現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「パワフルだがうるさい」と言われたのは昔の話! 電動化の影で着々と進化しているいまどきの「ディーゼルエンジン」が凄い

ここから本文です

「パワフルだがうるさい」と言われたのは昔の話! 電動化の影で着々と進化しているいまどきの「ディーゼルエンジン」が凄い

掲載 73
「パワフルだがうるさい」と言われたのは昔の話! 電動化の影で着々と進化しているいまどきの「ディーゼルエンジン」が凄い

 この記事をまとめると

■シリンダー内を高圧縮して燃焼させるディーゼルエンジンは音や振動が弱点とされている

これだけクルマの技術が進歩してもディーゼルエンジンの「ガラガラ音」が消えないワケ

■確かに2010年代頃までのディーゼルエンジンの音はかなり大きかった

■最近のディーゼルエンジンは静かでパワフルで楽しい乗り味になっている

「カラカラ」というエンジン音が商用車っぽかった

 ディーゼル乗用車は、カラカラという音がする。そんなイメージを持っている人は最近、かなり減ってきているのではないだろうか。または、いまでもそうした印象を持っている人が、最新のディーゼル車に乗ると、「本当にこれがディーゼル?」と驚くはずだ。

 改めてディーゼルエンジンの基本構造について簡単に触れると、エンジンのシリンダー内部をガソリンエンジンに比べて高圧縮した状態で、燃料を噴射することでシリンダー内部の燃焼を起こす仕組みだ。スパークプラグによってシリンダー内部の混合気に点火し燃料させるガソリンエンジンに比べて、ディーゼルエンジンは燃焼の際に発生する音や振動が大きいとされてきた。

 時計の針を少し戻すと、筆者が初めて実車でディーゼル乗用車に触れたのは、1970年代中盤のメルセデス・ベンツだった。一般路での走行では、いわゆるカラカラ音がかなり大きかったことを思い出す。

 1980年代になると、コラムシフトの日産セドリックディーゼルにも触れる機会が多かったが、タコメーターが装備されていなかったため、カラカラ音の大きさでシフトアップのタイミングを見計らっていたほどだ。

 1990年代になると、ドイツや欧州を巡る機会が増え、メルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲンなどのディーゼルエンジン車を頻繁に乗ったが、燃料噴射機構の発達によって、エンジンからの振動音が1980年代に比べるとかなり少なくなった印象を持った。

 2000年代、欧州ではディーゼル乗用車が主流となる国が多かった一方で、日本では1999年8月に、当時の石原慎太郎東京都知事が「ディーゼル車NO作戦」と称してディーゼル車規制を始めた影響で、国内メーカーのディーゼル乗用車は次々と姿を消した。日本市場では一部のドイツ車でディーゼル乗用車が輸入されたが、販売数は限定的だった。

 音も静かで振動も少ない最近のディーゼルエンジン

 日本市場でディーゼル乗用車の新しい時代の幕開けとなったのは2012年だった。マツダのSKYACVTIV-Dは、ディーゼルエンジンの常識としては異例となる、圧縮比を下げてもシリンダー内の燃焼を有効に行い、しかも後処理の装置が簡素化できるという画期的な技術だ。エンジン音もかなり低くすることに成功した。

 その当時、マツダ関係者によると「ドイツを含めて、情報交換や技術交流を念頭に、世界の自動車メーカー各社から問い合わせが多く来た」と話していたことを思い出す。

 SKYACVTIV-Dはその後、より効率的な燃焼を実現し、またエンジン振動を機械的に弱める技術を採用し、さらに車体構造で音や振動への対策も進んできた。

 直近では、CX-60に採用した3.3リッターディーゼルのプロトタイプを、マツダのテストコースで試走した際、1970年代から段階的に体感してきたディーゼルエンジンの進化が「ここまで来たか」と思わず車内で声が出てしまうほど、静かでかつパワフルで楽しい乗り味になっていた。

 その他、ディーゼルエンジンの音や振動の少なさでは、BMWの優秀さを改めて実感することが多い。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
くるまのニュース
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
Auto Messe Web
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
motorsport.com 日本版
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
motorsport.com 日本版
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
AUTOCAR JAPAN
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
AUTOSPORT web
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
Auto Messe Web
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
AUTOSPORT web
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
VAGUE
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
くるまのニュース
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
WEB CARTOP
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
motorsport.com 日本版
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
レスポンス
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
motorsport.com 日本版
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
AUTOSPORT web
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
くるまのニュース

みんなのコメント

73件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村