■ミラーを交換するだけなら自分でできるかも?
ちょっとしたアクシデントや狭い道などでクルマを障害物に当ててしまい、ドアミラーが割れたり、電動の調整機能や格納がダメになってしまうことがあります。
そんなときは、修理または交換するわけですが、これまではディーラーや修理工場に依頼するのが一般的でした。
【画像】「えっ…!」スゴイ! これが画期的な「ドアミラー」です! 画像を見る
しかし近年は、ネットオークションなどで中古品が手軽に入手できるようになり、自分で取り付けようと考える人もいるようです。
果たして、ドアミラーは自分で直せるものなのでしょうか。
神奈川県のH整備士は、ミラー鏡面の部分だけであればDIYで比較的かんたんに交換できると言います。
「ヒーターや各種センサーが内蔵されていないタイプであれば、ミラー部分の交換は意外に作業しやすくできています。
ドアミラーをスイッチで左右どちらでも構いませんので目一杯動かすとスペースができます。そこにヘラのような形状の『内張はがし』と呼ばれる工具を用いて外します。
ミラー本体はサイドにある爪で引っかかっているだけですので、力を入れ過ぎて爪が割れたり落下させないように、ゆっくり力を入れて外すのがコツです」
ただし、電動格納ボタンを押してもウンウン唸るだけで動かなくなってしまった状態は内部のモーターやギア、配線などにトラブルを抱えている可能性が高いので、プロに修理を依頼するか本体ごと交換する必要があるそうです。
では、ミラーの部分だけでなく、本体ごと交換する場合もDIYで可能なのでしょうか。
「ドアミラーには交換しやすいタイプとしにくいタイプが存在します。Aピラーのすぐ根本、ドアフレームの前方に三角形のような形で装着されているタイプはDIYでも交換できるでしょう。
しかし、ドア本体からミラーが生えているように取り付けられている場合は、配線処理などが非常に難しいと言われています。そういった場合はプロに相談してください」
また、以前のドアミラーは比較的交換が容易で、社外品のミラーを装着するのが流行した時代もありました。
しかし現在のドアミラーは、電動調整だけでなく格納もできるタイプが多く、さらにはヒーターが内蔵されていたり、安全運転支援システムのひとつ「後側方車両検知警報」機能などと連動した警告灯も内蔵され、一部分だけの修復が難しくなっています。
「ドアミラーを修理または交換する場合、最近のクルマはドアの内張りまで外す必要があります。
力任せに外そうとすると内張りも破損してしまう恐れがありますし、電源を完全にOFFにしておかないと、CPUにエラーコードが記録され『キャリブレーション(初期化)』が必要になるケースも考えられます。
さらに部品の装着だけでなく配線処理も重要になりますし、慣れた整備士でも大変なので、DIYでは難しいかもしれません」
※ ※ ※
最近はメーカーによる交換パーツの在庫期間が短くなっているので、年式によっては純正ドアミラー自体の入手が難しくなっているのだそうです。
パーツの確保が難しいのなら、いっそのことレクサス「ES」の「デジタルアウターミラー」のように、ドアミラーをカメラで代用することはできないのでしょうか。
H整備士いわく、技術的には可能だけれど、映像を映すモニターを新たに増設する必要があるなど本体以外のパーツも必要ですし、そもそも現時点では社外品が販売されていないといいます。
ドアミラーのカメラ化でパーツ不足を解決できるかと思いきや、実現する可能性はかなり低そうです。
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