ホンダの名門車、シビックが日本に“復活”してから今月でちょうど3年目に突入した。
現行型のシビックは、2017年9月29日に発売。日本におけるシビックシリーズの販売は、限定車の「タイプR」を除けば2010年以来のことで、ホンダの名門車が日本へ復活してから2019年9月末でちょうど丸2年が経過した。
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今はSUVが売れ筋のカテゴリーで、特にRAV4の人気は高い。初代RAV4は1994年に発売されて人気車になったが、その後に海外指向を強めてボディを拡大させ売れ行きが低迷。2016年に国内販売を終えている。同じようにCR-Vも国内の販売を一度終了して、その後に再開している。
一連の復活劇の先駆けになったのが現行型のシビックだ。ただ、日本復活に際して「本当に売れるのか?」、「なぜ日本では市場が限られる3ナンバーのシビックをいま復活させるのか?」という指摘もあった。
発売当初に掲げた販売目標は「月2000台」という数値。復活したシビックは期待外れなのか? 意外に健闘しているといえるのか? 販売台数も交えながら解説する。
文:渡辺陽一郎
写真:編集部、HONDA
【図表&画像】シビック 復活後の全販売台数&写真をチェック!!
ホンダがシビックを日本に復活させた理由は?
タイプRなどの限定車を除くと、2010年以来の日本販売復活となる現行型シビック。シビックセダンのみ国内の寄居工場で生産される
シビックは、1972年に初代モデルを発売された小型車で、ホンダの主力車種に位置付けられる。1991年には約17万台を登録して、1ヵ月平均も1万4000台以上に達した。
2019年度上半期(2019年4~9月)に、小型/普通車で最も多く登録されたプリウスの1か月平均が1万1000台少々だから、当時のシビックはかなり高い人気を誇っていた。
しかし、この後にシビックの売れ行きは下がっていく。2000年に発売された7代目は、3ドアハッチバックを廃止して、室内の広い5ドアハッチバックを用意。
実用性は向上したが、スポーティなシビックらしさが薄れ、2001年には初代フィットも登場している。
2000年登場の7代目シビック。当代が5ナンバーハッチバックとしては最後のモデルとなり、続く8代目の日本仕様はセダンのみとなった
初代フィットは、シビックよりも小さなコンパクトカーだが、燃料タンクを前席の下に搭載して後席と荷室を広げ、空間効率を高めた。低燃費で価格も割安だ。2002年には初代フィットが好調に売れて、国内販売の1位になったから、シビックは顧客を奪われた。
2005年に発売された8代目は、3ナンバーサイズのセダンになり、売れ行きは一層落ち込む。2010年に国内販売を終えた。この後、イギリス製のシビックタイプRを輸入することはあったが、実質的に国内市場からは消滅していた。
ところが2017年に、シビックが復活した。開発者は「国内販売の終了後、常に復活をねらっていたが、なかなかチャンスに恵まれなかった。それがようやく実現した」という。
復活の強力な切っ掛けになったのは、海外向けのセダンを国内の寄居工場で生産することだった。国内で生産するなら、国内の販売もしやすい。
セダンだけではラインナップが乏しいので、ハッチバックと高性能なタイプRをイギリスから輸入して選択肢を充実させた。
目標は月2000台! シビックは売れているのか?
月販目標台数の2000台は、写真手前からシビックハッチバック、シビックセダン、シビックタイプRを合わせたシリーズ全体での数字。ハッチバックとタイプRは日本仕様も英国工場製
2017年7月にシビックを発表した時の販売計画は、セダン/ハッチバック/タイプRの3タイプを合計して1ヵ月当たり2000台であった。
1991年販売実績の14%だが、現行型は3ナンバーサイズのボディで、価格は最も安いハッチバックが280万440円、タイプRは450万360円(いずれも消費税は8%)に達する。以前のシビックに比べると、価格を大幅に高めた。
しかも、以前のシビックユーザーから見れば、日本を見捨てて海外専用車となりながら、7年も経て突然戻ってきたことになる。
戻った理由も「国内で生産することになったから」という消極的なもので、日本のユーザーに向けて特別な工夫を施したわけではない。そこまで考えると、1か月で2000台という数字は強気に思えた。
シビックの発売時期も問題だった。2017年7月頃には、N-BOXのフルモデルチェンジ、フィット/ステップワゴン/シャトルのマイナーチェンジとも重なっていたからだ。
シビックと競合する国産3ナンバーハッチバックは、カローラスポーツやインプレッサスポーツなど。特にアクセラはシビックの発売当時2000台規模の販売を誇っていた
2017年上半期(2017年1~6月)には、アクセラが1ヵ月平均で2500台を登録していたが、ホンダはすでにN-BOXが絶好調で、国内で売られるホンダ車の約半数が軽自動車になっていた。シビックはもはや国内のホンダのブランドイメージに合わず、2000台は無理だと思われた。
発売直後は納車が滞ったが、2018年に入ると1ヵ月に1500~1600台を安定的に登録。1年を通じて新車が最も多く売れる3月には2000台を超えた。2018年の1か月平均は1524台となる。マツダ3の前身となるアクセラを少し上まわる販売実績であった。
直近の2019年度上半期(2019年4~9月)は、少し売れ行きが下がり、1か月平均で1116台だ。レヴォーグよりを少し下まわる。
【図表&画像】シビック 復活後の全販売台数&写真をチェック!!
復活から2年…シビックが意外に健闘している2つの理由
1972年に登場し、40年以上の歴史を持つシビック。一度は日本から消滅したものの、かつて所有したユーザーも多く、「CIVIC」の名は未だにホンダにとって大きな価値を持つ
従って2017年7月に発表した時の1ヵ月に2000台という計画は、結局のところ発売直後から達成できなかった。
今は販売計画も一種のコミットメントとされ、売れ行きが落ち着いた段階での台数を示すことが多い。そうなると1か月に2000台なら、発売直後には3000~3500台に達しないと、販売計画を維持できない。
そのために1か月に2000台と発表された時には、強気だと感じる一方、往年のシビック愛好家の心に刺さるようなプロモーションに期待した。
「寄居工場で生産するから」とは違う、オジサン世代の気持ちを熱くする復活ストーリーが明らかにされ、「それならもう一度シビックに乗ろうじゃないか!」と感動させてくれるのではないかと夢を見た。
だが、それはまさに夢に終わり、復活ストーリーも、楽しいイベントも開催されなかった。漠然と復活しただけだ。
そこまで考えると、2019年度上半期の登録台数が1か月平均で1000台を上まわるのは上出来だろう。
背景には2つの理由がある。
ひとつは、以前に比べると小型/普通車のサイズが日本車、輸入車ともに拡大して、全幅を1800mmまで広げたシビックがあまり大柄には感じないことだ。価格も全般的に高まり、ほかのミドルサイズカーに比べて際立って高いわけではない。
2つ目は、シビックを買うユーザーの優しさだ。販売店によると「今のシビックを購入されるお客様の中には、従来型を乗っていた方も多い。シビックからオデッセイなどに乗り替えられ、再びシビックに戻るパターンが目立つ」という。
一度日本を見捨てながら、フラリと気まぐれに戻ってきたシビックを暖かく迎える。
ホンダはシビックのユーザーを、二度と裏切ってはならない。
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