ひと昔前は選択肢が比較的多かった国内外のオープンスポーツ。だが、現在新車で買えるのは数えるほどと寂しいかぎり。しかも、世界広しといえども手頃なモデルが買えるのは日本車くらい。だったら、買うしかないでしょ!
文/FK、写真/ダイハツ、トヨタ、BMW Group Japan、マツダ
ロードスター買うなら今って言いきれるワケって!? 買わないと後悔必至のオープンカー4選
ファーストカーとしても十分に機能するダイハツ コペン、アンタはエラい!
新骨格構造「D-Frame」や内外装着脱構造「DRESS-FORMATION」の採用で感動の走行性能と自分らしさを表現できるクルマを実現したコペン。写真の電動式開閉ルーフもコペンを象徴するメカニズムのひとつだ
世界で唯一の軽オープンスポーツカーであるコペン。そのデビューは2002年6月で、“ACTIVE TOP COMPACTOPEN”をコンセプトに誰もが気軽に楽しめる本格的オープンスポーツカーとして登場した。
初代コペンはFFレイアウトの強みを活かしたキャビンフォワードに低重心かつ力強いティアドロップシェイプシルエットが見た目を引き締め、新開発のターボチャージャーを採用したツインカムエンジン、専用サスペンション、軽量高剛性ボディの融合でクラスを超えた高い運動性能を発揮。
それ以上に驚きだったのは軽自動車初の油圧機構による電動開閉式ルーフ“アクティブトップ”の採用だった。
コックピットにいながら、20秒足らずでルーフが開閉するスピーディさと、スイッチひとつで開閉できる簡単操作はコペンの大きな魅力のひとつであり、そのシステムは現行モデルにもしっかりと継承されている。
2014年に行われたフルモデルチェンジでは、高剛性を誇る新骨格構造“D-Frame”の採用で高い走行性能はさらに昇華。
また、ラインナップ展開もユニークでCero、Robe、XPLAY、GR SPORTという4つの異なるスタイルから選べることも個性のひとつとなった。
加えて、外板を13個の樹脂パーツの集合体ととらえることで外板の着せ替えを可能としたDRESS-FORMATIONも、クルマ購入後のデザイン変更は難しいという概念を覆す画期的なシステムとして話題を呼んだ。
しかも、コペンは軽自動車のオープンスポーツでありながらルーフクローズ時はゴルフバッグ1個と旅行鞄が、オープン時でもハンドバッグなどが入るトランクもあり、日常使いのクルマとしての素養も十分!
それでいて車両本体価格は188万8700円~と、リーズナブルなだけに、まさにいまのうちに買っておきた一台であることは間違いない。
フルモデルチェンジしてからでは遅い! “買うならいま”のマツダ ロードスター
ロードスターRFでは、流れるような美しい開閉動作と約13秒という世界最短のルーフ開閉時間を実現
2000年5月に2人乗り小型オープンスポーツカー生産累計世界一(53万1890台)のギネス記録を樹立するなど、全世界で愛されているロードスター。
魅力的なスタイリングと操る楽しさを提供して日本の技術水準の高さを世界に示したことが評価され、日本自動車殿堂 歴史遺産車に選定された初代、フルオープン2シーターライトウェイトスポーツカーの魅力をさらに高めた2代目、初代と2代目の特徴を継承しつつモダンでより洗練されたエクステリアや軽量コンパクトな2.0リッター MZRエンジンを採用した3代目と着実に進化を遂げてきた。
そして、2015年4月にはマツダのスカイアクティブ技術とデザインテーマの魂動を採用した新世代商品第6弾として現行の4代目が登場。
その4代目で特筆すべきポイントとなったのは、軽量化とダウンサイジングではないだろうか。
クルマを楽しむ感覚をかつてないほど気持ち良いものにするべく、4代目ではアルミや高張力鋼板、超高張力鋼板の使用比率を71%に高めるとともに剛性を確保しながら軽量な構造を追求し、先代比100kg以上の軽量化を達成。
全長も先代から105mm短くなり、低く短いフロントオーバーハングと人を中心に配置したコンパクトなキャビンが織りなす美しいプロポーションを実現した。
新開発のエンジン(SKYACTIV-G 1.5)も排気量が先代から0.5リッター縮小されたものの、それを補って余りある加速感と全回転域でドライバーの意図に応じる気持ち良いスポーツサウンドを提供した。
そんな4代目は現在に至るまで毎年のように商品改良を繰り返すとともに、魅力的な特別仕様車も多数登場。デビューから8年が経過した4代目なだけにフルモデルチェンジの噂も絶えないが、その進化はまだ止まりそうにない。
お財布に余裕があるのならレクサスのLC500コンバーチブルも視野に入れてみては?
