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波乱のブランズハッチで富田組2勝目。ファントール&ウィーツがスプリントカップ連覇決める/GTWCヨーロッパ

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波乱のブランズハッチで富田組2勝目。ファントール&ウィーツがスプリントカップ連覇決める/GTWCヨーロッパ

 ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第7戦が8月28~29日、イギリス・ブランズハッチで行われた。同シリーズのスプリントカップ第4戦として開催され、日曜にふたつの決勝レースが実施された今大会は、両レースとも波乱の展開となりレース1では、チームWRTの32号車アウディR8 LMS(シャルル・ウィーツ/ドリス・ファントール組)が繰り上がりで優勝。レース2は最終ラップに首位に立ったメルセデスAMG・チーム・トックポーツWRTの6号車メルセデスAMG GT3(ルカ・ストルツ/マーロ・エンゲル組)が逆転勝利を収めている。

 昨年は新型コロナウイルスの影響で大会がキャンセルされたため2019年以来、2年ぶりにGTワールドチャレンジ・スプリントカップのイベントが開催されることになったブランズハッチ。ファンの入場も許可されたこの週末は、土曜にレース1とレース2に向けたふたつの予選、日曜に2レースを行うフォーマットが採用された。

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 その予選1回目ではベン・バーニコート駆る38号車マクラーレン720S GT3(JOTA)がベストタイムを刻むも、他車のアタックを妨害したとして2グリッド降格ペナルティが下る。このため予選2番手タイムを記録した88号車メルセデスAMG GT3(アッカASP)が繰り上がりでポールポジションを獲得した。

 一方、予選2回目では同じく88号車メルセデスを駆るラファエル・マルチェッロがベストタイムをマーク。6号車メルセデスを0.091秒差で抑えてレース2のポールポジションを手にしている。

 迎えた29日(日)のレース1は現地10時ちょうどにスタートが切られた。直後、3番手スタートとなった38号車マクラーレンが2番手の32号車アウディを交わして2番手に順位を上げると、勢いそのままに88号車メルセデスをもパスして首位に浮上する。

 バーニコートがドライブするマクラーレンはその後もハイペースで貯金を稼ぎ、レース中盤のピット・ウインドウ・オープンまでに15秒以上の大量リードを築く。しかし、後半スティント担当のオリバー・ウィルキンソンのペースが上がらず、レース終盤にはマルチェッロ駆る88号車メルセデスに接近を許してしまう。

 レース残り5分、38号車を射程に捉えた88号車が周回遅れが絡んだタイミングでオーバーテイクを仕掛けるが、3台のマシンが接触するアクシデントに発展した。これによってマクラーレンが姿勢を崩してコースアウト。スポンジバリアとガードレールに激突した後、コース外へと飛び出す大クラッシュとなった。

 幸いウィルキンソンは無事だったが、レース最終盤はセーフティカー先導のなかでのフィニッシュとなり88号車がトップチェッカーを受けた。しかしレース後、アッカASPのメルセデスには事故の責任があるとして、ストップ・アンド・ゴーペナルティ相当の40秒加算ペナルティが科されることになり同車は17位へ降格。代わって2番手でフィニッシュした32号車アウディが優勝を果たした。

 2位は6号車メルセデス、3位にはシルバーカップエントリーの14号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo(エミル・フレイ・レーシング)が入ったが、後者はピット作業違反があったためレース後に30秒加算ペナルティを受けることに。これにより富田竜一郎/フランク・バード組が総合3位に繰り上がり、今季2度目のシルバーカップクラス優勝を果たしている。

■トップチェッカーまであと半周で起こった悲劇

 現地15時45分にスタートが切られたレース2。午前中のレースとは一転、こちらはレース開始直後から各所で接触やオーバーシュートが散見され、オープニングラップからフルコースイエロー(FCY)が出される展開となる。

 そんななかポールポジションからレースを開始した88号車メルセデスはスタートから首位をキープし続ける。ピットイン後のレース後半も2番手につける6号車メルセデスと、3番手32号車アウディに接近を許しながらもトップの座を守り続ける同車が、そのままトップチェッカーを受けるものと思われた。

 しかし、レースは最後まで何が起こるかわからない。ファイナルラップに入った88号車が突如スローダウン。右フロントタイヤにトラブルが発生し、ペースを保てなくなったのだ。これを尻目に6号車メルセデスがトップを奪いフィニッシュラインへ。同じく順位を上げた32号車アウディが2位フィニッシュを決め、ウィーツ/ファントール組が最終戦を待たずにスプリントカップ連覇を決めてみせた。

 3位にはアッカASPの姉妹車89号車メルセデスAMG GT3が入り、勝利まであと一歩届かなった88号車は、総合5位/シルバーカップ2位となった富田組31号車アウディに次ぐ6位でレースを終えている。

「最後の1ラウンドを残してチャンピオンになれるなんて、本当に信じられない!」と語るのは、チームWRTのファントール。

「チーム、シャルル、エンジニアのウィム、そしてメカニックの皆が素晴らしい仕事をしてくれた。もちろん、つねに戦えるクルマを提供してくれたアウディにも感謝している」

「2度の準優勝、そして2年連続のチャンピオンというのは、まさに信じられないことだ」

 ファントールとともに連覇を確定させたウィーツは「本当にうれしい! 今年は素晴らしいシーズンで、安定してポイントを獲得することができた」とタイトル獲得の勝因を述べた。

「これで次のバレンシア(スプリントカップ最終戦)では純粋にレースを楽しむことができるし、いつものようにベストを尽くすことができるよ」

 そのバレンシア以前にはファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第8戦(エンデュランスカップ第4戦)が控えており、同ラウンドは今週末の9月3~5日にドイツ、ニュルブルクリンクで開催される予定だ。

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