トヨタは2023年9月6日、センチュリーに新モデルを追加し、同日より注文受け付けを開始した。発売は2023年中を予定している。価格は2500万円で、販売店舗はセンチュリーを熟知したセールス・エンジニアの各「センチュリーマイスター」が在籍する一部のトヨタ車両販売店となる。なお、センチュリー(セダン)も継続販売する。
トヨタの最上級ショーファーカーとして1967年に誕生したセンチュリー。「今までにない新しい日本の高級車」を作ることを目指し、「日本の伝統的な美」を取り入れた品格のあるデザインと、圧倒的な静粛性・快適性を実現する「人中心」の思想を設計コンセプトに、日本の技術の粋を注ぎ込み開発された。初代モデルは30年の長きにわたり生産され、その思想を受け継ぐ2代目も20年間販売。2018年に3代目へバトンを繋ぎ今に至る。
最新センチュリーはSUVスタイルへ
そんななか、近年では移動時間をより有効活用し、車内での休憩やオンライン会議に参加するなどショーファーカーのニーズも多様化している。そうした状況を踏まえ開発されたセンチュリーの新モデルは5ドアハッチバックのSUVスタイルを採用。
水平・垂直を基調に堂々とした品格のあるボディデザインは、リヤに重心のあるショーファーカーならではのプロポーションに、よどみなくおおらかなドア平面を几帳面(面処理の技法)でくくった織機の「杼(ひ)」をモチーフとした造形を組み合わせ、時代に左右されないセンチュリー独自の世界観を表現。
職人による精緻な彫刻が「鳳凰エンブレム」や、ボディを徹底的に磨き上げた「鏡面磨き」など、ものづくりを極めた匠の仕上げもセダンモデルを踏襲する。
ヘッドライトとテールランプはそれぞれ奥行きのある4つのランプをひとつにまとめ、威厳に満ちたまなざしを表現する。
至極の移動空間を実現するインテリア
インテリアについては、「人中心」の思想で設計された、快適な移動を実現する室内空間としている。
具体的には後席にはリフレッシュ機能付きのフルリクライニングシートを採用。リヤドアは最大75°開き、段差の少ない掃き出しフロアで優れた乗降性を実現。さらに乗降時に便利なオート電動格納式ステップやセンターピラーの大型アシストグリップが、自然で美しい乗降所作をサポートする。
一方、前席はプロのドライバーをサポートする機能と装備を集約し使い勝手に優れるコックピットに仕立てている。ドライバーズカーとして運転に集中できる環境も実現している。
パワートレーンはパワフルなPHEV+4WD+4WS
パワートレーンは、3.5L V6プラグインハイブリッドシステムを新開発。センチュリーにふさわしい静粛性と力強く爽快な走りを両立する。
日常ではBEV、長距離の移動やいざというときにはHEVとして活躍する、ショーファーカーのニーズに最適なパワートレーンとして採用した。また、モーターとエンジンによる力強く爽快な加速性能を備えるので、ショーファーカーはもちろんドライバーズカーとして運転を楽しめる走行性能も確保している。
また、四輪操舵システム「ダイナミック リヤステアリング」も設定。低速域では取りまわし性に優れ、中高速域ではシームレスで自然なハンドリングを実現する。
走行モードには「REAR COMFORT」モードを初設定。後席の乗員が気付かないくらいスムーズな車線変更を実現するほか、停車時の揺り戻しを抑えるブレーキ制御を支援するなど、ドライバーの運転操作をサポートし、後席の乗員の快適な移動を実現する。
新開発のボディ構造を採用
ボディ構造はセンチュリーにふさわしい乗り心地の実現を目指した「ラゲージルームセパレート構造」を新開発。フロント各部の構造強化に加え、リヤサスペンションの取り付け部に「ラゲージルームセパレーター骨格」を結合することで、ボディのねじり剛性や乗り心地を大幅に向上させた。
ラゲージルームセパレーターの室内側には「遮音機能付きクリア合わせガラス」を採用し、荷室と切り離された静粛性に優れる居住空間を実現する。
世界で一台を作り上げるカスタムプランもスタンバイ
センチュリーの販売については、センチュリーマイスターが在籍する一部のトヨタ車両販売店が担当する。購入にあたり販売店の担当マイスターが購入希望者とていねいにコミュニケーションを重ねて、希望に添った車両を提案する。
ボディカラーや内装などは好みに合わせたカスタマイズが可能で、ものづくりの匠が技術の粋を込めた世界で一台のセンチュリーを作り上げるプランも用意する予定としている。
ボディカラーは匠による鏡面仕上げ7色のボディカラー(オプション含む)を用意。インテリアカラーは上質なしつらえの3色から選べる。
なお、センチュリー 新モデルは今後、グローバルで展開していく予定で、ユーザーの要望に合わせたフルオーダーシステムを導入、より多くのユーザーに「Freedom in motion ―究極の移動の自由―」を届けていくという。
このほか、発表会場でも示された後席スライドドア搭載のGRモデルや、スクリーンに映し出されていたオープンモデルも含めて、センチュリー新モデルの発展性が期待できるアナウンスもされている。今後もセンチュリー新モデルから目が離せない!?
■センチュリー新モデルの価格
〈4WD・3.5L V6エンジン+モーター(プラグインハイブリッド)・電気式無段変速機〉
センチュリー新モデル…2500万円
■主要諸元[ ]内はセダンモデル
全長:5205[5335]mm
全幅:1990[1930]mm
全高:1805[1505]mm
ホイールベース:2950[3090]mm
前後席間距離:1220[1135]mm
車両重量:2570[2370]kg
乗車定員:4[5]人
〈文=ドライバーWeb編集部〉
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