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5年後、都市部高速がETC専用に! 利用率9割超えで全国ETC専用化へ 日本の交通は何が変わるのか

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5年後、都市部高速がETC専用に! 利用率9割超えで全国ETC専用化へ 日本の交通は何が変わるのか

■ついに全国ETC専用化のロードマップを公表へ

 国土交通省と高速道路会社6社は、料金所のキッシュレス化やタッチレス化を計画的に推進するための、ETC専用化などに向けたロードマップの策定を2020年12月17日に公表しました。
 
 今後、都市部では5年、地方部では10年で各路線をETC専用化していく計画であることが明かされましたが、ユーザーにはどのような影響があるのでしょうか。

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 今回のロードマップは、2020年9月25日に発表された社会資本整備審議会国土幹線道路部会の「持続可能な国土幹線道路システムの構築に向けた取組」の中間まとめにおいて、導入手順や概成目標時期を明示したことによるものです。

 実際に、ETC専用化の話が話題となったのは、さらにさかのぼること 2020年7月2日に国土交通省が全国の高速道路の料金所をETC専用とする方向で検討することを明らかにしたことから始まります。

 当初、ETC専用化の検討に至った背景について、国土交通省は「料金所職員が新型コロナウイルスに感染したなどの理由があり、感染症対策として職員との接触をなくす必要がある」と判断したためとしていました。

 その後、前述のように検討が進められた結果、ロードマップにおいてETC専用化の導入目的は、前述の「感染症リスクの軽減」や「有人方式からETC専用にすることでの混雑時の緩和」、「各種支払にける利用者の利便性向上」といったものが挙げられています。

 ETC専用化によるメリット・デメリットについて、国土交通省道路局高速道路課の担当者は、次のように話します。

「メリットとしては、新型コロナウイルス対策の観点でいえば、非接触型にすることで感染拡大の防止が見込める点です。

 また、長期的な観点では支払い方式をETCに統一することで柔軟な料金設定が可能となります。

 さらに、ETCカードによって駐車場やドライブスルーなどさまざまな支払い手段に利用できるというのもメリットです。

 一方で、デメリットならびに課題としては、ETCを持ってない人に対してどういった対応をするかという点です。

 解決案としては、クレジットカードのいらない『パーソナルカード』をより使いやすく改善したり、車載器を購入しやすくするなどが挙げられています」

 さらに、近年のETC利用率が9割を超えているという社会情勢の変化を踏まえつつ、ETC専用化などによる料金所のキャッシュレス化・タッチレス化を推進するとしています。

 また、導入時期については、都市部(首都圏・中京圏・近畿圏)では5年後となる2025年を目処、そのほかの地方部では10年後となる2030年を目処に各高速道路会社の実情に応じて推進していく予定です。

 ETC専用化の普及にあたっては、ETC利用率や非ETC車の交通量・近隣ICでの代替性などを考慮して、一部料金所で試行的に開始し、運用状況などを踏まえながら、順次拡大していくといいます。

■ETCカードを持っていない人や非ETC車にはどのような対応となる?

 現時点での非ETC車に対する運用イメージは、導入時から当面の間は、「ETC+料金精算機」、「ETC+後日支払い(免許証かナンバープレートによる確認)」となります。

 またETC専用化となれば、ETC未導入のユーザーはETCカードを新たに作る必要や、ETC車載器の設置が求められます。

 こうした状況に対しては、車載器助成やETCパーソナルカードのデポジットの下限の引き下げ等によるETCの利用環境の改善や、非ETC車の料金徴収コスト差を踏まえた非ETC車の利用者負担などが引き続き検討されるようです。
 ETCパーソナルカードとは、クレジットカード契約をしない利用者があらかじめ一定のデポジットを預託することにより利用できる、高速道路会社6社が共同して発行するETCカードです。

 あらかじめ支払ったデポジットの8割分の走行が可能で、通行料金は、金融機関口座から、1か月単位で引き落としされます。

 今後の見直しの方向性について、現在はデポジットの下限金額が2万円で利用頻額が80%でしたが、見直し案では下限額を3000円に引き下げたうえで、利用頻額をデポジット分100%とするものです。

 見直し時期としては、2023年以降としています。

※ ※ ※

 2001年から全国でETC運用が始まり、約20年が経過します。今後、円滑な交通社会や利用者の利便性向上のためにも、ETC専用化に大きな期待が掛かります。

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みんなのコメント

43件
  • 今の時代ETCなんて独占技術使わなくてもどうとでもなりそうなのにな…
    システム改修に莫大な費用と時間かかっても将来的なこと考えたらシステム変えた方がいいだろうけど
    特定の団体のためにやらないんだろうね
  • ETCを義務化したいというならば、ETCのセットアップ費用4000円近くが、天下り団体に流れるような非合法な仕組みを改善させて、膿を徹底的に出す事から始めないと、ドライバーは納得できないよ。
    全てこみこみでも車乗り換えるたびに1.5万もETC設置料金取られるんだから、シャレにならん。コストダウンを図らず、それを強引に推し進めるなんて、どんだけ行政の横暴なんだろう?と思うが。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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