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ハンドルを握っても楽しいBMWのラグジュアリーEVセダン「i7 xDrive60 エクセレンス」

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ハンドルを握っても楽しいBMWのラグジュアリーEVセダン「i7 xDrive60 エクセレンス」

■石川真禧照のEV徹底解剖

 BMWのハイエンドEV「i7 xDrive60 エクセレンス」は、最新の「7シリーズ」の最上級モデルとして登場した。メルセデスが「Sクラス」のEVを「EQS」として専用ボディと専用シャーシを開発し、発売してきたのと対称的な方向性になった。「7シリーズ」は2022年夏にフルモデルチェンジした。新型はボディーサイズを大きくした。

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 それも標準車でも、先代のロングホイールベース車よりも大きくしたのだ。その理由は、先代が常に「Sクラス」に販売面で後塵を浴びせられていたことだった。ボディーサイズが小さく見える、押し出しに欠ける、などが理由として挙げられた。そこで新型は大きく、押し出しのあるクルマに仕立てたというわけだ。



 とくに「i7」の外観は、ツートーンに塗り分けたカラーリングなので、一見、ロールスロイスかと思えるほどに立派になった。試乗車もボディーの下半分を濃紺、上半分をシルバーに塗り分けられ、存在感を放っていた。エンジン搭載の「7シリーズ」とは車体サイズは同じだが、フロントマスクのデザインは異なっている。

「i7」の電池総容量は101.7kWhと強力。モーターはフロントに258PS、リアに313PSの2モーター4WD方式を採用している。充電は急速充電(CHAdeMO)と200V普通充電に対応。充電口はCHAdeMOはリア左フェンダー、普通充電はフロント右フェンダーに設けられている。CHAdeMOは90W充電器なら60分の充電で0→80%、10分間でも最大80kmは走行可能な電力を充電することができる。20Vの普通充電は32Aだと17時間で0から100%になる。

 さらに今回は利用しなかったが、BMWディーラーの150kw急速充電器なら約50分で0→80%充電が可能。10分でも最大130km走行可能なまで充電できる。ちなみに今回、「i7」を借り出した時は、充電量99%でメーターでの航続可能距離は534kmと表示されていた。計測を開始したのは88%で、そのときのオドメーターは1329km。290kmを走行して、残り56%と表示されていた。単純計算すると290km走行して32%減だった。高速道路利用が約100kmだったので、このペースなら最長800km以上は走行できることになる。EVは装備(エアコン、オーディオ、ライト、アクセサリー)の使い方でも消費電力=航続距離にも影響するので、距離+充電量(%)も注意しておきたい。

 試乗に出かける前にコックピットドリルを受ける。「i7」には恐ろしいほどの新装備が投入されているのでこれは必須。例えばドアの開閉だが、自動で全ドアが開閉するのは体験済だが、開けるときに近くに人や物があるとセンサーが感知し、開ける角度を調整する、という頭の良さ。閉めるときも、運転席なら、ドライバーがブレーキペダルを踏むと自動で閉まる。

 走り出す前に「アイモード」スイッチを押すと、7つのモードが選択できる。モードを切り替える度に、大画面液晶と、ダッシュボード下部のアイピエントライトの色が次々に変わるというエンタテイメントも用意されている。

 エコモード的な「エフィシエント」を選択する。スタートから急加速を試すと、直後は一瞬、緩慢な動きかと思ったと同時ぐらいから急加速を開始。アッという間に100km/hに達した。0→100km/hは手元のストップウォッチでも4秒台後半。メーカー発表値の4.6秒に近い数値なのだ。メルセデス・ベンツの「EQS」がどこまでも大人しく感じさせる動きで、0→100km/hが6秒台なのに対し、BMW「i7」は、速く、スポーティ感を味わせてくれる。ここがメルセデスとBMWの違いなのだ。

「EQS」は積極的にハンドルを握って走ろうという気にならないが「i7」はハンドルを握っても楽しい部分を残している。スポーツモードを選択すると、アクセル開度によって、エキゾーストサウンド的な音が室内に流れる、という演出も用意されている。走行に対する制御も、オートマチックセルフレベリングコントロール付きアダプティブ2アクスルエアサスと電子制御ダンパー付アダプティブサスは標準。エアサスのエア供給は各ホイールごとに調整される。



 サスも初採用のアクティブロールコンフォート機能は、路面の片側の凹凸によるボディのロールを軽減するだけでなく、車高の調整も瞬時に行なう。ハンズオフ機能や完全自動駐車も可能だ。後席の装備も充実している。座席はオットマン、リクライニングは当然。マッサージもいろいろな部位に対してのマッサージが画面から選択できる。操作画面は左右ドアアームレストに、スマホ画面のように内蔵されている。このアイディアも新しい。



 さらに感激するのはシアタースクリーン。このモードを選択すると前席との中間に、天井から大きなスクリーンが下がってくる。同時に座席うしろのシェードが閉じ、室内を暗くするのだ。当然、運転席のリアミラーは後方視界ゼロ。本来なら、ここでルームミラーをデジタルバックミラーに切り替えられれば後方視界も100%確保できるのだが、ドイツ車はいまのところ全メーカーで、デジタルルームミラーを採用していない。

 結論として「i7」はBMWのラグジュアリーEVだが、決して後席用のためのリムジンではなく、ハンドルを握っても楽しいドライバーズカーにも仕上がっている。このあたりの味付けは、さすがBMWというしかないのだ。



【動画を見る】



■ 関連情報
https://www.bmw.co.jp/ja/all-models/bmw-i/i7/2022/bmw-i7-sedan-highlights.html#tab-0

文/石川真禧照(自動車生活探険家) 撮影/萩原文博 動画/吉田海夕

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みんなのコメント

7件
  • デカくてインパクトあるデザインに需要があるからって
    そんな低俗に合わせて作らなくてもと思うが。
    フラッグシップなのにそんなブレブレだから魅力が無くなるのではないかな。

    オラオラ系のお猿さんにはメルセデスに集まってもらって良いじゃん。指咥える客層じゃないよ。
  • (=皿=)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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