米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、2029年9月以降に米国で販売する新車に、自動緊急ブレーキ(AEB)の搭載を義務付けると発表した。装着率はすでに9割に達しているが、作動条件を広げた上で搭載を義務化し、重大事故の発生を防ぐ。
義務化の対象は車両総重量1万㍀(約4500キログラム)以下の乗用車や小型トラック。少量生産メーカーは30年9月まで規制の適用を猶予する。
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NHTSAと米国道路安全保険協会(IIHS)は16年、主要メーカー20社に対し、22年までにAEBを自主的に搭載することを求めた。18年には米国の新車アセスメントプログラム(NCAP)にも盛り込んでおり、新車の大半に搭載されるようになった。
ただ、米国で発生する重大事故の多くが「自主公約の対象速度を超えている」とし、各社の仕様よりも厳しい作動条件を法規的に定める。先行車両との距離や衝突の対象などによっても異なるが、時速62㍄(約100キロメートル)以下の場合はシステムを作動させて前車との接触を避ける必要があるという。
23年の米国の交通事故死者数は4万990人だった。22年比では減少したが、コロナ禍前が始まった20年以降は、交通量の減少に伴う速度域の上昇で19年までと比べて死傷事故の発生数が増えている。NHTSAはAEBの義務化により、年間の交通事故死者数を362人減らせると見積もる。
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