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ハートレーが可夢偉を下しポール獲得。王者トヨタはフロントロウ独占【WEC第2戦予選レポート】

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ハートレーが可夢偉を下しポール獲得。王者トヨタはフロントロウ独占【WEC第2戦予選レポート】

 4月15日(土)、ポルトガル南部のアルガルベ国際サーキットでWEC世界耐久選手権第2戦『ポルティマオ6時間レース』の予選が行われ、ブレンドン・ハートレーがアタックを担当したTOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタGR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ハートレー/平川亮組)が決勝レースのポールポジションを獲得した。

 開幕戦セブリングから約1カ月、WECの舞台はポルトガルへと移りここから第5戦モンツァまで続く“ヨーロッパ連戦”に入っていく。その初戦となる第2戦ポルティマオは走り始めの金曜に続き土曜日も快晴に恵まれ、ドライコンディションで予選が行われている。

【順位結果】2023年WEC第2戦ポルティマオ 予選

 気温26.7度、路面温度45.8度とこの週末一番の暖かさとなった予選セッションは定刻11時30分にLMGTEアマクラスからスタートした。ピットレーン出口のシグナルがレッドからグリーンに替わり、各車が続々とコースインするなか57号車フェラーリ488 GTEエボ(ケッセル・レーシング)の木村武史がアウトラップでスピンを喫する。しかし木村はうまくマシンの体勢を立て直し大事には至らず、そのままアタックに入っていった。

 GTEアマクラスの予選で主人公となったのは“最強ジェントルマンドライバー”との呼び声高いベン・キーティングだ。このアメリカ人は真っ先にコースインすると1分42秒312をマークして最初のターゲットタイムを設定した。これに対して木村が1分42秒751で続くが、ルイス・ペレス・コンパンクの83号車フェラーリ488 GTEエボ(リシャール・ミル・AFコルセ)が1分42秒293を記録して2番手に。その間にキーティングも自己ベストを更新しタイムを1分41秒793まで伸ばす。

 残り7分を切ったところでディエゴ・アレッシ駆る21号車フェラーリ488 GTEエボ(AFコルセ)が1分41秒859で2番手につける。アレッシはさらにタイムを縮め1分41秒628でキーティングを逆転する。その後方では85号車ポルシェ911 RSR-19(アイアン・デイムス)をドライブするサラ・ボビーが1分41秒台に入れて3番手に浮上。一方の木村は自己ベストを更新するが5番手に後退してしまう。

 残り3分、85号車ポルシェのボビーがトップに浮上。タイムは1分41秒598。開幕戦でキーティングと好バトルを繰り広げた彼女はさらに1分41秒579までタイム縮めるが、直後にキーティングが全セクターで自己ベストを上回るタイムでまとめ1分41秒362を記録。これでボビーから首位を奪い返した。

 チェッカーラップではボビーもセクター2で全体ベストのマゼンタを灯したが、最後の最後での逆転には至らず。0.217秒差でクラス2番手となった。同3番手はアレッシの21号車フェラーリだ。同じくフェラーリをドライブした木村は最終的に7番手に。777号車アストンマーティン・バンテージAMR(Dステーション・レーシング)のアタッカーを務めた星野敏は1分43秒035をマークし、明日は11番手から決勝レースに臨むこととなった。

■勝敗を分けた1000分の1秒

 オレカ07・ギブソンによる“実質”ワンメイクとなっているLMP2クラスは、FP3でトップタイムを記録した10号車のガブリエル・オーブリー(ベクター・スポーツ)が序盤に1分34秒304を記録して暫定首位に立った。これに9号車を駆るベント・フィスカール(プレマ・レーシング)が1分34秒770で続き、48号車のイーフェイ・イェ(ハーツ・チーム・JOTA)が1分43秒915でその後方3番手につける。

 イェは残り7分となったところでタイヤ交換のためピットへと戻る。この時点で上位のタイムを記録していたフィスカール、35号車のアンドレ・ネグラオ(アルピーヌ・エルフ・チーム)、28号車に乗り込んだオリバー・ラスムッセン(JOTA)も同様の作戦を選択した。

 一方、この間にユナイテッド・オートスポーツの22号車を駆るフィル・ハンソンと姉妹車23号車のオリバー・ジャービスが2番手、3番手に並ぶ。また残り3分半を切ったところで63号車をドライブするミルコ・ボルトロッティ(プレマ・レーシング)が1分34秒284を記録して一度はトップに浮上した。

 しかし、イタリア人ドライバーが記録した当該ラップタイムはトラックリミット違反により幻に。しかし、ボルトロッティは諦めない。再度のアタックで1分34秒303をマーク。2度目のアタックラップは正式タイムとして認められ、わずか1000分の1秒で10号車を上回ってみせた。

 このときすでにオーブリーはピットに戻っていたため再逆転は不可能。このため63号車の逆転ポールが決定した。3番手は22号車、4番手にはピットでのタイヤ交換後、1分34秒493まで自己ベストを伸ばした48号車が入り、5番手に34号車オレカ(インターユーロポル・コンペティション)が続いている。

■フェラーリ499P、2戦連続のポール奪取ならず

 LMGTEアマ、LMP2クラスに続き定刻スタートとなったハイパーカークラスの予選は静かな幕開けに。トヨタ、プジョー、フェラーリ、ポルシェ、キャデラックらハイパーカー各車は時間を掛けてタイヤを温めていく。94号車プジョー9X8をニコ・ミューラーに、93号車をポール・ディ・レスタに託したプジョー・トタルエナジーズ勢はアタック前にチェック走行も行った。

 セッション残り10分を切ってところでまず動いたのは“チャンピオンカー”8号車トヨタだった。ハートレーがステアリングを握るこのクルマは最初のアタックで1分30秒480の暫定トップタイムを記録する。

 続いてフェラーリ・AFコルセ勢がアタックに入り、50号車フェラーリ499Pのニクラス・ニールセンが1分41秒596、姉妹車51号車のジェームス・カラドが同じく1分31秒台で続くが、トップとは1.4秒以上のギャップがある。

 セッション折り返しを過ぎ、残り7分になると小林可夢偉が乗り込んだ7号車トヨタGR010ハイブリッドが1分30秒444を記録して僚友に肉薄。順位では2番手につける。しかしハートレーも負けじとタイムを削り全体ベストを1分30秒171まで押し上げる。これによりトップ2台のタイム差は0.273秒に拡がった。

 この直後8号車トヨタはピットに戻り予選終了を待つ構えに。残り4分となった段階でフェラーリの2台とポルシェ963勢(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)はピットロードに戻り、可夢偉の7号車もポール獲得を諦めた。終盤までコースに残った2号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)や4号車ヴァンウォール・バンダーベル680(フロイド・ヴァンウォール・レーシングチーム)も上位陣のタイムを更新するには至らず。

 この結果トヨタの予選ワン・ツー、ならびに今季初のフロントロウ独占が決定。フェラーリが2列目の3番手と4番手を抑え、トップから2秒以上の後れを取る1分32秒404が自己ベストとなった6号車ポルシェが5番手に。プジョーは94号車が3列目に入ったが、姉妹車の93号車は5号車ポルシェと2号車キャデラックのLMDh勢に先行を許している。708号車グリッケンハウス007 LMH(グリッケンハウス・レーシング)とヴァンウォールは1分33秒台のタイムでクラス最後尾に位置する。

 6時間で争われるWEC第2戦ポルティマオの決勝レースは、明日16日(日)の現地正午(日本時間20時)にスタートが切られる予定だ。

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