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三菱ふそう「新型スーパーグレート」に搭載された運転自動化レベル2の高度運転支援機能の進化具合を体感した

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三菱ふそう「新型スーパーグレート」に搭載された運転自動化レベル2の高度運転支援機能の進化具合を体感した

進化した運転自動化レベル2の高度運転支援機能を搭載した大型トラック“スーパーグレート”の試乗会が2021年7月26日に三菱ふそうトラック・バス喜連川研究所で行われました。
一般道では試せない機能のため、テストコースでの体験試乗会でしたが新機能を存分に体感いたしました。

2つの大きな進化点とは?

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改良前のモデルの概要は筆者の過去記事(三菱ふそうの大型トラック「スーパーグレート」に国内初搭載された運転自動化レベル2の高度運転支援機能を試す! (https://carsmeet.jp/2020/12/12/173241-2/)を参照していただくとして、ここでは改良された部分をご紹介いたします。進化した高度運転支援システムですが大きくは次の2つ。いずれも商用車国内初搭載の機能です。

(1) “アクティブ・ドライブ・アシスト2”に進化
ドライバー異常時対応システム”エマージェンシー・ストップ・アシスト”が追加されバージョン2に進化しました。これは、約60秒間ステアリング操作がないと検知するとドライバーに異常事態が発生したと判断し同一車線内で減速、緊急停止させる機能です。

(2) “アクティブ・サイドガード・アシスト1.0”を新規搭載
左死角に隠れた危険を警告する安全装置です。死角箇所をレーダーで監視、動く対象物を検知したら左方向指示器作動時やステアリング操作時に音とランプで警告します。警告にも関わらずステアリングを左に切ったままにするなど、このままだと衝突が避けられないと判断した場合は20km/h以下の領域で被害軽減ブレーキが作動して車両を緊急停止させるシステムです。どちらも商用車国内初の装備とのこと。
これらの新機能は、メルセデス・ベンツブランドの大型トラック“アクトロス”にも搭載されています。
親会社のダイムラートラック社では、自動運転技術開発を行う米ウェイモおよびダイムラートラック子会社の米TORC Roboticsとの提携を通じて、SAE(米自動車技術会)が定めるレベル4の自動運転トラック開発の実現に向けて取り組みを進めているとのことです。
さて、実際にテストコースで体験してみましょう。

エマージェンシー・ストップ・アシストを試す

次のような手順でテストを行いました。タイミングはスペック上の値ですが実測値もほぼ同じでした。




テストコースに入り周回路を走行

任意のポイントで60km/hにセットしシステムオン。しばらくステアリングに手を添えて走行

ステアリングから手を離す
↓15秒後
マルチファンクションモニターに黄色表示で警告
↓30~50秒後
赤色に変わり5秒ごとに警告音発出
↓55~59秒後
1秒ごとに警告音発出と同時にハザードランプ点滅
↓60秒後
より大きな警告音発出と同時にホーンが鳴り、ヘッドランプとストップランプを点灯させ緊急停止。レーンキープカットスイッチを押すまでその状態が続く。

https://youtu.be/xTBMJ4QAFnw

コーナーに近くなってから手を離したため旋回を始めてしまいましたが、ちゃんと車線内で停まりました。
ホーンの音がとても大きいのでどんな道路状況でも何らかの異常事態が起きていることは周囲のクルマにも確実に伝わるでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=wmegSNclw30

※秒数は手を離してからの合計。尚、レーンキープオン、車線逸脱防止60km/h以上に設定されていることがシステムの作動条件です。

ぶつかることもあるけれど被害は大幅に軽減されるアクティブ・サイドガード・アシスト1.0




“交差点で左折しようとする大型トラックの左横を走り抜ける自転車”を模したテストです。次のようなフローでした。

スーパーグレートが発進

自転車を追い越したあたりで自転車が発進

左死角に動体を検知

左ピラーの警告ランプが黄色に点滅

左ウインカーを出すあるいはステアリングを切る

ランプが赤に変わり警告音が鳴る

それでもステアリングを切る

20km/h以下であれば被害軽減ブレーキが作動し車両を緊急停止

アクセルペダルを踏むとブレーキ解除

警告音がピラーの方から聞こえるのはいいですね。よそ見していても本能的に聞こえる方を見るので自然に確認できます。
事業用大型トラックが第一当事者となった死亡事故原因のうち左折時の衝突は25%。自転車との衝突が最も多く、左折時の巻き込み人身事故全体に対する大型トラックの割合は10%、死亡事故では90%を占めているそうです。アクティブ・サイドガード・アシスト1.0は事故率と事故の場合の死亡率を少しでも下げるためのシステムです。
システムも当然完璧ではありません。実際デモ中に何度かぶつかりました。ぶつかり方も様々で、自転車にぶつけることもあれば緊急停止した後に自転車の方からぶつかってくることもありました。車速も自転車の発車タイミングも毎回異なっていたためですが、図らずもリアルワールドが想像できるいいデモでした。

https://youtu.be/_q8wzQh4xM8

ぶつかることもありますが、車体の下に潜り込んだり後輪に轢かれてしまったりという深刻な事態はかなり避けられるでしょう。このシステムの元々の狙いはそこにあります。
ところで、システムが作動して緊急停車したあとにアクセルを踏み込むと緊急ブレーキが解除されトラックは動き出します。ブレーキを踏みながらステアリングを切った場合は大丈夫でしょうけれど、手前での車速が落ちすぎてアクセルで車速調整しながらステアリングを切った場合は足はアクセルペダルの上にあるでしょうから緊急停止のショックでアクセルペダルを踏み込んでしまうかもしれません。そうすると緊急停止してホッとしたのも束の間、トラックは進んでしまうので注意が必要です。





