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アレックス・パロウとマクラーレンの法廷闘争。争点はパロウが支払う損害賠償金額か? マクラーレン33億円あまりの支払い求める

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アレックス・パロウとマクラーレンの法廷闘争。争点はパロウが支払う損害賠償金額か? マクラーレン33億円あまりの支払い求める

 イングランドとウェールズの商事・財産裁判所の商事裁判所判事は、昨年夏にアレックス・パロウが、マクラーレンとの間で交わされていたインディカー・シリーズ参戦契約およびF1のリザーブドライバー契約とプロモーション契約の両方を一方的に破棄したことを受け、マクラーレンが受け取ることになる損害賠償の額について判決を下すことになる。

 この件について双方から裁判所に提出された書類によれば、パロウは契約違反については争っていないものの、マクラーレンが求めている賠償金額について争っていることが分かった。

■「僕はもう26歳だからね」F1挑戦を諦めたパロウ、マクラーレン移籍断念の理由は“年齢”と“F1シート獲得の可能性”

 パロウは契約を破棄した理由について、将来F1のレースシートを獲得するという約束について「信頼と信用を失った」からだと主張しているが、マクラーレンはこれについて「根拠がない」と反論している。

 パロウはすでにマクラーレンの旧車テスト(TPC)を行ない、2022年のアメリカGPではFP1を走行。そして2023年のマイアミGPには、公式リザーブドライバーとしてマクラーレンに帯同した。これらは、マクラーレンとパロウの現在の所属チームであるチップ・ガナッシとの間での契約関連の争いにおける、調停合意の一環として行なわれたものである。

 この件に関しては、アメリカの法制度に従い、チップ・ガナッシが2023年もパロウをインディカーで起用することになった。そしてパロウは、自身2度目のインディカー王者に輝くことになった。ただ今回のマクラーレンとパロウの訴訟には、チップ・ガナッシ・レーシングはほぼ関与していない。

 今回の訴訟の原告はマクラーレン・インディLLCおよびマクラーレン・レーシング・リミテッドであり、被告はパロウ本人とそのレーシングドライバーとしての”サービス”を運営するパロウ所有のアメリカ企業であるALPAレーシングUSA LLCである。

■パロウの法務チーム、マクラーレンとの破局の理由を明らかに

 パロウの弁護士は書面による弁護声明の中で、マクラーレンとの契約を破棄した理由を説明した。

「2022年、(マクラーレンは)最終的に中長期的にF1シリーズに参戦するという彼の野心と一致すると信じ、(パロウは)一連の合意を結んだ」

「この件で、(パロウは)マクラーレンはF1シリーズでレースをしたいという彼の野心を心からサポートするつもりであるということについて信頼と信用を失った。その代わりに、インディカー・シリーズで、チップ・ガナッシと共にレースを続けることを決定した」

 弁護士はまた、「当事者間の真の問題は、その結果として(パロウと彼の会社がマクラーレンに)支払う責任がある損害賠償の問題に関するモノである」とも述べている。

 そして「(マクラーレンが請求する)損害賠償額は十分に具体化されておらず、多くの点で誤解されており、大幅に膨れ上がっている」とも主張している。

 さらに弁護人は、チップ・ガナッシとの契約は、パロウがF1のレースシート獲得の機会が訪れた場合には、それを制限するものではないということも明らかにしている。

■マクラーレンがパロウに対して求めている損害賠償

 マクラーレンはパロウに対して、2300万ドル(約33億7500万円)の損害賠償金の支払いを求めている。

 この内訳についてマクラーレンは、パロウが契約を破棄したことで失われたスポンサー料690万ドル(約10億1300万円)、そしてエンジンサプライヤーであるゼネラルモーターズからの「チーム支援」に相当する額3年分150万ドル(約2億2000万円)が含まれているとしている。また、2度のインディカーチャンピオンとしての賞金、商品、スポンサー契約の代金として700万ドル(約10億2700万円)、パロウが走行したF1のTPCの価値350万ドル(約5億1300万円)、このTPCに向けたシミュレータなどのドライバーサポートの費用として280万ドル(約4億1000万円)、契約のボーナスとして支払われた40万ドル(約5800万円)、さらには裁判費用の回収も目指している。

 今回パロウの弁護士が作成した返答の大部分(提出された書類のうちの数10ページ)は、これらマクラーレンが主張する数字に異議を唱える内容となっている。

 最終的にパロウが支払う損害賠償の金額いくらになるかは、裁判官の判断に委ねられることとなる。

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