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愛車の履歴書──Vol39. 高岡早紀さん(前編)

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愛車の履歴書──Vol39. 高岡早紀さん(前編)

愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第39回。知られざるクルマ好きの俳優・高岡早紀さんが。愛車とのエピソードをたっぷり語った! 前編では、かつて乗っていた“ヴァンプラ”と久しぶりの対面について。

初めて運転した車はマークII

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撮影用のヴァンデン・プラ プリンセス1300が1971年型だと聞いた高岡早紀さんは、「私が乗っていたヴァンプラも、71年型だったんですよ」と、目を細めた。

「私が1972年生まれなので72年型のヴァンプラを探していたのですが、なかなか程度のいいものがなくて、きれいな空色の71年型がやっと見つかったんです。その頃は、ちょうど子育て真っ盛りの時期で、ふたりの子どもを後ろの席に座らせて、ピクニックテーブルを出してハンバーガーを食べる……といった楽しい思い出があるクルマですね。ヴァンプラに乗っていたのは、クルマの別の楽しみ方に目覚めたタイミングでした」

高岡早紀さんの愛車の歴史を3回にわたって振り返ってみようと思う。前編ではまず、運転免許を取得した時点にまで遡った。

「クルマがないと生活できないという地域ではありませんでしたが、時代なのかな? 18歳になったら免許を取るのは当然という雰囲気で、私も教習所に通うのを楽しみにしていました。当時、母が黄色いフォルクスワーゲンの『ビートル』に乗っていて、私もビートルに乗りたい! と、思っていたんです。でも、ペダルが普通のクルマと違って、運転するのが少し大変だったみたいで、私が免許を取ると母はトヨタの『マークII』に買い替えてしまったんです」

空冷エンジンのビートルは、ペダルが吊り下げ式ではなくオルガン式だったので、教習所のクルマに慣れた初心者だと運転にコツが必要だったかもしれない。また、パワーステアリングが備わらない、いわゆる“重ステ”だったこともあり、高岡さんが初めて運転するクルマはトヨタのマークIIになった。

「初心者だったので、マークIIはいろいろな箇所を擦ってしまい、ボロボロにしてしまった記憶があります。今もそうかもしれないけれど、あの頃はベンツかビーエムだと事故に遭っても安心という空気があって、それで紺色のBMWの『318i』に乗るようになりました。ハンドルを切った感じからブレーキが効くフィーリング、加速感まで、質実剛健で強いぞ! みたいなクルマでした。乗っていると、すごく安心だったことを覚えています」」

高岡さんのBMW318iは、1982年から1990年まで生産された2代目の3シリーズ(E30型)。バブル期だったこともあり、日本でも大ヒットしたモデルだ。318iというグレードは、排気量1.8リッターの直列4気筒エンジンを搭載していた。

「実家が(神奈川県)江の島の近くで、そこから第三京浜で頻繁に東京に行っていましたし、京都までのドライブ旅行もよく覚えています。いまも私のYouTubeチャンネルに出てくれる友だちと一緒に、いろいろなところに行きました。ただ、母の考えだったのかもしれませんが、当時、最初の車検で乗り換えるのが経済的、というムードがあって、318iも3年で買い替えることにしました。それで、次はベンツに乗りたい! と、思ったんです」

高岡さんが選んだメルセデス・ベンツは、「CLクラス」。このモデルは、1993年から1996年まではSクラスクーペと呼ばれ、1996年にSクラスがマイナーチェンジを受けたとき、CLという独立したモデルになった。ちなみに、Sクラスクーペも初代CLも、C140という開発コードは共通だ。

高岡さんは、SクラスクーペだったかCLになってから購入したのかは記憶が曖昧とのことだったけれど、写真を見ると「この形の黒いクルマでした」と、頷く。

「でもいま見ると、当時、思っていたほどは格好よくないですね(笑)。納車されたときは、初めてのベンツだったのですごくうれしかったし、乗るとラグジュアリーで大人になった気がしました。実は、このあたりからクルマを複数台所有するようになって、時系列がちょっと整理されてないんです。確か、CLに乗りながら、母に乗ってもらうという名目で『SL500』を購入して、私も時々乗っていたはずです」

この時期のSLは、R129の開発コードで呼ばれる第4世代のSL。高岡さんのSL500は、排気量5.0リッターのV型8気筒エンジンを搭載するモデルだ。

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高岡さんが23歳というと、1994年。最後の空冷エンジンを積んだ993型のポルシェ911のデビューが1993年だから、高岡さんの愛車はおそらく993型か。そう思って写真を確認していただくと、「そう、これですね」と、即答した。そして少し恥ずかしそうに、「この911に、羽根を付けていたんです」と明かした。

