アルファがアウディQ2サイズのEV投入へ
text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)
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translation:Taro Ueno(上野太朗)
アルファ・ロメオは、初のEV投入を2022年めどに目指している。
新規投入されるEVは、アルファ・ロメオが抱えるSUV群のなかでもっともコンパクトなモデルとなる。たとえばアウディQ2が近い。
2019年12月にFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)とPSAグループが対等合併の覚書を交わしたことでEV開発が加速するとの見方もある。
なお既報のとおり、アルファ・ロメオは、2021年前半の投入を目指してミドルサイズSUV「トナーレ」を開発中。こちらはPHEV(プラグインハイブリッド)になる。
年間40万台目標 2台のSUVがキー
振り返ると、2018年にアルファ・ロメオは8Cの後継車とGTV(ジュリアのクーペ版)の計画を明かしている。
しかし、それ以降、ラインナップ拡充に大きな動きはない。そのうえ、いまやベテランモデルとなったジュリエッタは、本国では2020年後半に終売となることが明らかになっている。
そうなれば、アルファ・ロメオジュリアとステルヴィオの2台体制となる。2021年にトナーレ、2022年にEVの小型SUVがくわわれば4台体制が完成するというわけだ。
年間40万台の目標も夢ではない。
外観はどうなるのだろうか?
小型EV 外観に個性が与えられる
アルファ・ロメオのスポークスマンはこう言う。
「サイズ違いのSUVを作る際、『たんなるサイズ違いのコピー』にするつもりはありません」
「それぞれのセグメントには、それぞれのパーソナリティがあると考えているのです。年齢や期待される内容が、まったく異なりますからね」
PSAのプラットフォーム使用が有力
アルファ・ロメオ・トナーレは、同じグループのジープ・レネゲードのハードウェアを使用する。
いっぽうで、EVの小型SUVは、PSAグループのeCMPを下敷きにすることが有力。プジョー208、2008、DS 3クロスバック、ヴォグゾール・コルサが使用しているものだ。
たとえばプジョーe2008は、1つのモーターが前輪を駆動する。138psと19.6kg-mを発揮。50kWhのバッテリーは、WLTPサイクルで309kmの航続を可能にしている。
あくまでこれが参考値にすぎないのは、短期間にEVテクノロジーが進化しているからではない。アルファ・ロメオは、パフォーマンスを重んじるブランドだからだ。
アルファ・ロメオのスポークスマンは「ジュリアとステルヴィオの投入で、引き続き、われわれがスポーティなクルマを得意とするブランドであると知っていただけたと思います」という。
「それだけではなく、快適にスポーツドライビングを楽しめることが認知できれば、より広い層にアプローチできると考えています」とも。
ここで素朴な疑問をもった。エモーショナルであることを重視するアルファ・ロメオは、クルマから排気音が消えることをどう考えているのだろう。
排気音がないのに、アルファと言える?
アルファ・ロメオのスポークスマンは続ける。
「EVを投入するうえで、Bセグメントがベストだと考えています」
「使い勝手が優れているうえ、満足いただける航続距離を実現しやすいからです」
「わたしたちが小型EVを投入するときには、インフラの強化が進んでいることも願っています」
「いま、これまでにない勢いでマーケットが変化しています。それぞれのマニュファクチャラーがさまざまな努力をしています。なかにはよい例と、そしてうまくいかない例を目にしています」
「課題に対応し、そして前進していくために、正しい道を選ぶチャンスともいえます」
EVが「排気音」を人工的に作るトレンドについても言及した
「『排気音』を作るというのは、あまりポジティブではありません。どうしたってそれは『偽物』だからです」
「アルファ・ロメオに『フェイク=偽物』という感覚は似合わないと思います」
「EVのアドバンテージの1つに、静かであるということがありますね。それを活かしつつ、ドライバーの感情を揺さぶるには、『排気音』風の音を作るのではなく、モーター音を活かすことができないかと考えればいいでしょう」
「たとえば、アグレッシブモードを用いるとかね」
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