スポーティな電動SUV 空力性能向上
チェコの自動車メーカーであるスコダは、昨年発売したEV「エンヤクiV(Enyaq iV)」のクーペモデルを公開した。
【画像】スコダ・エンヤクiVクーペってどんなクルマ?【標準のエンヤクiVと写真で比較】 全77枚
今年後半に欧州で発売予定のエンヤクiVクーペは、既存のエンヤクiVをベースにしたクーペSUVで、同じフォルクスワーゲン・グループのMEBプラットフォームを使用している。
全長は4mm長く、全高は6mm高くなっており、デザイン上の主な違いはBピラーから後方に向かって鋭く傾斜したルーフラインだ。これによりラゲッジ容量は585Lから570Lに減少したが、空気抵抗の抗力係数を示すCd値は0.234となり、航続距離をわずかに伸ばしている。
標準のエンヤクiVには2種類のバッテリーが用意されているが、クーペには77kWhの大型バッテリーのみが用意される。10%から80%まで29分で急速充電可能だ。
スポーツかつエレガント クーペ専用デザイン
エントリーモデルは、リアモーター1基(最高出力204ps)を搭載し、航続距離は545kmとされている。また、ツインモーターを搭載した全輪駆動モデルも用意され、最高出力は265psとなる。
スコダ・エンヤクiVクーペは5月に欧州で発売され、8月に納車を開始する予定である。また、スコダのEVとしては初めて、高性能モデルの「vRS」も設定される(後述)。
インテリアは、エンヤクiVと同様に13.0インチのタッチスクリーンと5.3インチのデジタルコックピットを備えているが、クーペ独自のデザインタッチや2種類の「デザイン・セレクション」が導入されている。また、オプションとして、2種類の専用カラー(フェニックス・オレンジとグラファイト・グレー)を選択可能だ。
スコダのトーマス・シェーファーCEOは、新モデルについて「スコダのiVファミリーにさらなるエモーション、スポーツスタイル、エレガンスをもたらす」とし、「エモーションと効率を完璧に融合し、エレガントなボディでもスコダらしい余裕のある空間を提供する」と述べた。
価格はまだ明らかにされていないが、82kWhバッテリー搭載のエンヤクiVが3万9465ポンド(約610万円)から販売されていることから、これより若干高く設定される可能性がある。
全輪駆動299psのフラッグシップモデル
エンヤクiVクーペには、スコダのEVモデルとして初めて、高性能モデルの「vRS」が設定される。
エンヤクvRSは、フォルクスワーゲンID.5 GTXと同様に、2基の電気モーター(前後に1基ずつ)を搭載して、299psと46kg-mを発揮し、0-100km/h加速6.5秒、最高速度179km/h(標準のクーペは159km/h)となっている。
バッテリーは77kWhと変わらず、航続距離はまだ公開されていないが、同じクーペSUVであるID.5 GTXは1回の充電で476kmを走行できる。
サスペンションはフロント15mm、リア10mmローダウンされる。このセッティングは、「スポーツライン」モデルにも採用されている。ボディカラーには、新色のハイパー・グリーンをオプションで用意。
LED内臓の「光るグリル」も標準装備
vRSのエクステリアとしては、20インチホイール(オプションで21インチ)、グロスブラックの専用グリルとリアディフューザー、「vRS」バッジを装着。また、131個のLEDで光る「クリスタル・フェイス」グリルと、フルワイドのリア・リフレクターを標準装備している点も特徴だ。
インテリアでは、vRS専用のデザイン・セレクション・パッケージを設定することができ、グレーのパイピングとコントラストステッチを施したブラックのパーフォレーテッド・レザーシート、レザー調ダッシュボード、カーボン調トリムエレメント、vRSのロゴが付いたスポーツシートなどが付属する。3ゾーンのクライメート・コントロールシステムも標準装備。
その他、5.3インチのデジタル・ディスプレイと13インチのセンタータッチスクリーンは標準と同じ。クーペの全モデル共通の装備として、減速時のエネルギー回生レベルの調整パドルが付いた2本スポークのマルチファンクション・ステアリングホイールが採用されている。
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