モータースポーツにおいて、ドライバーがマシンを操舵するステアリングホイールは極めて重要なパーツであると言える。このステアリングホイールは技術の進歩と共に、目覚ましい進化を遂げてきた。各チームはより快適なもの、より良い機能が備わったものを開発し、ライバルよりも少しでも優位に立とうとしたのだ。
ステアリングホイールに関する最初の変化は人間工学に基づくもので、ドライバーがより快適に操舵できることを目指したものだった。しかしながらそのカスタマイズのレベルは時代と共に劇的に変化し、現在ではほぼ全てのドライバーがステアリングホイールに独自の特徴を取り入れている。
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■セナとマンセル、対照的なドライビングスタイルが対照的なステアリングを生み出した
F1の技術ジャーナリスト/イラストレーターとしても知られるジョルジョ・ピオラはかつて、ステアリングメーカーであるナルディ、パーソナルと協力していたことがある。どちらのブランドも同じファクトリーを拠点としているが、特にナルディはマクラーレンにステアリングを独占供給していたため、ドライバーたちと密に連携して、彼らが望むステアリングを作り出すことができた。
ドライバーごとに異なるそのステアリングデザインは、彼らの個性となるだけでなく、それぞれのドライビングスタイルを示すようなものだった。上の比較写真を見ても、形がドライバーによってかなり異なっていることが分かる。
マシンと格闘するようなドライビングスタイルで知られていたナイジェル・マンセルは、直径が極めて小さい一方で、グリップ部分が太いステアリングホイールを使用していた。スパ・フランコルシャンで行なわれるベルギーGPでは、マンセルがオールージュからラディオンにかけてリムに強い負荷をかけるあまり、リムが文字通り曲がってしまっていた。そのためマンセルには、スパの後に2年連続で新しいステアリングホイールが供給されたのであった。
一方、繊細なドライビングスタイルだったアイルトン・セナは、マンセルとは対照的にグリップが細く、直径の大きいステアリングホイールを使用していた。
いずれにせよ、ステアリングホイールの握り方や使い方の自由度が、彼らがパフォーマンスを最大限発揮するのに不可欠なものであったことは間違いないだろう。ただこういった自由度が、チームを移ることで失われることがある。その最たる例が、1994年にウイリアムズに移籍したセナだろう。
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