若者たちのアウトドアライフのアイテムのひとつになるように開発されたのが2000年11月に登場した初代日産エクストレイルだった。
ラグジュアリー志向が強まり車両本体価格が高騰化していたクロカン4WDの中で、エクストレイルは高い走破性はそのままに、シンプルなギアに仕立てたこと。そして最も価格の安いグレードの車両本体価格は185万円と若者でも手が届く価格設定が見事にハマり、たちまち大ヒット。
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3代目にあたる現行型のエクストレイルは2013年12月より販売開始。デビュー当時は先代のディーゼルエンジン搭載車も併売されていた。
2015年4月には日産独自の1モーター2クラッチシステムのハイブリッドシステムを搭載したエクストレイルハイブリッドを追加。こちらはガソリン車と異なり5人乗りだけの設定だが、高速域でのモーター走行が可能な高効率ハイブリッドシステムによりJC08モード燃費20.6km/Lという優れた燃費性能を実現。
そして、2017年6月にエクストレイルはマイナーチェンジを実施。内外装の変更以上に注目点は先進運転支援システムである高速道路同一車線自動運転技術「プロパイロット」を搭載したことだ。さらに、ハンズフリー機能付きのリモコンオートバックドアの新採用やインテリジェントパーキングアシストの性能向上などでさらに利便性を高めている。
プロパイロットのような装備は、後付けができないため中古車になったときに大きな価格差が出やすい。そこで本稿では、この大人気SUV、日産エクストレイルの中古車相場、それも前期モデルと後期モデルでどれくらいの価格差が生じているかなどを中心に、レポートをお届けしたい。
文:萩原文博
■後期型は高値安定だが
現在、現行型エクストレイルの中古車の流通台数は約2100台で、平均価格は3カ月前が208万円、今月が197万円と順調に値落ちが進んでいる。
そしてプロパイロットを設定する2017年の6月のマイナーチェンジ前後の年式に絞って平均価格を調べてみると、2015~2017年式は3カ月前が218万円で、今月は206万円。そしてマイナーチェンジ後の2017~2018年式は3カ月が252万円で、今月は254万円となっており、マイナーチェンジ前後で約50万円近い価格差が生じている。
この数字は一般的な数字以上に大きくなっており、プロパイロットが設定された後期型はまだ価格が高値安定傾向と言える状況だ。
現行型(3代目)エクストレイルは2013年12月発売。登場から丸6年半が経過したものの、現在も高い人気をキープ。次期型の登場は2020年以降と予想されている
■狙い目は安価な純ガソリン仕様
現行型エクストレイルの中古車のグレードを見てみるとまず、ハイブリッド車よりガソリン車のほうが圧倒的に多く、2WDより4WD車のほうが多いのが特徴だ。
グレードでは20X 4WDエマージェンシーブレーキパッケージ装着2列車が最も多く約20.4%を占めている。そして続くのが20X 4WD2列車で約11.4%、3位が20Xi 4WD2列車で約10.5%とガソリン車が上位を独占している。したがってエクストレイルの狙い目はガソリン車だといえる。なぜならエクストレイルのガソリン車はJC08モード燃費で15.6~16.4km/Lを達成し、20.6km/Lのハイブリッド車と差が小さいからだ。
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最も流通台数が多い20X 4WDエマージェンシーブレーキパッケージ装着車は前期モデルにしか設定がないので、ここでは前後期通じて設定されている20X 4WD2列車の価格帯を調べてみると、全体では約105万~約285万円。そして前期モデルは約105万~約209万円、後期モデルは約208万~約285万円ときれいに分かれた。
価格的な魅力は前期型に感じるが、後期型は230万円付近から走行距離が1000km未満の未使用中古車がゴロゴロ見つかる。結果的に長く乗るならば、後期型を購入したほうが割安感は高いといえる。
2017年6月に大きめのマイナーチェンジを実施。先進安全装備「プロパイロット」を搭載し、クラストップクラスの安全性を持つにいたった
■ライバルより安いところが魅力
現在、エクストレイルの属するミドルサイズSUVは群雄割拠で、トヨタRAV4、ホンダCR-Vの復活組に加えて、ディーゼルエンジンを搭載するマツダCX-5、PHEVをラインアップする三菱アウトランダーといったそれぞれ魅力をもった車種が並んでいる。
こうして並べて見ると、モデルライフが長いエクストレイルの中古車は、防水加工されたインテリアと高性能な4WDシステムそして価格の安さが人気の秘訣と言えるだろう。
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