ごく初期の頃は「チューニング屋さんたちの祭典」だった東京オートサロンだが、近年は国内大手自動車メーカー多数もごく普通に、というかむしろ積極的に参戦している。
だが正直、東京オートサロンと大手自動車メーカーとの相性は決して「最高」ではないと、個人的には感じている。
というのも、来場経験がある人はご存じのとおり、東京オートサロンには「出展者ははっちゃけてナンボ!」的な空気が根底にあるからだ。
見て思わず絶句するか、あるいは笑ってしまうような「攻めてるカスタマイズ」であればあるほど、来場者や同業者からリスペクトされるという空気である。
だがそれは、大手自動車メーカーが苦手とする分野のひとつだ。
もちろん大手自動車メーカーだってその気になりさえすれば、いくらでもはっちゃけたカスタムカーは作れるだろう。だが「コンプライアンス」だとか「マーケティング」だとかが、それをなかなか許さないのである。
であるがために、東京オートサロンにおける大手自動車メーカーの展示内容は「お上品な(言うなれば中途半端な)純正カスタムカーの展示」や「新型車のお披露目」「モータースポーツ活動の体制発表」「懐かしのラリーカー展示」あたりにとどまる場合が多い。
無論、それはそれでぜんぜん悪くない展示内容ではある。だが、自由に弾けきっている一般業者ブースの圧倒的なまでの熱量と比べてしまうと、「規模的には当然メーカーが勝ってるわけだけど、内容としては果たしてどちらの勝ちなんだろうねえ」などと、ややシニカルなことも考えてしまうのだ。
それゆえ今回の東京オートサロン2019においても、筆者は大手自動車メーカー各社のブースは「あー、なるほどそうですか」ぐらいのノリで、失礼ながら軽めにしか拝見しなかった(どうしてもじっくり拝見する気になれなかったのです)。
だが、思わず足を止めて「なんだこりゃ!」という感じでじっくり見入ってしまったのが、ダイハツブースだ。
もちろんダイハツだって大手自動車メーカーであることに変わりはないため、町のチューニング屋さんと同じような弾け方をしているわけではない。だが、明らかに他の大手自動車メーカーブースとは異なるはっちゃけた空気が、今年のダイハツブースには漂っているのだ。
その「空気」なるものが何なのかは、右にある筆者撮影の下手くそな写真では伝わりづらいと思う。そして筆者自身が「それ」をまだ明確に言語化できないでいる。
あの「初音ミク」とコラボしてるから?
それだけではなく、「赤ちゃんが乗ってます」ならぬ「ミクが乗ってます」というふ
ざけたステッカー(←ホメてます)をブースで売ってるから?
ミラ トコットのスポーツバージョンがかなり笑えるんだけど、笑いながらも「……意外とカッコいいかも」と思えるから?
それらはすべてある程度正解なのだろうが、それらだけが理由のすべてだとも思えない。
わからないが、とにかく筆者としては今後のダイハツに期待してみたいと強く感じており、そしてこれをお読みの各位にも、「この週末はちょいと幕張でダイハツのブースを覗いてみてくださいよ」と、お願いしたいのだ。
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伊達軍曹(だて ぐんそう):自動車コラムニスト
外資系消費財メーカー勤務を経て自動車メディア業界に転身。「IMPORTカーセンサー」編集デスクなどを歴任後、独自の着眼点から自動車にまつわるあれこれを論じる異色コラムニストとして、大手メディア多数で活動中。
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