このあたりは、システムのチューニング次第なのですが、システムに任せる部分、ドライバーに任せる部分のバランスというかチューニングは実に難しいと思います。システム寄りにしすぎるとドライバーに違和感やそれによるストレスを与えたり、道路上でシステムの過剰反応により他の交通に迷惑をかけたりしてしまうこともあり得ます。そこが悩みだと開発担当者も仰っていました。

自転車や歩行者も本気で教育を

「そもそもなんでこんな事故が起こるのか?」デモを何度も見ていて思いました。自転車の目線でトラックを見ましたがとても近くて怖い。それなのに交差点で左折しようとしているトラックより先に交差点を抜けようなどという根性は私にはありませんしそんな運転をする人の気持ちが全く理解できない。予防注射の針一本でも逃げ回るくらいなのにクルマに轢かれるリスクだけでもとんでもありません。事故が起こればトラックの責任が断然重いですが、命を落とさなかったとしても後遺症に苦しむなど人的被害リスクは自転車側にあることは明らか。体が壊れるだけでなく、治療のためにもあちこち切られたりその後ベッドで体中に針を刺さたりなんて想像しただけでゾッとします。なのになんでそんな運転するの? クルマを運転していても歩道を歩いていても「おまえ路上で死にたいんか?」と言いたくなるようなことは多々あります。
やはり、歩行者や自転車を教育しなければなりません。

トラックと歩行者との事故に関しては欧州でも問題になっているようで、IAA2018商用車ショーのボルボトラックスのブースで写真のような展示を見ました。“STOP・LOOK・WAVE”キャンペーンです。“止まり、左右を見て、ドライバーに手を振り、ドライバーが振り返すのを確認しよう”です。双方向認知を徹底することで事故の危険性を排除しようということ。





サイトからは教材類もダウンロードできます。トラックからの死角を知るための教育方法や実地用の図面などもありかなりの充実ぶりです。
今回体験したシステムが狙うところとは違いますが応用できることは多いと思います。何よりこのキャンペーンは、相手から見えているのか? 相手がどこを見ているのか? を知ることが危険回避あるいは予知の基本中の基本であることを教えてくれます。
路上で適当で無茶なことをしなければそもそもリスクはぐっと減るのですから、クルマ任せにせずに歩行者や自転車も轢かれないために本気で路上に出る。万が一のうっかりの時にだけシステムに助けてもらう。そういう気でいればシステム作動以前に深刻な事故は確実に減ると思うのです。
メーカーも、「“アクティブ・サイドガード・アシスト1.0”は、並走する歩行者,自転車の巻き込みなどを想定してブレーキ操作をサポートするように装備しておりますが、必ずしも衝突を回避できるものではありません。」と謳っています。

試乗車のスペック

“エマージェンシー・ストップ・アシスト”体験用に2台用意されていた試乗車のスペックは次の通りです。




車両型式:FU74HUZ2XVB
仕様:フルキャブPro Line
架装:ウィングボディー
主要装備:アクティブ・ドライブ・アシスト/エマージェンシー・ストップ・アシスト/アクティブ・サイドガード・アシスト
全長(mm): 11,990
全幅(mm):2,495
全高(mm):3,780
ホイールベース(mm):7,220
車両重量(kg):10,630
最大積載量(kg):14,200
GVW(kg):24,940
積載量:半積載/10t程度の積載
乗車定員(名):2
エンジン:6R20T2
排気量(ℓ):10.676
最高出力(ネット):290 kW(394 PS)
最大トルク(ネット):2,000 N・m(204 kgf・m)

車両型式:FS74HVZ2XVB
仕様:フルキャブハイルーフPro Line
架装:ウィングボディー
主要装備:アクティブ・ドライブ・アシスト/エマージェンシー・ストップ・アシスト/アクティブ・サイドガード・アシスト
全長(mm):11,990
全幅(mm):2,495
全高(mm):3,780
ホイールベース(mm):7,220
車両重量(kg):11,010
最大積載量(kg):13,800
GVW(kg):24,920
積載量:半積載/10t程度の積載
乗車定員(名):2
エンジン:6R20T2
排気量(ℓ):10.676
最高出力(ネット):290 kW(394 PS)
最大トルク(ネット):2,000 N・m(204 kgf・m)

(取材・写真・文:大田中秀一)

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2件
  • 民間整備工場でもこのようなセンサーを点検調整できるように情報公開と診断機の販売をして欲しい。、
  • そんなセンサーいらんから キャビン変えようゼ!
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