインになっている。もちろん、ドアはV12搭載モデルのトレードマークであるシザースドアだ。
インテリアはモダンだ。12.3インチのデジタル計器のディスプレイはシンプルになっている。センターコンソールの縦型8.4インチディスプレイは、新しいHMIの一部となっている。
そして、コンテンツは1つのスクリーンからもう1つのスクリーンにスワイプするだけで表示されるようになった。真新しいのは、助手席用の9.1インチディスプレイだ。マラネロは明らかにこれをコピーしているのではないだろうか。
1.85mを超える人向けにも
身長1.85メートルを超える人でも、「レヴエルト」にはゆったりと座ることができるようになっていて、「アヴェンタドール」に比較して、ヘッドルームが26mm、レッグルームが84mm拡大されている。
ラゲッジスペース
ちなみに、ラゲッジスペースには2個のトランクが入ることになっている。さらに、収納スペースも増え、必要であればシートの後ろに荷物を収納することも可能となっている。充電用プラグの差込口もここだ。
4つのダイヤルを備えたステアリングホイール
レーシングカー「エッセンツァSCV12」にインスパイアされ、タッチパネルを一切排除した新しいステアリングホイールには、触覚的に美しい4つのロータリースイッチを備えている。これらは、「ドライビングモード」、「リフト」、「ハイブリッド」、「スポイラー」の設定に使用することができるようになっている。「レヴエルト」では、4つのドライビングモード(Città、Strada、Sport、Corsa)と3つのハイブリッド設定があり、合計13種類の組み合わせが可能となっている。
最高速度350km/h以上
0-100km/h加速は2.5秒、最高速度は350km/h以上、レーストラックでは「アヴェンタドールSVJ」よりも速いというのだから、これは期待できそうだ。
これまで述べてきた技術的なハイライトに加え、全輪操舵(最大3度)、ブレンボ社との共同開発によるブレーキシステム(フロントアクスルに10ピストンキャリパーと410ミリディスクを装備)も搭載されている。
タイヤはブリヂストンがレヴエルト専用に「POTENZA SPORT」を開発した。タイヤ空気圧ゼロでも80km/hで80kmまで走行できるランフラットタイヤである。また、冬タイヤは、これまた専用設計の「ブリザック」が用意されている。
レヴエルトは2025年まで完売している
「レヴエルト」は「アヴェンタドールSVJ」よりも高くなると言われているが、すでに2024年と2025年の分は完売していおり、最初の顧客車両は、2023年の最終四半期に納車される予定で生産は進んでいるとされる。キャパシティがフルに活用され次第、1日あたり7台の「レヴエルト」が製造される予定だ。
この時代に9500rpmで回転する6.5リッターV12を搭載することは、ランボルギーニにしかできないことだ!ちなみに、この新しいV12トップモデルは、工場の最も古い部分で生産される予定だ。「ミウラ」や「カウンタック」が手作業で製造された場所だ。そういう意味では、V12万歳だ!
Text&Photo:アウトビルトジャパン
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みんなのコメント
ランボルギーニ本社側でもオプション選択に制限をかける可能性があるらしく、レギュラーボディカラー以外の色を選んだり、カーボン内外装に拘ると2,3年の納期が掛かる可能性もあるとか。購入権を得たユーザーのウニカは注文中のステータスになってますね。