ルーフを開いても閉じていても美しいシルエットを目指しつつ、LC独自の世界観もコンバーチブルで実現したLC500コンバーチブル
新車で買える国産オープンスポーツはコペンとロードスターだけではない。そう、国産オープンスポーツ最後の一台は日本が世界に誇るレクサスのLC500コンバーチブルだ。
新世代レクサスの幕開けを象徴するフラッグシップクーペとして2017年3月に登場したLCは当初、5.0リッター V型8気筒エンジン搭載のLC500と世界初のマルチステージハイブリッドシステム(3.5リッター V型6気筒エンジン)を採用したLC500hの2グレード展開だったが、2020年6月に行われたLC500/LC500hの一部改良の際にコンバーチブルを新たに設定。
豊田章男氏の「エレガントさに加えてLC独自の本能を刺激するような走りを育てていく」という想いのもとに、コンバーチブルモデルならではの存在感や人の感性に訴える走行性能/エンジンサウンドを実現。
さらに、LCシリーズの統一感を保ちながら専用パッケージングによってソフトトップルーフの軽快感や開放感、リアのダイナミックな印象など、その個性がいっそう引き立つエクステリアが見る者を圧倒した。
また、5.0リッター V8エンジンとDirect Shift-10ATの組み合わせは伸び感のあるリニアな加速を提供するだけでなく、その官能的なサウンドを堪能できるように吸気音をキャビン内に共鳴させるサウンドジェネレーターや、より迫力のある排気音を演出する外装バルブを採用。
ルーフオープン時の気持ち良いサウンドづくりもしっかりと行われている。
他にも枚挙に暇がないほどの装備・機能が充実しているLC500コンバーチブルではあるが、車両本体価格は1550万円と庶民には高嶺の花でしかない。
先述のコペンが188万8700円~、ロードスターが268万9500円~であることを考えると、LC500コンバーチブルが放つレクサスの世界観を体感できるのはごく一部の人なのかも!?
ミニのコンバーチブルはお高い輸入車オープンスポーツのなかでは比較的手頃―番外編―
電動ソフトトップを開けても閉めてもミニならではのエクステリアデザインを演出するコンバーチブルは、2016年4月にデビュー
新車で買えるオープンスポーツの選択肢が少ないのは、なにも国産車に限ったことではない。
お金に糸目をつけないというのであればフェラーリを筆頭に、ポルシェ、メルセデス・ベンツ、BMWといったビッグネームのスーパーカーを選べばいいが、お手頃な価格で楽しめるモデルという条件において輸入車オープンスポーツの選択肢は皆無に等しい。
そんな状況にあって426万円~と、比較的リーズナブルな車両本体価格で販売されているのが、ミニのコンバーチブルだ。
第3世代のミニが国内デビューした2014年4月から遅れること約2年後の2016年3月にリリースされたコンバーチブルはミニの3ドアをベースに、コンパクトでありながら大人4名の乗車を可能としフルオープンによる爽快なドライビングを提供。
また、時速30kmまでであれば走行中の開閉が可能な電動ソフトトップを標準装備し、突然の降雨に見舞われても車両を停止させることなく開閉できるのもストロングポイントとなっている。
いっぽう、走りのほうも可変バルブ制御システム、ダイレクトインジェクション、ターボチャージャーを組み合わせたMINIツインパワーターボテクノロジーの採用でスムーズかつ力強い走りと低燃費を両立。
リアにマルチリンク式を採用したサスペンションもまたミニの伝統的な走りの特徴といえるゴーカートフィーリングを生み出し、オープンモデル特有の爽快感と相まってドライバーに高揚感を与えている。
ラゲッジスペースもソフトトップを閉じた状態で215リッター、開けた状態でも160リッターの大容量を確保。
リアシートも50:50分割可倒式で長尺物の積載が可能で、使い勝手の良さがクローズドボディと変わらないことも魅力のひとつといえるだろう。
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みんなのコメント
私の通勤専用として5ナンバーの2ドアか3ドアを探していましたが、
今の日本車にはコペン以外には軽トラ位しかないんですね。
XPLAYですけどSEX PLAYは無理でした。