「RSルックですか?」と問うと、「そう! それです!!」と、相好を崩した。

「それで、ここまでの愛車とはまるで脈略がありませんが、10代の頃にハワイのロケで共演した現地のモデルさんが、1970年代のシボレー『カマロ』に乗って現場にやって来たんです。細くてかわいい、17歳とか18歳の彼女とカマロの組み合わせが印象的で、1972年型だったかな、古いカマロを探してもらって乗っていたのもこの時期です」

1972年型といえば、1970年から1981年まで生産された2代目カマロ。当時の資料をあたると、5.0リッター、5.7リッター、6.6リッターと、V型8気筒エンジンだけで3種類もラインナップしていた。いまでは考えられない、贅沢な時代だったのだ。高岡さんによれば、排気量の記憶はないとのことだけれど、音がすごかったことはよく覚えているという。

「ボン! と、街行く人が振り返るような音で、ちょっと危ない感じがして何年も乗らずに手放してしまったのですが、カマロからちょっと古いクルマにも目が向くようになりました。それで、次にクラシック・ミニに乗ります。ちょうど妊娠していた時期で、生まれてしまうんじゃないかという乗り心地でした(笑)。でも、小さいから駐車はすごく便利で、子どもが生まれてからは後ろの席のチャイルドシートに座らせても手が届くので、重宝しました」

そして、ふたりめの子どもが生まれたタイミングで、クラシックミニから冒頭で紹介したヴァンデン・プラ プリンセス1300(AD016)に乗り換える。

1959年に登場したクラシックミニ(ADO15)をひとまわり拡大したのがADO16で、ヴァンデン・プラ プリンセスはADO16の最上級版という位置づけになる。1963年から1968年までの前期型が1.1リッターエンジン、1968年から1974年まで生産された後期型が1.3リッターエンジンを搭載していた。

「いまでも覚えているのは、ヴァンプラのシートの掛け心地ですね。クルマのシートというより、応接間のソファみたいにフワフワで、機能的にはいまのシートのほうが優れていると思いますが、すごく寛いだ気持ちになりました。このシートとピクニックテーブルを見ると、子どもが小さかった頃を懐かしく思い出しますね」

次回は、大のお気に入りだったというヴァンプラとの別れから、現在に至るまでの高岡さんの愛車の歴史をたどる。

このあともアッと驚く車歴がずらりと並ぶから要注目だ!

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【愛車の履歴書 バックナンバー】
Vol1.市毛良枝さん 前編/後編
Vol2.野村周平さん 前編/後編
Vol3.宇徳敬子さん 前編/後編
Vol4.坂本九さん&柏木由紀子さん 前編/後編
Vol5.チョコレートプラネット・長田庄平さん 前編/後編
Vol6.工藤静香さん 前編/後編
Vol7.西内まりやさん 前編/後編
Vol8.岩橋玄樹さん 前編/後編
Vol9.吉田沙保里さん 前編/後編
Vol10.板野友美さん 前編/後編
Vol11.常盤貴子さん 前編/後編
Vol12.永山瑛太さん 前編/後編
Vol13.菊地英昭さん THE YELLOW MONKEY / brainchild’s 前編/後編
Vol14.岸谷五朗さん 前編/後編
Vol15.瀬戸朝香さん 前編/後編
Vol16.市原隼人さん 前編/後編
Vol17.中山美穂さん 前編/後編
Vol18.伊藤英明さん 前編/後編
Vol19.村井國夫さん&音無美紀子さん 前編/後編
Vol20.今井翼さん 前編/後編
Vol21.長谷川京子さん 前編/後編
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Vol23.有森裕子さん 前編/後編
Vol24.豊原功補さん 前編/後編
Vol25.木戸大聖さん 前編/後編
Vol26.小柳ルミ子さん 前編/後編
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Vol35.益若つばささん 前編/後編
Vol36.溝端淳平さん 前編/後編
Vol37.君島十和子さん 前編/後編
Vol38.吉沢悠さん 前編/後編

文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) ヘア&メイク・奈良裕也(SHIMA) スタイリング・間山雄紀(M0) 編集・稲垣邦康(GQ)

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みんなのコメント

6件
  • vbi********
    30数年前、辻堂駅に自動車学校へ通うバス待ちで、いつもいるのが噂になっていて見に行きました。
  • 葛葉恭次
    何やら深夜枠ドラマ『リカ』の時の狂気が漂う衣装やなw

    地雷系熟女…イイ♡
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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