そろそろスタッドレスタイヤに交換しようかと考える季節になってきました。先日、東北地方のタイヤ販売店でのスタッドレスタイヤ交換の予約がいっぱいに、というニュースが流れていました。
さて、今保管しているスタッドレスタイヤを買い換えようか、まだ履き続けるか、その判断基準はどうなのかと思っている人も多いのではないでしょうか?
保管していたスタッドレスタイヤにヒビが入っていた まだ使える? 使えない判断基準はどこ? オールシーズンタイヤとの違いとは?
またスタッドレスタイヤではなく、オールシーズンタイヤに履き替える人も多くなってきましたが、コスパを考えるとどうなのでしょうか?
今回は、スタッドレスタイヤにまつわる最新情報をお届けしましょう。
文/高根英幸
写真/ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(トップ画像=kelly marken@Adobe Stock)
■地域やクルマの利用状況によっては夏タイヤで越冬も可能!?
溝の中の段差になった部分(指で差し示した場所)が「プラットフォーム」。ここが表面に露出してくる頃がスタッドレスタイヤとしての寿命だ
そろそろクルマも人も本格的な冬支度が必要となる時期だ。12月に入れば気温はグッと下がってくるし、年が明ければさらに寒さは増してくる。
といっても関東以西に在住であって、日常の足として使われている程度であれば、クルマのメンテナンスフリー化と気候変動も相まって、それほど冬支度の必要性はない。
それでも本格的な冬になる前にスタッドレスタイヤに履き替えているクルマも見かける。こうした準備万端なオーナーは、それはそれで良いことであるが、すべてのドライバーに必要な準備とは言えないのだ。
スタッドレスタイヤなどの冬タイヤが本領を発揮するのは、外気温が摂氏0度以下の状態だ。
首都圏では最低気温がマイナスになることは少なく、ましてやその時間帯には出掛けないのであれば、スタッドレスタイヤは必要ない場合もある。さらに寒冷地へ出掛けないのであれば、夏タイヤで過ごすことも十分に可能なのだ。
スタッドレスタイヤを持っていても使わなければ、古くなっていくだけなのでもったいない。ゴムは使用していても、保管したままでも(保管状況によっては走行しているより劣化が進む)劣化が進んでいくからだ。
直射日光や高温多湿、エアコン室外機が発するオゾンなどを避けることで、なるべく劣化を抑えることはできるが、それでも国産スタッドレスタイヤでは平均すると5年程度が安心して使える目安だといえるだろう。
プラットフォームと呼ばれる残り溝が50%になった際にトレッド表面に現われるサインが出るまでは冬用タイヤとして使い、50%以下となったらそのまま夏まで使用して使い切って廃棄するのが、スタッドレスタイヤの正しい使い方だ。
タイヤ表面に細かなヒビ割れが生じてきたら、スタッドレスタイヤはそろそろ交換時期と考えよう。
夏タイヤでも5年程度でトレッド面の溝部分などに細かなヒビ割れが生じてくることもあるが、性能低下はそれほど大きくはない。しかしスタッドレスはアイスバーンなどではテキメンにグリップ力が低下してくるからだ。
ゴムの劣化は、硬度計を使って硬化具合をみることでも判断できる。タイヤ専門店などでは、ゴム硬度計を使って残り溝以外にも劣化具合を判断してくれるので、相談してみるといい。
しかし、実際にはほとんど減っていないのに、ゴムが硬化して使えなくなってしまうと、さらに新品に交換するのは無駄なのではと思ってしまうことだろう。
それでも突然の降雪が心配、というのであればオールシーズンタイヤを利用することも検討してみることだ。オールシーズンタイヤとは文字通り1年を通じて使える、夏タイヤと冬タイヤの機能を併せ持ったタイヤだ。
タイヤ自体の価格はスタッドレスタイヤのほうが安いが、オールシーズンタイヤの場合は夏タイヤと合わせた2本分のコストを吸収できることを考えれば、スタッドレスタイヤよりも経済的なのである。
■スタッドレスでも旧モデルを選ぶとお得
国内のタイヤメーカーの場合、新作発売後も旧作を値下げして併売することもある。スタッドレスタイヤへの交換の際には値下げした旧作も狙い目だ(goodluz@Adobe Stock)
価格ドットコムでのスタッドレスタイヤの売れ筋ランキングを見ると、17インチ以上のタイヤではブリヂストンのブリザックの人気が圧倒的に高い。
