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想像は尽きない! 新型フェアレディZはどうなる!?

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想像は尽きない! 新型フェアレディZはどうなる!?

新型フェアレディZのコンセプトモデルが発表されたが、市販版はどうなるのか? 渡辺敏史が限られた情報から推測する。

Zを所有した過去

トヨタ「クラウン」や日産「スカイライン」と並び、日本の高度経済成長期を共に走り続けてきたフェアレディ。純然たるスポーツカーというポジションで60年の歴史を持つモデルは、世界を見渡してもシボレー「コルベット」くらいしか見当たらない。巨大な北米市場で世界のスポーツカーに対峙すべく、大排気量の6気筒エンジンを搭載したフェアレディ「Z」へと進化したのが1969年だから、そこから数えても半世紀以上の時を刻んだということになる。

Zを名乗り始めて以降のモデルチェンジは5回に及ぶが、現行の6代目に至るまで、誰がみてもZだとわかる連続性の高い刷新を重ねてきた。これもまた、趣旨や意匠の移ろい激しい日本のクルマにあって、相当珍しいことではないかと思う。

これが何を意味するか? といえば、親から子に、そして孫にと3世代にわたって同じ銘柄を通してクルマの価値観を共有することが出来るという点だ。たとえば今、現行のZ34型に乗る若者の父親はかつてZ32型に乗っていた、そして祖父は初代のS30型に乗っていたという事例が世界のどこかにあっても不思議ではない。先述のコルベットだって、はたまたポルシェ「911」だって、そういうストーリーが背景にあるだろう。強烈な性能を引っ提げてフォロワーがいくら現れようと、継続の歴史ばかりは埋めようがない。その点でもZは希少なスポーツカーだ。

僕自身もZに乗っていたことがある。オープンカーを買おうと思っていたその当時、中古でも高かったユーノス「ロードスター」の代役的に買ったのは、Z32型の自然吸気5速MT、2シーターTバールーフという相当な“珍グレード”。その不気味さゆえ、50万円くらいで中古車屋の軒先に並んでいたものだ。

想像通りロードスターの繊細さとは真逆の、手応えゴリゴリの筋肉質なクルマだったが、グラストップをまめに外してアメリカ気分でオープンドライブを楽しんだ覚えがある。なにより、Zの鍵が自分のポケットに入っているというだけでちょっと余計に満たされた気分でいられる、そこにZを持つ意味があることは身をもって知った。

新型Zのアーキテクチャーは現行Z34型のリファイン版か

左様に長い時を刻み、様々なクルマ好きの想い出を背負ってきたクルマがゆえ、そのフルモデルチェンジの示唆である今回のプロトタイプ発表はニュースやSNSなどで大きな反響を呼んだ。

経営難の日産にしてみれば、ステークホルダーへの配慮や社内の士気向上といった思惑もあっただろうから、このタイミングでの発表は是が非でも果たしたかったものだろう。皮肉にもカルロス・ゴーンが自ら主導したリバイバルプランの中で、Zは再生のシンボルとして掲げられた。いま、ふたたび掲げられたZ旗に、速い遅いだけではないスポーツカーの深い存在意義を実感する。

発表された新しいZをクルマ屋的な視点で深読みしてみると、まずディテールの仕上がりぶりをみるに、ほぼそのままのかたちで発売されることは間違いなさそうだ。時期はこの1~2年内と目される。

搭載されるエンジンはV型6気筒ツインターボとだけ発表されているが、現状の日産が持てるソリューションからすれば、現行スカイラインに搭載されるVR30DDTT型になる可能性が高い。トップグレードの400Rでは既に405psのピークパワーを発しており、そのまま搭載されたとしてもポルシェ911カレラやGRスープラといったモデルに比肩する動力性能がもたらされそうだ。或いはベースグレードが搭載する304psであっても、現行型と同等以上のパフォーマンスを発揮することになるだろう。ちなみに911カレラの0-100km/h加速は4.2~4.4秒、最高速は293km/hに達する。

このパフォーマンスを受け止めるシャシーの側に関する情報はタイヤサイズくらいしか見当たらないが、それは現行Zニスモにとても近い。これにくわえて全体のプロポーションやドアオープニング形状、タイヤとピラー、バルクヘッド等の位置などから察するに、新型Zのアーキテクチャーは現行Z34型のリファイン版と目される。日産のFRプラットフォームのストラテジーが不透明、或いは優先事項ではない今、考えられる最善の策はこうなるだろう。

ただし、旧いからといって性能に問題があるわけではない。スカイライン400Rも同系のシャシーながら、きちんと400psを吸収しきっている。GT-Rのスピードレンジを知る日産の開発部隊がしっかり煮詰める滋味深い味わいが個人的にはむしろ楽しみだ。

エンジニアリング的な課題はシャシーセットアップよりむしろ、エアロダイナミクスの構築にあるかもしれない。想定されるパフォーマンスを前提にすれば何かしらのエフェクトパーツが必要になるだろう。

が、発表されたスタイリングからはその性能的ヒントは窺いにくかった。床面をきっちり整えてリアディフューザーへとストレートに風を伝えるのか、はたまた斜めにフェアレディZのエンブレムが配されたリアゲートパネルが可動式なのか、さながら240ZGのようなロングノーズ&リアスポイラー仕様がZニスモとして用意されるのか?

想像は尽きないが、大人が見識をもって乗るぶんには、そこまでの大袈裟な化粧も必要ない。懐かしくも新しいこの形を存分に楽しんでいただきたいと思う。

文・渡辺敏史

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みんなのコメント

2件
  • 昔は頑張れば買える価格だったが、今のは到底無理。
    2リッターターボ位で廉価版を作ってくれないかな。
  • アーキテクチャ?
    プラットフォームではなく?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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