全天候型のドライバーズ・ワゴンを具現化
現行型のアウディRS6 アバントの開発期間に、アウディ・スポーツ部門には小さくない変化があったのではないかと想像する。何らかの、決定的なマインドの進展が生じたのではないだろうか。
高速ステーションワゴンへ求められるものに対し、より明確に理解が進んだように思う。全天候型のドライバーズ・ワゴンとして、オシの強いスタイリングや、圧倒的な動的特性が徹底的に追求され、具現化されている。
大きな荷室が叶える利便性や、ブランドの特徴といえる車載テクノロジーは、RS6 アバントにとって欠かせない。だが、実用的なステーションワゴンらしい雰囲気は、強くは望まれていなかった。ワイルドで突き抜けた特長が必要だった。
4代目となる、C8型のRS6 アバントが登場したのは2019年。大きく膨らんだブリスターフェンダーや低く構えたスタンス、好戦的なフロントグリル、威圧的なリアデュフューザー、大径でシャープなホイールに至るまで、そんな姿勢が表現されていた。
しかし、モデル末期が近づいている。この魅力を最後まで維持すべく、パワートレインへ更なるチューニングが施された。圧倒的に速いという強みを、一層引き上げるために。
4.0L V8ツインターボエンジンの最高出力が増強されただけではない。放たれるサウンドも、より聴き応えのあるものになった。アルミホイールは軽くなり、装備が充実され、特別感を強めている。
防音材の一部を省略 車内に響く本物のノイズ
果たして、パワーの上昇率はそこまで大きくはない。公道で明確な違いが現れるほどではないだろう。新しいターボチャージャーによって30psが追加され、最高出力は630psを得ている。
最大トルクは、86.5kg-mに達した。V8エンジンは、従来より僅かに意欲的に回転するようにもなった。とはいえ車重が2100kgもあるため、体感できる変化は限定的ではある。そもそも、RS6 アバントは桁外れに速かった。
ただしそこには、アグレッシブなサウンドが必要だった。実際の性能には、大きな影響がないとしても。
間違いなく、RS6 アバント・パフォーマンスの音響的な違いには気付けると思う。エンジン音と排気音を調和させ、車内で鑑賞できるよう、キャビンに装備されていた防音材の一部が取り除かれている。
V8エンジンがレブリミットめがけて吹け上がろうとすれば、本物のノイズが響いてくる。従来のRS6と比較して、ボリューム自体は増えていない。しかし人工的なサウンドが抑えられ、より耳に心地良くなった。歓迎したい変化だ。
また英国では、ベースグレードのRS6 アバントが選択肢から落とされたため、サスペンションやステアリングのオプションが簡素化されている。四輪操舵システムと、トルクベクタリング・リアデフが標準装備になっている。もちろん、四輪駆動のクワトロだ。
アウディではトップクラスのステアフィール
左右の前後を斜めにリンクさせ制御する、コイルスプリングとアダプティブダンパーの組み合わせとなるDRC(ダイナミック・ライド・コントロール)スポーツ・サスペンションは、従来どおりオプション。標準サスには、エアスプリングが組まれる。
カーボンセラミック・ブレーキも追加費用が必要。22インチの鍛造ホイールと、コンチネンタル・スポーツコンタクト7という高性能タイヤも、オプション設定のアイテムだ。
鍛造ホイールとカーボンセラミック・ブレーキを組み合わせることで、バネ下重量を軽くできる。サスペンションに掛かる負荷を、軽減させられる。
一般道でDRCを引き締めると、姿勢制御が明確にタイトに変わる。挙動を掴みやすくなるのと同時に、傷んだ路面でも我慢を強いるほど乗り心地が硬くなることはない。
ドライブモードには、独自にパワートレインやサスペンションの特性を選択できる、RS1とRS2のモードがある。しなやかなサスペンションの設定で登録すれば、より優れた快適性を享受することも可能だ。
ステアリングホイールへ伝わる情報量は、現代の高性能なアウディのなかではトップクラス。クワトロが叶えるグリップとトラクションが相乗し、線形的で驚異的な動的能力を披露する。
ワイルドで強い個性を備えた高速ワゴン
試乗車には組まれていた、軽量なホイールとハイグリップなコンチネンタル・タイヤのおかげで、アクティブ・リアデフも効果的に働いている。コーナーの頂点付近でパワーを加えると、一層滑らかで引き込まれるように回頭していく。
アクセルペダルの加減で、コーナリング時の姿勢を調整することも自在。家族5人で移動できる大きなステーションワゴンでありながら、バランスは秀抜といえる。
例えるなら車重が2tある、日産GT-Rやポルシェ911ターボのステーションワゴンといった様相。サスペンションもステアリングも質感に優れ、高次元のまとまりにある。
RS6 アバント・パフォーマンスで攻め込んでいくと、従来にはなかったシャープなキャラクターも見えてくる。フィルタリングされていない生々しい感覚が、一層濃厚になったようだ。
13万ポンド(約2275万円)の高級ワゴンとして、望ましい変化ではないかもしれない。だが、RS6なら歓迎できる。
高められた能力へ比例するように、英国価格も引き上げられた。それでも、アウディが生み出してきた歴代の高速ステーションワゴンのなかで、最もワイルドな個性を備えた1台に据えられる。
お値段はスーパーカー並みかもしれない。しかし、迷わず選びたくなる訴求力があることは間違いないだろう。
アウディRS6 アバント・パフォーマンス・カーボン・フォアシュプルング(英国仕様)のスペック
英国価格:13万50ポンド(約2275万円)/14万ポンド(約2450万円/試乗車)
全長:4995mm
全幅:1951mm
全高:1497mm
最高速度:280km/h
0-100km/h加速:3.4秒
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:2100kg
パワートレイン:V型8気筒3996ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:630ps/6000rpm
最大トルク:86.5kg-m/2300-4500rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
レクサス新型「最上級セダン」に大反響! 「デザインに驚いた」「“V8”の方がいい」「流麗でカッコイイ」の声も! “24年後半”発売の「LS」米国で登場!
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
特に中国製でひどいものなどとする、虚偽の事実を述べるものは、民事上の賠償責任だけではなく、名誉棄損等の刑事責任にもなり得ます。
長期間同様の投稿をしていたことがわかると、1回のみの場合と比べ罪は重くなります。
https://carview.yahoo.co.jp/news/detail/500cbc30ac566ecea2a83a85ea09fb040da33632/comment/
恐らく今後カービューでのコメントは更に厳しく管理されると思います。上記に繰り返しカービュー内で犯罪を犯す方とのやり取りを記載しました。前半のコメントは法律専門家による見解です。また上記コメントに反応しているのは書かれて困る書き込み本人。IPアドレスは同一なので反応すればするほど捕まる確率は高くなりますね。
ちょうどVWグループの排ガス不正が発覚した辺りから、モデルチェンジ(実際マイナーチェンジレベル)でコストダウンを、かなり行った印象です。
ディラーの方も素直に認めていました。
その後は。巨大アジア市場に合わせた一昔前の装飾のメッキを多用したアンバランスなデザインに終始し、未だにそこから抜け出してない印象を受けます。
技術レベルは他のドイツ車にだいぶ離された感じを受けます。
ただ、次世代のモデルには今後期待はしています。