これはスタッドレスタイヤでは価格ではなく、まず安心感を優先しているというユーザーの意識が見てとれる。自動車保険と同様(といっても保険の内容によって事故を起こしにくくなるわけではないが)、タイヤは走行時の安全を担保するためのものでもあるから、品質重視で選んでいるユーザーが多いのだ。
またスタッドレスタイヤの場合、数年ごとに新型モデルへとアップデートを果たしているがその反面、国産メーカーは金型の償却が進んだ旧モデルも価格を引き下げて併売している。常に最新の性能にこだわらないのであれば、こうした旧モデルを選ぶことで出費を抑えることができる。
例えば155/65R14サイズの場合、ブリヂストンの最新モデルBLIZZAK(ブリザック) VRX3では1本9680円。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B09CLCVD7R/ref=ox_sc_act_title_1?smid=A1DZMX6FVMCNXD&psc=179
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B081B4RBN6/ref=ox_sc_act_title_1?smid=A37F5AS21AUSNR&th=1
だが、旧モデルのBLIZZAK VRX2となると4本セットで2万4579円。という安さ!1本あたり3500円も安いのである。
これがオールシーズンタイヤとなると、ダンロップのALL SEASON MAXXでは1万1250円となるが、これだけで夏タイヤも不要になるので、圧倒的に安いことになる。しかも、1年を通じて使い続けるので3年4年で摩耗も進んで、キチンと消費しながら劣化していくので無駄が少ないのだ。
セダンやミニバンに多い215/45R17サイズでは横浜ゴムのアイスガードで比べてみよう。最新モデルのiceGUARD 7は見当たらなかったので、先代モデルとなるiceGUARD 6ならば2万1871円とまずまずのプライス。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B075CB5ZZN/ref=ox_sc_act_title_1?smid=AN1VRQENFRJN5&psc=1
しかしオールシーズンタイヤを選ぶと、GOODYEAR(グッドイヤー)オールシーズンタイヤVector 4Seasons Hybridなら1本1万9951円だ。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01J50NQY2/ref=ox_sc_act_title_1?smid=AN1VRQENFRJN5&th=1
SUVに多い225/65R17サイズでは横浜ゴムのiceGUARD SUVが1本1万6800円だが、オールシーズンタイヤではミシュランのCROSSCLIMATE 2 SUVなら2万1221円。スタッドレスにプラス5000円で夏タイヤまで手に入ってしまうという見方もできるのだ。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0B8M8F4TC/ref=ox_sc_act_title_1?smid=AN1VRQENFRJN5&psc=1
タイヤ本体の価格だけでなく保管やタイヤ交換の手間やコストを考えれば、オールシーズンタイヤのほうが経済性においては圧倒的に有利だ。
もちろん氷雪路での走破性やアイスバーンでのグリップ力はスタッドレスタイヤのほうが高いが、オールシーズンタイヤでも走行不能になるようなことはない。十分に注意して、速度を落として走れば大抵の雪道は走破できる。
燃料の節約だけでなく、廃タイヤを減らすこともCO2削減には貢献できる。無駄を省くことで節約にもなるのだから、タイヤも最新トレンドをチェックする習慣をつけてほしい。
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みんなのコメント
コイツは凍結路さえ、チェーンも面倒だと嘯き使わない。
スタッドレスタイヤと亀甲鉄チンの必要性や有効性を説いて警告したが、聞く耳持たずなんで事故って泣き付いてきても全力で無視する予定。
ゴムは生物だから製造後5年経てば初期性能は発揮出来ない
プラットフォームが現れたスタッドレスタイヤを夏タイヤで使うのは別に正しい使い方でも何でもない
燃費悪化グリップ力不足制動距離増大など良い事一つもないが使いたければ自己責任でどうぞぐらいのレベル