2020年のKYOJO CUP supported by MUSSE PLATINUMの第1戦が富士スピードウェイで行なわれ、悪天候でレース途中に赤旗中断となるなど波乱の展開のなかで、翁長実希(KeePer VITA)が今季の初戦を制した。
元レーシングドライバーの関谷正徳氏が立ち上げた日本唯一の女性ドライバーのみのシリーズであるKYOJO CUP。今季から大会の冠スポンサーにミュゼプラチナムが就任したほか、昨年まで全日本F3選手権を戦っていた三浦愛(#38 LHG Racing YLT)が参戦するなど、注目を集めるシーズンとなっている。
■「こころとからだに輝きを」ミュゼプラチナムがKYOJO CUPの冠スポンサーに就任
しかし、新型コロナウイルスの影響で約2ヵ月遅れで開幕となった。さらに感染防止対策のため無観客で行なわれたほか、関係者への入場ゲートでの検温実施や、表彰式にはマスクを着用するなど徹底した対策を講じた。
この日は朝から目まぐるしく天候が変わる1日だったが、予選はドライコンディションの中で行なわれ三浦が2番手以下に0.5秒以上の差をつけてポールポジションを獲得した。
決勝レースもドライコンディションで始まったのだが、スタート直後に大粒の雨が降り出し大混乱となった。この中で速さをみせたのが翁長。ADVANコーナーでトップに立つと、急激に路面コンディションが変わっていく中で安定した走りを見せ、後続を大きく引き離した。しかし雨脚は強くなる一方で3周目にセーフティカーが出動し5周目に赤旗が出された。天候回復を待ちレースは約25分中断。雨が上がったところでセーフティカー先導でレースが再開されるも、各所でコースオフやスピンを喫するマシンが発生するなど大荒れのレース展開となった。
そんな中、翁長は安定した走りを維持し、最終的に2番手以下に7.2秒の大差をつけて優勝。昨年の第2戦以来、通算2勝目を飾った。
プレスリリースで翁長はこのようにレースを振り返った。
「スタートから雨が降り始めて、かなり慎重に走ることを意識しました。今回は少しセッティングを変えて予選に臨んでみたんですが、それがうまくいかなかったので、決勝ではそこを改善して良いクルマで決勝を戦うことができました。今年は“全戦全勝”を目標にしているので、しっかり有言実行できるように頑張りたいです。勢いのあるところが私の良いところではあるんですけど、きっとそれだけでは今後勝てなくなってくると思うので、慎重に(色々なことを)考えて走ることを最近は心がけています。次の鈴鹿は私がレースデビューをしたコースでもあります。すごく難しくてレベルが高いコースですが、今回のように慎重にいくところ、攻めていくところをしっかり分けて戦っていきたいです」
2位にはRINA ITO(#712 恒志堂レーシングVITA 712)が入りKYOJO CUP自己最上位を獲得。3位は三浦が入った。ポールポジションから好スタートを決めた三浦だったが、1周目のダンロップコーナーで猪爪杏奈(#86 Dr.DRY VITA)と接触しスピン。最後尾まで後退したものの怒涛の追い上げをみせ、最後は0.044秒差で3位に浮上する挽回劇を披露した。
次回は7月25日~26日に第2戦が予定されており、シリーズ史上初めて鈴鹿サーキットで開催されることになっている。
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